IBF世界ミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | アルツール・アブラハム(ドイツ・アルメニア出身) 戦績:24戦全勝19KO |
挑戦者 | ウェイン・エルコック(イギリス) 戦績:20戦18勝8KO2敗 |
試合内容
WBA王者フェリックス・シュトルム、WBC、WBO王者ケリー・パブリック、IBF王者アルツール・アブラハム、前WBC、WBO王者ジャーメイン・テイラーの実力者4人がほぼ横一線で並んでいる状態が続き、混迷を極めるミドル級戦線。
ケリー・パブリックがジャーメイン・テイラーから王座を奪取し、一歩リードした感がありますが、そのパブリックに実力、戦績で全く引けを取らないのが、IBFチャンピオンのアルツール・アブラハムです。
アブラハムは鉄壁のガードを誇る、攻防分離の全勝チャンピオンで、まずは相手の攻撃をガッチリしたブロックで防ぎ、相手が攻め終わると、一気に攻勢を仕掛けて、自慢の強打を打ち込むファイターです。
「キング」のニックネームを持つアブラハム6度目の防衛戦は、序盤から全勝チャンピオンのペースで進みます。開始直後から世界初挑戦のウェイン・エルコックが左ジャブを打ち込みますが、チャンピオンのアブラハムが鉄壁のガードでクリーンヒットを許しません。
序盤はガードを固めて相手の出方を見ながら戦うアブラハムが、攻撃に転じたのは2ラウンド。エルコックの左ジャブに右ストレートのカウンターを見事に合わせ、この試合最初のダウンを奪います。3ラウンド以降は、アブラハムが完全に試合を支配し、攻撃のペースを上げ、迎えた5ラウンド1分30秒。
アブラハムの右ストレートがエルコックのアゴをクリーンヒットし、挑戦者はロープにもたれかかるようにしてダウン。意識がもうろうとする中、必死に立ち上がり、ガードを固めて耐えようとしますが、アブラハムが放った渾身の右ストレートがエルコックのガードを突き破り、再びアゴをとらえます。さらに、挑戦者の腰が落ちたところへ強烈な左フック!
エルコックは立ったまま気を失い、レフェリーが慌てて試合をストップします。チャンピオンのアブラハムは完璧な試合内容で6度目の防衛に成功。リマッチ(再戦)が決定しているケリー・パブリックとジャーメイン・テイラーの勝者と戦い、ミドル級最強を証明することを宣言しました。
また、同じドイツを主戦場とするWBAチャンピオン、フェリックス・シュトルムとの統一戦も実現する可能性があり、「キング」アルツール・アブラハムがミドル級戦線のカギとなりそうです。
試合結果
試合結果 | アルツール・アブラハムが5ラウンドTKO勝ちでタイトル防衛 |