WBO世界スーパーミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | カロリー・バルザイ(ハンガリー) 戦績:20戦全勝14KO |
挑戦者 | マセリノ・マスー(ニュージーランド) 戦績:34戦29勝27KO5敗 |
試合内容
2009年1月、デニス・インキンに判定勝ちを収め、WBO世界スーパーミドル級タイトルを奪取したカロリー・バルザイが、2階級制覇を狙うマセリノ・マスーを迎えて初防衛戦を行います。WBO世界スーパーミドル級タイトルと言えば、全勝のまま引退を発表したジョー・カルザゲが10年以上に渡って保持していたタイトルですね。
チャンピオンのカロリー・バルザイは、シドニー、アテネとオリンピックに2度出場したサウスポーのテクニシャン。一方、挑戦者のマセリノ・マスーは、ソウル、バルセロナ、アトランタとオリンピックに3度出場したベテランファイターです。ともにアマチュア出身ですが、正反対のボクシングスタイルを持つボクサー同士の激突ですね。
試合は序盤からチャンピオン、カロリー・バルザイのペースで進みます。左ジャブを突いて距離を詰めようとする42歳の挑戦者、マセリノ・マスーに対して、チャンピオンのカロリー・バルザイは上半身を小刻みに動かしながら、自分の距離を保って戦っています。1ラウンドを観る限り、パンチ力は互角ですが、スピードと体格はチャンピオンのカロリー・バルザイに分がありそうです。
「試合が進めば進むほど、両者の差が出るかも。マセリノ・マスーはスタミナが残っているうちに勝負出たいなあ」と思っていると、2ラウンド開始直後、偶然のバッティングで、チャンピオンのカロリー・バルザイが眉間をカット。それほど大きなキズではありませんが、出血が多く、目に入ると厄介になりそうですね。
3ラウンドに入ると、チャンピオンのカロリー・バルザイが積極的にプレッシャーをかけて、パンチの数を増やします。バッティングによるストップを頭に入れ、序盤からポイントを取りに行く作戦ですね。一方のマセリノ・マスーのプレッシャーに戸惑っているのか、手数が少なく、後手に回っている印象です。
4ラウンドに入ると、カロリー・バルザイがパンチを上下に散らし、マセリノ・マスーがボディーブローを嫌がる場面が増えます。終了間際には、カロリー・バルザイがマセリノ・マスーをロープへ詰めて、左ストレート、左右のフックを連打!マセリノ・マスーの動きが一瞬止まるほど強烈な攻撃です。
その後も試合は終始、カロリー・バルザイのペースで進み、迎えた11ラウンド。2階級制覇達成に執念を燃やすマセリノ・マスーが逆転KO勝利を狙って勝負をかけます。しかし、チャンピオンのカロリー・バルザイは、開始直後のマセリノ・マスーのラッシュを冷静にかわし、残り10秒、マセリノ・マスーをロープに詰めて、左ストレートからの右フックでダウンを奪います。
なんとか立ち上がったマセリノ・マスーですが、試合を続行することはできず、チャンピオンのカロリー・バルザイが11ラウンドTKO勝ちで初防衛に成功しました。カロリー・バルザイは、派手なボクサーではありませんが、とても技術が高いですね。常に頭の位置を変えながら戦うサウスポーで、しかもパンチを当てるのが上手いので、対戦相手はかなり戦いづらいと思います。勝ち方を知っているチャンピオンですね。
試合結果
試合結果 | カロリー・バルザイが11ラウンドTKO勝ちで初防衛に成功。 |