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ノニト・ドネアの真価が問われる初防衛戦

IBF世界フライ級タイトルマッチ

チャンピオン ノニト・ドネア(フィリピン)
戦績:19戦18勝11KO1敗
挑戦者 ルイス・マルドナド(メキシコ)
戦績:39戦37勝28KO1敗1分

試合内容

フライ級最強と呼ばれた絶対王者ビック・ダルチニャンを衝撃の左フック一発でマットに沈めたチャンピオン、ノニト・ドネア。果たして、その実力は本物なのか?挑戦者にタフなメキシカンボクサー、ルイス・マルドナドを迎えた初防衛戦は真価が問われる大切な一戦となりました。

試合は序盤からガードをしっかり固める挑戦者のマルドナドに対して、チャンピオンのドネアが積極的に仕掛ける展開が続きます。試合前は、マルドナドがもっと前に出て打ち合ってくるかと思ったのですが、ドネアのパンチ力が想像以上なのか、踏み込んで勝負することができません。

タイトルを奪ったビック・ダルチニャン戦は、ダルチニャンばかりに目が行ってしまいましたが、じっくり観戦するとドネアの素晴らしさがわかります。特に、左の使い方が抜群に上手い!ジャブ、アッパー、フック、何でも打つことができるだけでなく、スピード、タイミングも申し分ありません。

挑戦者のマルドナドは、左構え、右構えと頻繁にスイッチしてペースを変えようとするのですが、ドネアは相手が左構えなら左フック、右構えなら左ジャブを繰り出し、マルドナドが全く何もできない展開が続きます。

2ラウンドには、マルドナドが右の目じりと左のまぶたをカット。ドネアのサウスポーに対する左フックの使い方、ポジショニングは超一流です。サウスポー相手にこれほど上手く戦えるボクサーは珍しいと思います。

2ラウンド以降もドネアのペースで試合が進み、迎えた7ラウンド残り10秒。ドネアの右アッパーが挑戦者のアゴをとらえ、よろめくマルドナド。ドネアはさらに追いかけ、左フックをテンプルにヒットさせ、ダウンを奪います。

挑戦者のダメージはかなり深く、7ラウンド終了した時点でセコンドが試合をストップするかと思ったのですが、悲願の王座奪取へ8ラウンドも続行します。チャンスと見るや、8ラウンド開始後、いきなりドネアが飛び込んで左フック。マルドナドのガードの上を叩きますが、挑戦者の足元はガクガクしています。

最後はマルドナドをコーナーに詰め、ラッシュから顔面へ強烈な左アッパー!挑戦者の顔が跳ね上がり、腰が沈んだところで、レフェリーが試合をストップ。注目の初防衛戦は、チャンピオン、ドネアの強さが際立つ結果となりました。特に、左の使い方の上手さと的中率の高さは目を見張るものがあります。

ルイス・マルドナドは決して弱いボクサーではありません。並みのチャンピオンならKO勝利できるだけの技術とタフさを持っているボクサーです。そのマルドナドが、ドネアの前では何もできずに完敗してしまいました。ビック・ダルチニャンが負けたのも納得の内容。完璧な勝利です。25歳とまだ若く、長期政権の予感がする脅威のチャンピオン。今後、人気が出るのは間違いないでしょう。本当に強かったです。

試合結果

試合結果 ノニト・ドネアが8ラウンドTKO勝利で初防衛に成功
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