WBC・WBO世界ミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | ケリー・パブリック(アメリカ) 戦績:33戦全勝29KO |
挑戦者 | ゲイリー・ロケット(イギリス) 戦績:31戦30勝21KO1敗 |
試合内容
今やアメリカを代表する超人気ボクサーに成長したケリー・パブリック。33戦全勝29KOの驚異的なレコードが証明するように、パブリックの持ち味はやはり攻撃的なボクシングです。あまり器用なボクサーではありませんが、身長189センチ、リーチ190センチという恵まれた体格を活かして、序盤からガンガン攻め込むボクシングは魅力的ですね。
2007年9月、ジャーメイン・テイラーからWBC・WBO世界ミドル級タイトルを奪取し、今回のタイトルマッチが初防衛戦となるパブリックの対戦相手は、イギリス、ウェールズ出身のゲイリー・ロケット。WBOで1位にランキングされているタフで好戦的なボクサーです。初の世界戦ということで、めちゃめちゃ気合いが入っています(顔が怖いです)。体格面で劣るロケットがパブリックの牙城を崩せるのか?注目の米英対決は序盤からパンチが飛び交うスリリングな展開となりました。
試合開始からペースを握ったのはチャンピオンのパブリック。持ち前の体格差を活かして、中間距離から左ジャブ、右ストレートを打ち込み、ロケットを懐へ入れません。ロケットはガードを固めて、体を小刻みに振りながら、距離を縮めようとするのですが、この日のパブリックはコンディション万全で、ロケットにブロックの上からダメージを与えるほど、パンチに力があります。
2ラウンドに入ると、パブリックの勢いがさらに加速。左ジャブ、右ストレートに加えて、左ボディーブローを効果的に使い、ロケットは八方ふさがりの状態です。客観的に考えて、ロケットは決して悪いボクサーではありません。器用ではなさそうですが、ガードは結構ガッチリしていますし、パンチの手数も多く、踏みこんで右のカウンターを打ち込むタイミングと勇気を持っているボクサーです。しかし、パブリックの前では何もさせてもらえません。
ロケットはガードを固めてパブリックのクリーンヒットをもらわないのですが、それでも顔面が腫れあがり、鼻から出血するほどのダメージを受けています。パブリックが強いとしか言いようがありません。結局、試合はパブリックが2ラウンドに2回、3ラウンドに1回ダウンを奪い、3ラウンドTKO勝ち。格の違いをみせつけ、タイトルの初防衛に成功しました。
パブリックは試合を観るたびに着実に強くなっていますね。この試合に限って言うと、一方的すぎて世界タイトルマッチではないような錯覚に陥ってしまうほどの強さです。今後、パブリックの対戦相手はチャンピオンクラスでないと無理でしょう。
管理人はパブリックのほうがWBAチャンピオンのフェリックス・シュトルム、IBFチャンピオンのアルツール・アブラハムよりも強いと思いますよ。今年はまだ勝てないでしょうが、来年なら3団体統一世界スーパーミドル級チャンピオンのジョー・カルザゲにも勝てそうな気がします。「パブリックがアメリカだけでなく、世界のボクシング界を引っ張るようなスーパースターになる日も近いのでは?」と思わせてくれる試合内容でした。
試合結果
試合結果 | ケリー・パブリックが圧倒的な強さをみせつけて、3ラウンドTKO勝ち。 |