WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | リカルド・コルドバ(パナマ) 戦績:37戦34勝21KO1敗2分 |
挑戦者 | バーナード・ダン(アイルランド) 戦績:28戦27勝14KO1敗 |
試合内容
2008年9月、4度目の世界タイトル挑戦で悲願の世界チャンピオンベルトを獲得したリカルド・コルドバが、アイルランド出身のバーナード・ダンの地元に乗り込んで初防衛戦を行います。技巧派サウスポーのリカルド・コルドバが初防衛を果たすのか?手数の多いバーナード・ダンが初戴冠を果たすのか?試合は両者のプライドがぶつかり合う壮絶な内容となりました。
立ち上がり主導権を握ったのは、チャンピオンのリカルド・コルドバ。回転の速い右ジャブでバーナード・ダンの出足を止め、的確な左ストレートのカウンターを上下に打ち分けます。リカルド・コルドバはパンチの当て勘だけでなく、フットワークもいいですね。一方のバーナード・ダンはガードを高く構えて距離を詰め、左フックを狙う作戦のようです。お互いに手数が多く、スリリングな試合ですね。
試合が動いたのは3ラウンド。ラウンド終了間際、少しずつペースを握り始めたリカルド・コルドバがバーナード・ダンをコーナーへ詰めて右ジャブから左ストレートを狙おうとしたところに、バーナード・ダンが低い姿勢から強烈な左フックのカウンターをリカルド・コルドバのアゴへ打ち込みます。
このパンチをまともに受けたリカルド・コルドバは、「ヨタヨタ」と後ろへ倒れこみ、挑戦者のバーナード・ダンがダウンを奪います。ラウンドが進むにつれて、少しずつチャンピオンのリカルド・コルドバが試合を支配し始めていたので、このダウンはバーナード・ダンにとって大きいですね。地元アイルランドのファンも大喜びです。
ところが、4ラウンドに入ると、チャンピオンのリカルド・コルドバが今まで以上に距離を取り、バーナード・ダンが入ってくると、右ジャブ、左ストレートのカウンターを打ち込みます。上手く距離を取って、体力回復に努めていますね。「ダンは絶好のチャンスなのに、パンチを打つと、カウンターをもらっちゃうなあ。さすがにコルドバは場数をこなしているよ」とチャンピオンの戦術に感心する管理人。
すると、5ラウンド1分、リカルド・コルドバの右フックがバーナード・ダンのテンプルをとらえ、動きが止まったところで、リカルド・コルドバがラッシュ。左右のフックから左ストレートをクリーンヒットさせ、ダウンを奪い返します。さらに、2分すぎには、ショートの右フックをバーナード・ダンのアゴヘ打ち込み、2度目のダウンを奪います。
「一気にコルドバのペースになっちゃった。ダンは苦しいなあ」と一進一退の展開に驚く管理人。ラウンドごとに形勢が逆転する壮絶な試合になってきました。その後も一進一退の攻防が続き、迎えた11ラウンド。敵地防衛に執念をみせるチャンピオンのリカルド・コルドバが勝負に出ます。
地元アイルランドの声援を受けて前へ出てくるバーナード・ダンに対して、右ジャブから左ストレートを連打し、突進を止めます。「苦しい中、コルドバの執念はすさまじいなあ」と感心する管理人。ところが、ラウンド中盤、前へ出て勝負をかけようとするリカルド・コルドバに、バーナード・ダンがカウンターの左フックを強振!起死回生の一撃がリカルド・コルドバのアゴをとらえ、バーナード・ダンがダウンを奪います。
「強烈!これは立てないかも」と思った管理人ですが、チャンピオンのリカルド・コルドバはなんとか立ち上がります。しかし、不屈の闘争心をみせたリカルド・コルドバを待っていたのは、地元アイルランドの大声援に後押しされるバーナード・ダンのラッシュでした。
立ち上がったリカルド・コルドバに対して、バーナード・ダンが左右のフックを連打!再び左フックでダウンを奪うと、さらに畳みかけるバーナード・ダンは2度目のダウンから立ち上がったリカルド・コルドバを左ジャブでロープへ追い込み、右ストレート、左ストレートのコンビネーションを顔面へ連打します。チャンピオンのリカルド・コルドバがその場に崩れ落ちたところで、レフェリーが試合をストップ!バーナード・ダンが死闘を制し、悲願のチャンピオンベルトを奪取しました。
両者合わせて6度のダウン、ラウンドごとに形勢が逆転するものすごい試合でした!勝ったバーナード・ダンも敗れたリカルド・コルドバも、いっぱいいっぱいの戦いだったと思います。試合後は、盛大な拍手と「オーレ」のコールが、激闘を制したアイルランドの英雄にいつまでも降り注いでいました。チャンピオンになったことで、バーナード・ダンの人気はさらに高まりそうですね。
試合結果
試合結果 | バーナード・ダンが11ラウンドTKO勝ちでタイトル奪取。 |