WBA世界ライト級暫定王座決定戦
ランキング1位 | ウルバノ・アンティロン(メキシコ) 戦績:26戦全勝19KO |
ランキング3位 | ミゲール・アコスタ(ベネズエラ) 戦績:30戦25勝19KO3敗2分 |
試合内容
全戦全勝の快進撃を続けるウルバノ・アンティロンが、強打のカウンターパンチャー、ミゲール・アコスタとWBA暫定世界ライト級タイトルをかけて激突します。ウルバノ・アンティロン、ミゲール・アコスタのどちらが勝っても初の世界タイトル奪取。ファイターのウルバノ・アンティロンとアウトボクサーのミゲール・アコスタという対照的なボクサー同士の暫定王座決定戦です。
試合は序盤からウルバノ・アンティロンがガードを固めながら距離を詰め、ミゲール・アコスタにプレッシャーをかけようとする予想通りの立ち上がり。自分の距離になるまでガードをガッチリと固めて近づくウルバノ・アンティロンに対して、ミゲール・アコスタは一定の距離を保ちながら右ストレート、右アッパーのカウンターで応戦しています。
1ラウンド中盤には、ウルバノ・アンティロンがミゲール・アコスタをコーナーへ詰め、「あ、チャンス」と思ったのですが、ミゲール・アコスタが強烈な右ストレートのカウンターをウルバノ・アンティロンの顔面に叩き込み、ロープから脱出!ミゲール・アコスタはフットワークを使って自分の距離を保ち、的確なカウンターで反撃しています。しかも、パンチが強烈で、タフなウルバノ・アンティロンの動きが一瞬止まるほどの威力です。
強打者ですが、決して器用なボクサーと言えないウルバノ・アンティロンに対して、ミゲール・アコスタはめちゃめちゃ器用なボクサーですね。ウルバノ・アンティロンが入ってきたところへ右アッパーを突き上げ、すかさず右ストレートを叩き込むボクシングはまさに「ファイター殺し」。5ラウンドには、ウルバノ・アンティロンが前へ出て来たところで、ミゲール・アコスタがバックステップして距離を取り、強烈な右ストレートのカウンターを叩き込みます。完全にミゲール・アコスタのペースになってきました。
「アンティロンはもう少し頭を振って距離を詰めたいなあ。このままだとジリ貧になっちゃうよ」と予想外の展開に驚く管理人。ウルバノ・アンティロンは前へ出てはミゲール・アコスタのカウンターをもらう悪循環です。両者のスピード差、ボクシングの幅がモロに出ている展開ですね。
自分のパンチは届かず、相手のパンチだけが届く最悪の展開で迎えた9ラウンド。ウルバノ・アンティロンが最後の力を振り絞り勝負に出ます。しかし、全勝のホープを待っていたのは、プロ初黒星という屈辱でした。9ラウンド中盤、ミゲール・アコスタがウルバノ・アンティロンの左フックに合わせて、強烈な右アッパーを突き上げ、ウルバノ・アンティロンがダウン!
何とか立ち上がったウルバノ・アンティロンですが、深いダメージを抱え、足元がおぼつかず、レフェリーの判断は試合続行不可能。ミゲール・アコスタがウルバノ・アンティロンを9ラウンドTKO勝ちで下し、初の世界タイトルを獲得しました。ミゲール・アコスタの良さばかりが目立った試合で、あれだけ的確で強いカウンターを打ち込めるボクサーを久しぶりに観ました。全勝のホープが「なす術なし」ですからね。恐るべし、ミゲール・アコスタ!
試合結果
試合結果 | ミゲール・アコスタが9ラウンドTKO勝ちで初の世界タイトル奪取に成功。 |