WBO世界クルーザー級タイトルマッチ
チャンピオン | エンゾ・マカリネリ(イギリス) 戦績:28戦27勝20KO1敗 |
挑戦者 | モハメド・アズーイ(アルジェリア) 戦績:25戦23勝8KO無敗2分 |
試合内容
長身強打のイギリス人チャンピオン、エンゾ・マカリネリが無敗の元オリンピアン、モハメド・アズーイを迎えて4度目の防衛戦に挑みます。地元イギリス、ウェールズで抜群の人気を誇る、エンゾ・マカリネリが無敗の挑戦者を迎える楽しみなタイトルマッチですね。
チャンピオンのエンゾ・マカリネリは、身長193センチから打ち下ろす右ストレートを得意とするテクニシャン。2006年7月、空位のWBO暫定世界クルーザー級タイトルを獲得後、正王者に昇格し、これまで3度の防衛に成功しています。チャンピオンになってから、ますます安定感が増していますね。
挑戦者のモハメド・アズーイは、シドニーオリンピックに出場後、プロへ転向し、これまで無敗を続けている基本に忠実なテクニシャンです。テクニックに定評のあるエンゾ・マカリネリに対して、元オリンピアンのモハメド・アズーイがどんなボクシングで対抗するのか、注目ですね。
試合は序盤から両者が左ジャブを突いて様子を見る、重量級らしからぬ立ち上がり。お互いジャブを連打して相手の戦力を探っている状態です。試合が動いたのは2ラウンド。1ラウンドと変わらず、左ジャブの突き合いをしているところへ、チャンピオンのエンゾ・マカリネリが突然の左フックをボディーを叩き込みます。予想外のパンチをモロにもらってしまったモハメド・アズーイはたまらず後退。一発で腰がひけるほどの威力です。
「徐々にエンゾ・マカリネリのペースになってきたな」と思っていると、4ラウンド、突然の幕切れが訪れます。ラウンド開始から左ジャブを突き、試合を支配するエンゾ・マカリネリ。ジリ貧になったモハメド・アズーイはクリンチで逃れようとしますが、クリンチをほどいたエンゾ・マカリネリが再び強烈な左ボディーブローを叩き込み、モハメド・アズーイがダウンします。
背中を押さえてキドニーブローをアピールするモハメド・アズーイですが、レフェリーの判断は正当なボディーブロー。試合はこのまま10カウントとなり、エンゾ・マカリネリがモハメド・アズーイをKOで下しました。リプレーで観る限り、正当なボディーブローで、モハメド・アズーイの抗議は受け入れられないでしょう。
4度目のタイトル防衛に成功したエンゾ・マカリネリですが、この試合は出来が良かったですね。特に左ジャブは手数、威力とも申し分なく、気持ち良くボクシングができたのではないでしょうか?懐が深いエンゾ・マカリネリだけに、これだけ左ジャブが出ると、対戦相手は苦しいですね。エンゾ・マカリネリの良さばかりが目立った防衛戦でした。
試合結果
試合結果 | エンゾ・マカリネリが4ラウンドKO勝ちで4度目の防衛に成功。 |