オープン・スコアリング・システムとは、2006年からWBC(世界ボクシング評議会)が採用しているボクシングの採点方法です。オープン・スコアリング・システム最大の特徴は、4ラウンドと8ラウンド終了時にポイントを公開することで、「ボクシングの採点基準を明確にすること」を目的に採用されています。
しかし、大差が付いた試合でポイントをリードしているボクサーが、たとえ逃げ回っても判定で勝利できるという問題点を指摘する声も多く、ボクシング関係者の間で、いまだに賛否が分かれている採点方法です。
個人的には「どっちが勝っているだろう」といった判定の際の緊張感が薄れたり、自己採点をする楽しみが減ったりするので、オープン・スコアリング・システムがあまり好きではありません。採点で優勢なボクサーが逃げ腰になると、試合終盤の逆転KOも減ってしまいますよね。
また、大差の判定がついた時点で、観客が帰ったり、視聴者がチャンネルを変えたりすると、スポンサーにとっては大きな問題で、もしスポンサーが撤退するようなことになると、最終的には戦っているボクサーのファイトマネーが減ってしまうので、どうしても好きになれない採点制度です。
なお、以上のような理由で、アメリカをはじめとする一部の国や地域では、たとえWBCの試合でも、オープン・スコアリング・システムを採用せず、試合途中の公開採点を控える場合があります。世界中のボクシング関係者、ボクシングファンを中心に今後もオープン・スコアリング・システムの賛否両論が続きそうです。