IBOライト級王座決定戦
元3団体統一世界 ライト級チャンピオン |
ファン・ディアス(アメリカ) 戦績:34戦33勝17KO1敗 |
元WBO暫定世界 ライト級チャンピオン |
マイケル・カチディス(オーストラリア) 戦績:24戦23勝20KO1敗 |
試合内容
2008年3月まで3団体統一世界ライト級チャンピオンだったファン・ディアスと、同じく2008年3月までWBO暫定世界ライト級チャンピオンだったマイケル・カチディスがマイナータイトルのIBOライト級タイトルをかけて激突します。ディアスとカチディスの知名度を考えると、タイトルではなく、お互いのプライドをかけた一戦で、管理人の中では「幻の王座統一戦」です。
ディアスはネート・キャンベルに、カチディスはホエル・カサマヨルに敗れてタイトルを失いましたが、お互いプロで喫した黒星はわずかにひとつだけ。ディアスもカチディスも決して評価を落とした敗戦ではないので、元チャンピオン同士のサバイバルマッチが持つ意味は大きいと思います。再び混迷のライト級トップ戦線へ浮上するのはディアスか、カチディスか、注目の試合は両者のプライドがぶつかり合う素晴らしい試合となりました。
ディアス、カチディスとも序盤からエンジン全開。お互いに素晴らしい左ジャブを突き合い、試合の主導権を握ろうとしますが、どちらも譲りません。ディアス、カチディスともに回転の速い連打が持ち味ですが、ファイトスタイルは全く違います。ディアスはガードを固めてガッチリ守り、相手の打ち終わりを待って攻撃に転じるタイプですが、カチディスは攻撃が最大の防御とばかり攻めまくるタイプです。
一撃一撃力を込めてパンチを打ち込むカチディスに対して、コンパクトなパンチで応戦するディアス。パンチの威力はカチディスのほうが上ですが、的中率はディアスが上です。序盤こそ、全く譲らない戦いが続いたのですが、試合が進むにつれて「同じ特徴を持つ、全く違うボクサー」の両者に少しずつ差が出始めます。その差とは「ディフェンス技術」です。
ガードを下げて戦うカチディスのほうが、ガードをガッチリ固めるディアスに比べてクリーンヒットをもらう場面が増えてきたんです。こうなると、両者の疲れ具合が違ってきます。スタミナの消耗に加えて、パンチによるダメージで動きが鈍ったカチディスのほうがディアスに比べて明らかに辛そうです。
9ラウンド、10ラウンドにはディアスの右アッパーをもらい、さらに失速するカチディスですが、何とか前へ出てパンチを出し続けます。ものすごい闘争心です。管理人は終盤にディアスがカチディスを仕留めるのではないかと思ったのですが、12ラウンド終了までお互いが前へ出て打ち合い続け、決着は判定に委ねられます。
結局、2-1のスプリットデシジョンでディアスの判定勝ちとなりましたが、この試合は今年一番難しい判定だったと思います。「10対9.5」というような内容のラウンドばかりだったんです。管理人の採点は116-112でディアスの勝ちでしたが、4ポイント差が付くような試合内容ではなく、競り合いの連続で、10ポイント・マスト・システムの積み重ねが、このような採点結果になりました。この試合はディアスが勝ちましたが、勝ったディアス、負けたカチディスともに拍手を送りたい内容ですね。「幻の王座統一戦」にふさわしい素晴らしい試合でした。
試合結果
試合結果 | ファン・ディアスが2-1の判定勝ちで元チャンピオン対決に勝利。管理人の採点は116-112でファン・ディアスの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
|