IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ
チャンピオン | ウリセス・ソリス(メキシコ) 戦績:27戦24勝18KO1敗2分 |
挑戦者 | ロデル・マヨール(フィリピン) 戦績:24戦23勝18KO1敗 |
試合内容
軽量級ながら、チャンピオンのウリセス・ソリス(メキシコ)が24勝18KO、挑戦者のロデル・マヨール(フィリピン)が23勝18KOの高いKO率を誇るハードパンチャー同士の激突にKO決着の期待が高まります。
試合は一触即発の雰囲気が漂う緊迫感のある立ち上がり。両者とも左ジャブで距離を測りながら、お互いに右ストレートを警戒します。頭を振りながら鋭く踏み込んで強打を当てたいマヨールに対して、チャンピオンのソリスはどっしり構えて、力強く応戦する展開。
序盤はチャンピオンペースで進み、試合が大きく動いたのは6ラウンド。上下に打ち分けるソリスの強打に、マヨールがたまらず後退します。「ここが勝負!」とばかりパンチを連打するチャンピオンが強烈な右アッパー。
ところが、チャンピオンの強打を冷静にかわしたマヨールが絶妙のタイミングで左フックを叩き込み、チャンピオンがぐらつきます。マヨールにもたれるように倒れ込むチャンピオン。「ダウン!」と思いましたが、レフェリーはカウントすることなく、試合続行を指示します。
ダウンは取られなかったものの、ソリスのダメージは深刻で、終了間際もマヨールの右ストレートをもらい再びぐらつきますが、マヨールの連打を何とかしのぎ、コーナーへ戻ります。
7ラウンド開始から勝負に出るかと思われたマヨールですが、ダメージが残る中、力を振り絞ってパンチを振り回すチャンピオン、ソリスの気迫におされてか、思ったほど攻めに出ず、逆に強烈な左ボディをもらい、表情が曇ります。マヨールが距離を取ったおかげで、徐々に回復を見せるソリス。結果的には、このラウンドが勝負の分かれ目だったように思います。
8ラウンドに入り、足に力が入ってきたチャンピオン、ソリス。力強いパンチがよみがえり、1分過ぎに繰り出した素早いワンツーが的確にマヨールのアゴをとらえ、起死回生のダウンを奪います。前のめりに倒れこんだマヨールは何とか立ち上がろうとしますが、ダメージは誰の目にも明らかで、レフェリーが試合をストップします。
あと一歩のところで、チャンピオンベルトを掴み損ねた挑戦者、マヨール。ソリスは本当に苦しい試合を逆転勝ちで制し、5度目の防衛に成功しました。ソリスとマヨールの力の差はほとんどなかったように思いますが、「勝負どころ」を嗅ぎ分ける感覚が、両者の明暗を分けた試合でした。
試合結果
試合結果 | チャンピオン、ウリセス・ソリスが8ラウンドKO勝ちで防衛に成功 |