IBF世界スーパーミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | ルシアン・ビュテ(ルーマニア) 戦績:24戦全勝19KO |
挑戦者 | リブラド・アンドラーデ(メキシコ) 戦績:30戦28勝21KO2敗 |
試合内容
ルーマニア出身の全勝チャンピオン、ルシアン・ビュテが、メキシコ出身のタフなファイター、リブラド・アンドラーデと激突するIBF世界スーパーミドル級タイトルマッチです。2008年10月、ルシアン・ビュテとリブラド・アンドラーデは一度対戦しています。そのときは際どい判定でルシアン・ビュテが勝利を収めていますが、今回はどんな結末を迎えるでしょうか?
試合はチャンピオンのルシアン・ビュテが距離を取り、挑戦者のリブラド・アンドラーデの射程圏外で戦う展開で始まります。前回の対戦では、最終ラウンド終了間際、リブラド・アンドラーデがルシアン・ビュテからノックダウンを奪い、「あわや逆転KO」という場面があっただけに、この試合のルシアン・ビュテは慎重な立ち上がりを選んだようです。
ルシアン・ビュテはサウスポーで、本来、自分の距離を大切に戦うボクサーなので、距離を保ちながら、懐に入ってくるリブラド・アンドラーデからカウンターを狙う作戦がしっくりきますね。リブラド・アンドラーデは決して器用なボクサーではないので、ルシアン・ビュテのスピードを生かした戦い方に戸惑っているようです。
3ラウンド中盤には、ルシアン・ビュテの左ストレートがリブラド・アンドラーデの顔面をとらえ、タフなリブラド・アンドラーデの動きが一瞬止まります。「あ、効いた!」と思わず叫ぶ管理人。ルシアン・ビュテはリブラド・アンドラーデが距離を詰めてくると、右フックで回して体勢を入れ替え、中間距離から左ストレートを打ち込むサウスポーにとって理想的な戦い方をしていますね。
4ラウンドに入ると、リブラド・アンドラーデが強引に打ち合いに持ち込もうと、今まで以上にプレッシャーを強めますが、ルシアン・ビュテはバックステップを使いながら徹底的に距離を保ち、1分30秒すぎ、リブラド・アンドラーデが前へ出てきたところへ、コンパクトなカウンターの左ストレート!
このパンチがリブラド・アンドラーデのアゴを打ち抜き、タフなリブラド・アンドラーデが前のめりにダウンします。何とか立ち上がったリブラド・アンドラーデですが、ダメージがかなり深そうです。チャンピオンのルシアン・ビュテは「ここがチャンス」とばかり、左ストレート、左アッパーを連打し、一気に勝負をかけます。
パンチを出しながら応戦するリブラド・アンドラーデですが、最後はステップバックして距離を取ったルシアン・ビュテがリブラド・アンドラーデを呼び込み、強烈な左ボディーブロー!肝臓を打ち抜かれたリブラド・アンドラーデは苦悶の表情を浮かべながら、その場に崩れ落ちます。タフなリブラド・アンドラーデですが、10カウント以内に立ち上がることはできず、ルシアン・ビュテが4ラウンドKO勝ちで因縁の再戦に勝利しました。
ルシアン・ビュテ、めちゃめちゃ強かったですね。試合前は「もしKOするなら、アンドラーデかな?ビュテは倒されちゃうかも」と思っていただけに、全く予想できない結末でした。ルシアン・ビュテはサウスポーの特性を生かして「打たせずに打つ」ボクシングに徹する強みがあります。完成度が高く、体格に恵まれたボクサーなので、対戦相手にとっては脅威ですね。チャンピオンクラスじゃないと、勝てないかも。
試合結果
試合結果 | ルシアン・ビュテが4ラウンドKO勝ちで再戦に快勝。4度目の防衛に成功。 |