WBA・WBC世界スーパーフライ級王座統一戦
WBA世界スーパー フライ級チャンピオン |
アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ) 戦績:34戦32勝27KO2敗 |
WBC世界スーパー フライ級チャンピオン |
クリスチャン・ミハレス(メキシコ) 戦績:39戦34勝13KO3敗2分 |
試合内容
日本のボクシングファンにも馴染み深い、WBA世界スーパーフライ級チャンピオン、アレクサンデル・ムニョスとWBC世界スーパーフライ級チャンピオン、クリスチャン・ミハレス。ムニョスは強打者のオーソドックススタイル、ミハレスはテクニシャンのサウスポーという対照的なボクシングスタイルを持つチャンピオン同士の王座統一戦です。
チャンピオンになる前から圧倒的な攻撃力で強さを誇示してきたムニョスに対して、チャンピオンになってからパンチ力、テクニックとも進化しているミハレスという両チャンピオンが歩んできた道のりが大きく違う点も興味深いですね。何かと対照的なチャンピオン同士の王座統一戦はお互いの持ち味を活かした試合になりました。
まずペースを握ったのはWBAチャンピオンのムニョス。序盤から持ち前の突進力を活かして、力いっぱい大きなパンチを振り回します。クリーンヒットこそ奪えないものの、WBCチャンピオンのミハレスに「警戒心」を植え付け、試合の主導権を握ります。ムニョスのボクシングは本当にわかりやすく、攻撃が守備をカバーする典型的な攻撃重視スタイルです。攻撃力はもちろん、スタミナがないとできない作戦ですね。
パンチを集めて前に出てくるムニョスに対して、ミハレスはディフェンスを大事に戦う丁寧なボクシングで応戦します。試合前はもっと右ジャブを突いてくるかなと思いましたが、思った以上にムニョスの圧力を感じたのでしょう。距離をしっかりとキープしながら、時々、軽いパンチながらもムニョスの打ち終わりを狙って、的確なカウンターを打ち込みます。ミハレスはムニョスと比べて、パンチ力や派手さはありませんが、高いテクニックを持つ攻防兼備のボクサーですね。
試合が大きく動いたのは、8ラウンド。終了間際に放ったミハレスの左フックがムニョスの顔面をクリーンヒット。ムニョスが大きくふら付きます。この試合一番のパンチをもらってしまいましたね。そして、このパンチで試合の流れはミハレスへ傾きます。
序盤と変わらず、必死に前へ出て攻撃しようとするムニョスに対して、ミハレスは右ジャブから左ストレート、左ストレートから右フックのコンビネーションを的確に集め、序盤で失ったポイントを奪い返します。
ムニョスはピンチの時に、ガードを固めたり、足を使って距離を取ったりして体力回復をはかるボクサーではないので、必死に打ち返して応戦しようとするのですが、疲れとダメージのためか、パンチのキレと手数が足りず、後手後手になってしまいます。
8ラウンド以降はミハレスが主導権を握り、そのまま12ラウンド終了のゴング。両チャンピオンが持ち味を出し切った王座統一戦は、2対1のスプリットデシジョンで、WBCチャンピオンのミハレスがタイトルを統一しました。
終始クレバーな試合運びでムニョスの攻撃力を封じたミハレスはもちろん、敗れはしましたが、終始攻撃的なスタイルを貫き、前へ出続けたムニョスも素晴らしかったです。両チャンピオンから自分のボクシングスタイルを貫く強い信念が見えた、素晴らしい王座統一戦でした。
試合結果
試合結果 | クリスチャン・ミハレスが2-1の判定勝ちで王座統一に成功。管理人の採点は115-112でクリスチャン・ミハレスの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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