WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
チャンピオン | エドウィン・バレロ(ベネズエラ・帝拳ジム) 戦績:23戦23勝23KO |
挑戦者 | 嶋田雄大(日本・ヨネクラボクシングジム) 戦績:26戦22勝14KO3敗1分 |
試合内容
嶋田雄大選手がボクシング人生の集大成として、世界タイトルに初挑戦します。チャンピオンは、全勝全KO勝ちを続けるWBA世界スーパーフェザー級チャンピオン、エドウィン・バレロ。バレロは日本の帝拳ジムに所属するボクサーで、攻撃的なファイトスタイルとは対照的に、紳士的で世界的に人気のあるチャンピオンですね。36歳で世界タイトル初挑戦となる嶋田選手がバレロをどれだけ追い込めるか、悲願達成に向けて、嶋田選手の応援に熱が入ります。
序盤から両者の作戦はとても明解でした。チャンピオンのバレロは左ストレートを中心に真っ向勝負で連続KO勝利の更新を狙います。一方、嶋田選手はバレロの左ストレートに、右ストレートのカウンターを合わせる作戦で、手数では負けるものの、「一発入れば勝てる」というポイントを度外視した作戦です。バレロのように、すべてのパンチが強く、捨てパンチがないボクサーに対して、嶋田選手陣営が選んだ作戦は最善だったと思います。実際、嶋田選手の右ストレートがバレロの顔面をヒットするシーンが何度かあり、日本武道館は大きな歓声に包まれました。
しかし、あと少し、あと半歩踏み込みが足りなかったように観えました。ただ、この半歩はボクサーにしかわからない駆け引きや恐怖があるはずで、この半歩を踏み出す勇気は管理人の想像できないレベルにあると思います。結果、嶋田選手は7ラウンドTKOで敗れてしまい、悲願の世界チャンピオンベルトを腰に巻くことはできませんでしたが、バレロが世界タイトルを獲得した前チャンピオンのビセンテ・モスケラを除いて、最もバレロを苦しめたボクサーは間違いなく嶋田選手です。
試合後、引退を口にした嶋田選手ですが、全勝全KO勝ちを続けるバレロ相手に、世界初挑戦という重圧がかかる中、本当に勇敢なボクシングで、逃げることなく真っ向から勝負する姿は、真のボクサーで本当に感動しました。「5ラウンドくらいからKO勝利できないことを頭に入れて、判定で勝つことも考えた」という試合後のバレロのコメントがすべてを語っていると思います。嶋田選手、素晴らしい試合を本当にありがとうございました。
試合結果
試合結果 | エドウィン・バレロが7ラウンドTKOで4度目の防衛に成功。 |