NABO北米スーパーミドル級王座決定戦
WBO世界 スーパーミドル級6位 |
ビクトル・オガノフ(ロシア) 戦績:29戦28勝28KO1敗 |
WBO世界 スーパーミドル級7位 |
アンドレ・ディレル(アメリカ) 戦績:16戦全勝11KO |
試合内容
アテネオリンピックにアメリカ代表して出場し、銅メダルを獲得したアンドレ・ディレル。プロ転向後も16戦全勝11KOと順調に白星を重ねて、一歩一歩世界タイトルへ近づいています。最近は、ロイ・ジョーンズと戦った経験を持つ実力者、アンソニー・ハンショーにTKO勝ちするなど、ますます評価を高めていますね。
上昇気流に乗っているディレルとNABO北米スーパーミドル級タイトルをかけて対戦するのはビクトル・オガノフ。身長175センチとスーパーミドル級のボクサーとしては小柄ですが、持ち前の突進力で距離を詰め、29戦28勝28KOの強打で相手を仕留める典型的なファイターです。ディレル、オガノフとも世界戦線浮上をかけた負けられない試合ですね。
試合は序盤からディレルのペース。ガードを固めて突進してくるオガノフに対して、自慢のスピードを活かしながら自分の距離を保ち、パンチを集めます。アテネオリンピック銅メダリストらしく、ステップワークとフットワークは抜群です。しかも、手数が多く、想像以上にパンチ力がありますね。
ガードを固めながら距離を詰めてディレルをロープに追い込みたいオガノフですが、ディレルが自慢のスピードとフットワークを活かして上手く回り込むため、パンチが全くあたりません。オガノフにとっては自分のパンチが当たらず、相手のパンチだけが当たる苦しい展開です。
ガードを固めて耐えながらチャンスをうかがうオガノフに対して、ディレルはスイッチしながらジャブを的確に当て、オガノフが飛び込んでくるところに強烈なアッパーを打ち込む理想的な展開。オガノフとの相性もあると思いますが、パンチの当て勘は抜群です。
試合は6ラウンドにディレルが強烈な左アッパーを打ち込んだところでレフェリーがストップ。ディレルがTKO勝ちで勝利を収め、全勝記録を17に伸ばしました。1ラウンドに飛ばしすぎたため、5ラウンドあたりからスタミナが少し落ちてきたディレルですが、パンチと動きのスピードは素晴らしいですね。ボクサーとしての素質は申し分ないと思います。
スタミナ不足、打たれ弱さ(特にボディー)、後ろに下がってしまう癖など、まだまだ改善しなければならない部分がたくさんありますが、強打者のオガノフに快勝したことでますます自信をつけたのではないでしょうか?長きに渡って、第一人者のジョー・カルザゲが支えてきたスーパーミドル級。順調にキャリアを積んでいけば、ディレルはカルザゲの後継者になれる可能性を秘めたボクサーです。
試合結果
試合結果 | アンドレ・ディレルが6ラウンドTKO勝ちでタイトル奪取に成功。 |