WBA暫定世界スーパーフライ級タイトルマッチ
チャンピオン | ホルヘ・アルセ(メキシコ) 戦績:55戦50勝38KO4敗1分 |
挑戦者 | イシドロ・ガルシア(メキシコ) 戦績:32戦25勝8KO5敗2分 |
試合内容
2008年9月にWBA暫定世界スーパーフライ級タイトルを獲得し、3階級制覇を達成したホルヘ・アルセ。闘争心むき出しの攻撃的なボクシングで相手を打ち倒してきたメキシコを代表する人気ボクサーです。左ボディーブロー、回転の速い連打がアルセの代名詞ですね。
人気、実力を兼ね備えたアルセに挑戦するのは、元チャンピオンのイシドロ・ガルシア。1999年12月に空位のWBO世界フライ級タイトルを獲得した実力者で、アルセを打ち破ることができれば、2階級制覇達成です。32歳のガルシアとしては、経験を活かしたボクシングでアルセを空回りさせたいところですね。
試合は序盤からメキシコ人同士のプライドをかけた激しい打撃戦になります。試合開始直後から挑戦者のガルシアが前へ出て、アルセに回転の速い連打。アルセを前へ出すと、軽量級屈指のパンチ力が活きるということで、ガルシアのほうから攻撃を仕掛ける作戦のようです。
最初の1分こそ、ガルシアがペースを握っていたのですが、ラウンド中盤を過ぎると、アルセの攻撃的なボクシングにエンジンがかかりはじめ、左右のフックを中心に、ガルシアの顔面、ボディーへ強烈なコンビネーションを打ち込みます。
2ラウンドに入ると、アルセの代名詞である左ボディーブローがズバズバと決まり始め、ガルシアの腰が徐々に引けるようになります。アルセのボディーブローはとんでもない威力ですね。3ラウンドに入ると、足が動かなくなったガルシアがアルセに対して、「足を止めて打ち合え」というジェスチャーを送りますが、アルセは左ジャブとフットワークを使いながら上手くかわし、自分のボクシングを貫きます。「やんちゃ坊主」のニックネームを持つアルセですが、少し大人になりましたね(笑)。
4ラウンドに入ると、アルセがいきなり仕掛けます。左ジャブでガルシアの注意を顔面に集中させたところへ、強烈な左ボディーブロー。腰が落ち、ロープにもたれかかるガルシアに対して、アルセが左右のフック、アッパーを連打し、再び強烈な左ボディーブローでガルシアからダウンを奪います。
何とか立ち上がったガルシアですが、「ファイト」の声がかかると同時にアルセがものすごい勢いで飛びかかり、再び左右のフックを連打。ガルシアが防戦一方になったところで、レフェリーのトニー・ウィークスさんが試合をストップし、アルセが4ラウンドTKO勝ちで暫定王座の初防衛に成功しました。相変わらずとんでもないボディーブローを打ちますね。
この試合のアルセは圧倒的な強さをみせてくれました。スーパーフライ級に転向しても全く攻撃力が落ちていないどころか、ますますパワーアップしている感じです。サウスポーやテクニックのあるボクサーに対して、空回りする傾向があるアルセですが、足を止めて打ち合ったらめちゃめちゃ強いです。
管理人はメキシコ人初の4階級制覇を達成するボクサーはアルセだと思います。まだ29歳と若く、この調子だと、4階級制覇どころか、5階級制覇も夢じゃないですよ。フリオ・セサール・チャベス、マルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレスですら成しえなかった偉業を達成する日は意外と近いかもしれませんね。
試合結果
試合結果 | ホルヘ・アルセが4ラウンドTKO勝ちでタイトル防衛に成功。 |