WBC世界バンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | 長谷川穂積(日本) 戦績:24戦22勝7KO2敗 |
挑戦者 | シモーネ・マルドロット(イタリア) 戦績:27戦26勝9KO1敗 |
試合内容
日本のエース、長谷川穂積選手がランキング1位の指名挑戦者、シモーネ・マルドロットを迎えた5度目の防衛戦。長谷川選手が勝つと、ファイティング原田さん、薬師寺保栄さんが持つ日本人の世界バンタム級タイトル最多防衛記録4回を塗り替えます。
この試合は、長谷川選手にとっては、ジム移籍後初の防衛戦です。試合は、予想通り、お互いが足を使った展開で始まりますが、いつもの長谷川選手に比べて、大振りが目立ち、リズムが作れません。
さらに、2ラウンドにはバッティングによって右目の上を切ってしまい、「早く試合を終わらせたい」という気持ちが強いのか、手数も出入りも少ないボクシングで、長谷川選手らしさがあまり感じられません。それでも、相手の攻撃をかわす目の良さ、動きの速さは素晴らしく、攻撃をよけながら反撃し、少しずつ出入りのリズムが生まれます。
パンチの威力、スピード、的確さはいずれも長谷川選手のほうが上ですが、挑戦者のマルドロットもスイッチしながら、手数を出して応戦します。目の上のカットの影響か、いつも以上に長谷川選手がパンチをもらう姿が目立ち、6ラウンドには後ろにのけぞるほどの強烈な左ストレートをもらってしまいます。
しかし、後半戦に入ると、少しずつ右ジャブが出始め、長谷川選手のボクシングに本来のリズムが生まれ始めます。7ラウンドには接近戦から強烈な右フックを打ち込み、「ウィラポンをKOした右フック」を思い出させてくれます。
WBCのオープン・スコアリング・システムによると、8ラウンドを終わった時点で、2人のジャッジが4ポイント差、1人のジャッジが6ポイント差で、長谷川選手が試合を優位に進めます。いつもリズムではないものの、試合はこのまま、長谷川選手のペースで進み、結果は大差の判定で見事防衛に成功。日本人の世界バンタム級タイトル最多防衛記録を5回に更新しました。
防衛記録の更新や移籍後初となるタイトルマッチなど、プレッシャーがかかる中、リズムが悪いなりに快勝するところは王者の証。特に、最終ラウンドであれだけラッシュできる日本人ボクサーは長谷川選手しかいないと思います。さすがは「日本のエース」です。WBA世界バンタム級チャンピオン、シドレンコとの統一戦や2階級制覇など、数ある選択肢から「日本のエース」がどれを選ぶか目が離せません。
試合結果
試合結果 | チャンピオン、長谷川穂積選手が判定勝ちでタイトル防衛に成功し、 日本人の世界バンタム級タイトルの最多防衛記録を更新 【公式ジャッジの採点結果】
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