WBAインターコンチネンタルスーパーウェルター級王座決定戦
元3階級制覇 チャンピオン |
シェーン・モズリー(アメリカ) 戦績:50戦44勝37KO5敗1無判定 |
元2階級制覇 チャンピオン |
リカルド・マヨルガ(ニカラグア) 戦績:37戦29勝23KO6敗1分1無効試合 |
試合内容
ライト級、ウェルター級、スーパーウェルター級の3階級を制覇したシェーン・モズリーとウェルター級、スーパーウェルター級の2階級を制覇したリカルド・マヨルガのベテラン同士が対決するボクシングファンにはたまらない好カードです。
モズリーは言わずと知れたスピードスター。「ゴールデンボーイ」、オスカー・デラホーヤに2度勝った世界で唯一のボクサーで、スピードを活かした基本に忠実なボクシングが持ち味です。一方のマヨルガは破天荒なボクサーの代表格。どんな体勢からでもお構いなしに力いっぱいパンチを打ち込む型破りなボクサーです。
モズリーとマヨルガが対戦するのは初めてですが、両者ともバーノン・フォレストと2度戦った経験があり、モズリーは2連敗、一方のマヨルガは2連勝。また、両者ともデラホーヤと戦ったこともあり、モズリーは2連勝、一方のマヨルガはKO負けという結果が残っています。破天荒なマヨルガのボクシングが、エリートボクサーのモズリーに通用するのか?試合はお互いの持ち味が発揮される展開となりました。
序盤ペースを握ったのはマヨルガ。いきなりの右ストレートや左フックを強振し、モズリーにプレッシャーをかけます。一方のモズリーもいきなりの左フックを狙い応戦。試合前、「序盤、モズリーは足を使って左ジャブを突きながら様子を見るかな」と思っていただけに、予想外の展開です。モズリーは「スピードを活かして戦えば打ち合っても勝てる」と思ったのでしょうね。
ところが、体格的なアドバンテージを持つマヨルガのパンチ力、スピードがモズリーの予想を上回っていたのか、マヨルガがモズリーを押し込む場面が目立ちます。4ラウンドに入ると、さすが苦しいと感じたのか、モズリーが足を使って距離を取りながら、出入りのスピードで勝負する本来のボクシングスタイルに切り替えます。
すると、モズリーとマヨルガのスピード差が徐々に顕著になり、モズリーのパンチがマヨルガをとらえる場面が増えます。6ラウンド開始直後には、モズリーの飛び込んで顔面へ打ち込む得意の左フックがマヨルガにクリーンヒット。さらに、ラウンド中盤には左右のフック、右アッパー、左右のフックを連打し、マヨルガにダメージを与えます。タフなマヨルガの表情がゆがむほどの破壊力です。リズムが生まれるとモズリーは強いですね。
ただ、7ラウンド、8ラウンドはモズリーもマヨルガも疲れたのか、警戒しているのか、積極的に攻めることはせず、様子を見るラウンドが続きます。9ラウンドもお互いが手を出さない展開が続き、「あれ?」と思っていると、残り40秒でマヨルガが得意の右アッパーをモズリーの顔面に叩き込みます。お互い疲れている中、強引なボクシングで少しずつペースを奪い返すところはさすがマヨルガですね。
11ラウンドに入ると、このままではペースを奪われると感じたのか、モズリーが手を出し始めます。マヨルガも左右のフックを中心に強打で応戦し、一進一退の攻防で迎えた最終ラウンド。残り1分でモズリーの右フックがマヨルガのアゴをとらえます。一瞬腰が落ちたマヨルガに対して、モズリーがラッシュ。左右のフックを連打し、残り17秒でダウンを奪います。
「おおお!ポイントが競ってるからこれは大きいよ」と思っていると、ダウンから立ち上がったマヨルガに対して、レフェリーのファイトがかかった直後、モズリーが飛び込んで得意の左フックを打ち込みます。そのまま後ろへ倒れるマヨルガ。一瞬レフェリーがカウントを数えようとしましたが、すぐに試合をストップし、12ラウンド2分59秒、モズリーが衝撃的な勝利を収めました。
試合後、WOWOW解説者のジョー小泉さんが「モズリー対アントニオ・マルガリート戦が実現するかも」と仰っていました。もし実現すると、世界中のボクシングファンが注目する好カードになりそうですね。後半のスタミナ不足が気になりましたが、モズリーのスピードはまだまだ健在です。
試合結果
試合結果 | シェーン・モズリーが12ラウンドKO勝ちでタイトル獲得。 |