WBC世界ライト級暫定王座挑戦者決定戦

試合内容

WBC世界ライト級チャンピオンのマニー・パッキャオが12月7日にオスカー・デラホーヤと戦うことが決まったため、WBC世界ライト級暫定王座が設けられ、ランキング1位のエドウィン・バレロ、2位のホセ・アルマンド・サンタクルス、3位のアントニオ・ピタルアの3人で争われることになりました。

まずはWBC世界ライト級暫定王座挑戦者決定戦として、ランキング2位のサンタクルスとランキング3位のピタルアが戦い、その勝者がWBC暫定世界ライト級タイトルをかけてバレロと戦います。バレロ、サンタクルス、ピタルアの3者によるトーナメント戦ですね。

サンタクルスは2006年にWBC暫定世界ライト級タイトルを獲得したこともある実力者。変則的なボクシングが得意で、2度目の戴冠へ向けて気合十分です。一方のピタルアも初の世界タイトル獲得へ向けて意欲満々。38歳のベテランですが、13連続KO中の勢いそのままにトーナメント戦を勝ち抜きたいところです。

試合は序盤から手数の多いスリリングな展開。変則的なサンタクルスのボクシングに対して、ピタルアのボクシングは正攻法。左ジャブを突きながら前へ出て、距離が詰まると左右のフックを中心に思いっきりパンチを打ち込みます。

序盤こそ、ブロッキングとフットワークでピタルアの強打をかわしてきたサンタクルスですが、4ラウンドに入ると、ピタルアがプレッシャーを強め、ボディーを中心に攻撃を展開。ラウンド中盤には、サンタクルスをロープへ詰め、ボディー攻撃でガードが下がったところに、右アッパーの2連打でダウンを奪います。何とか立ち上がったサンタクルスですが、相当なダメージです。

5ラウンドはサンタクルスが距離を取って戦い、ダメージ回復に努めたのですが、6ラウンドに入ると、ピタルアが再びプレッシャーを強め、残り30秒で放った右の打ち下ろしのストレートがサンタクルスのテンプルを直撃。サンタクルスがよろめいたところへ、右ストレートのボディから右フックを5連打、さらに左フック、右フック、左フックの3連打で、この試合2度目のダウンを奪います。

必死に立ち上がろうとしたサンタクルスですが、足元がおぼつかず、無念の10カウント。38歳のピタルアが元世界チャンピオンのサンタクルスに圧倒的な攻撃力でKO勝ちを収めました。ピタルアは「とにかく強いパンチを打ち込もう」という気迫が全身からみなぎっているボクサーで、駆け引きのない単純なボクシングですが、パンチは相当な威力です。

ピタルアの勝利で、将来、バレロとピタルアがWB暫定世界ライト級タイトルをかけて対戦することが決まりました。バレロは24戦全勝24KOのパーフェクトレコードを誇る強打者ですが、攻撃力だけなら、ピタルアはバレロに引けを取らないと思います。スタミナや打たれ強さなど未知数な部分も多いですが、相当強いですよ。バレロとピタルアのボクシングを考えると、いずれにしてもKO決着が濃厚で、もしかすると相手のパンチにどれだけ耐えられるか（耐久力）が勝負のカギとなるかもしれませんね。

試合結果