WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ
チャンピオン | フェルナンド・モンティエル(メキシコ) 戦績:38戦35勝26KO2敗1分 |
挑戦者 | マーティン・カスティーリョ(メキシコ) 戦績:35戦33勝17KO2敗 |
試合内容
スーパーフライ級は軽量級ながらパンチ力がある好戦的なボクサーが集まる階級です。アレクサンデル・ムニョス、フェルナンド・モンティエル、クリスチャン・ミハレス、マーティン・カスティーリョなど、そうそうたるボクサーが名前を連ねています。
今回のタイトルマッチはその中の2人が激突します。チャンピオンのフェルナンド・モンティエルはスーパーフライ級を代表するボクサーで、今回が6度目の防衛戦。一方、挑戦者のマーティン・カスティーリョは元チャンピオンで、石原英康選手や名城信男選手と激闘を演じた日本でもお馴染みのボクサーです。なんとアマチュア時代にはフロイド・メイウェザーに勝ったこともあるんです。
モンティエルとカスティーリョの共通点はパンチ力とテクニックを兼ね備えているところです。モンティエルは体が硬く、滑らかなボクシングを披露するタイプではありませんが、体全身から力がみなぎっている強打者です。対するカスティーリョは体を小刻みに振りながら相手の懐で勝負するボクサーです。巧打者同士の対決で実力伯仲と予想したタイトルマッチだったのですが、蓋を開けてみると思わぬ展開が待っていました。
試合開始からお互いが左ジャブでけん制し合う立ち上がり。モンティエル、カスティーリョともにキレのあるジャブを繰り出します。「いいジャブの突き合いだな」と思っていると、チャンピオンのモンティエルが左ジャブのフェイントから左フックを強振!これがカスティーリョのアゴを見事にとらえ、いきなりダウンを奪います。
2ラウンドに入っても、チャンピオン、モンティエルのボクシングが冴え渡ります。この試合のモンティエルはパンチの角度とタイミングが抜群で、出すパンチ、出すパンチが面白いようにカスティーリョにヒットします。挑戦者のカスティーリョが必死に頭を振ったり、ガードを固めたりしてパンチを外そうとするのですが、モンティエルの上手さが目立つばかり。カスティーリョの調子が悪いと思わないのですが、チャンピオンのプレッシャーに飲まれてしまいます。
3ラウンド終了間際にもモンティエルの強烈な左フックがカスティーリョの顔面をとらえ、カスティーリョの腰が落ちます。そして、モンティエルの一方的な攻勢で迎えた4ラウンド、カスティーリョをロープに追い詰め、顔面連打の後、強烈な左ボディーでカスティーリョを沈めます。ジョー・コルテスレフェリーが10カウントを数え、モンティエルのKO勝ち。
この試合のモンティエルは本当に強かったです。マーティン・カスティーリョは強いボクサーなんですけど、モンティエルが相手だと全く何もできなかったですね。6度目の防衛戦はパーフェクトな内容でした。
この内容を見せつけられると、WBCチャンピオンのクリスチャン・ミハレス以外、スーパーフライ級でモンティエルに勝てるボクサーはいないんじゃないかな?と思ってしまいます。WBAチャンピオンのアレクサンデル・ムニョスもモンティエルと同じ強打者ですが、ちょっと荷が重い感じがします。
防衛回数も6度になり、そろそろ統一戦の話が出る時期。WBCチャンピオン、クリスチャン・ミハレスとの統一戦が実現すると嬉しいですね。減量苦さえなければ、まだまだモンティエルの防衛は続きそうです。
試合結果
試合結果 | フェルナンド・モンティエルが4ラウンドKO勝ちで6度目の防衛に成功 |