WBA・WBO世界ライト級王座決定戦
元3団体統一 世界ライト級チャンピオン |
ファン・ディアス(アメリカ) 戦績:35戦34勝17KO1敗 |
元2階級制覇 チャンピオン |
ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ) 戦績:54戦49勝36KO4敗1分 |
試合内容
3団体のライト級タイトルを統一した経験を持つファン・ディアスと、フェザー級、スーパーフェザー級の2階級を制覇したファン・マヌエル・マルケスが激突するWBA・WBO世界ライト級王座決定戦です。試合予想をした時は、IBOライト級タイトルマッチだったのですが、主要団体の王座決定戦に変更になりました。この変更で、ファン・ディアスが勝てば王座返り咲き、ファン・マヌエル・マルケスが勝てば3階級制覇達成ですね。
試合はファン・ディアス、ファン・マヌエル・マルケスともに素晴らしい立ち上がり。いつもよりガードを高く構えて前へ出るファン・ディアスに対して、ファン・マヌエル・マルケスは後ろに下がりながら、カウンターを狙う作戦です。試合前は、「ファン・ディアスのプレッシャーがファン・マヌエル・マルケスを後退させる展開になる」と思ったのですが、ファン・マヌエル・マルケスが常にカウンターを狙っているので、思ったよりファン・ディアスが前へ出られないようです。
しかし、2ラウンドに入ると、ファン・ディアスがプレッシャーをさらに強め、ファン・マヌエル・マルケスがロープに押し込まれる場面が増えます。そして、ラウンド中盤、ファン・ディアスの強烈な左フックがファン・マヌエル・マルケスのテンプルにクリーンヒット!「うわ、危ない!」と絶叫するファン・マヌエル・マルケスファンの管理人。ファン・マヌエル・マルケスがぐらつくのを確認すると、ファン・ディアスが飛びん込んで追撃しますが、ファン・マヌエル・マルケスは何とかパンチを出しながら耐え抜きます。
「回転はディアスのほうが速いなあ。このまま下がり続けるとマルケスは苦しいよ」と管理人が心配いし始めた3ラウンド、ファン・マヌエル・マルケスがファン・ディアスのガードの真ん中を狙ったアッパーを打ち始めます。さらに、右ストレートのクロス、左ボディーブローを打ち込み、パンチの豊富さ(種類)でファン・ディアスに対抗。ファン・ディアスは顔面だけでなく、ボディーもディフェンスをしなければならないので、ディフェンスに迷いが出始めたようです。
4ラウンドに入ると、開始直後、ファン・ディアスが飛び込んで強烈な左フック。さらにファン・マヌエル・マルケスをロープに詰めて持ち前の連打でペースを奪い返そうとします。しかし、ファン・マヌエル・マルケスはロープに詰められながらも、パンチを出して反撃。ラウンド終盤には、ファン・ディアスが飛び込んできたところに、カウンターの右ストレートを打ち込みます。お互いが一歩も譲らない、ものすごい試合になってきました。
5ラウンド以降も、プレッシャーをかけて接近戦で勝負したいファン・ディアスを、ファン・マヌエル・マルケスがカウンターで迎え撃つスリリングな展開が続きます。「肉体的なスタミナ、精神的なタフネスが問われる後半勝負になりそうだぞ。最終ラウンドまで試合がもつれるかも」と思い始めた8ラウンド、試合が大きく動き出します。
ラウンド開始から前へ出てくるファン・ディアスに対して、ファン・マヌエル・マルケスがガードの間を狙って強烈な左右のアッパーを顔面に叩き込みます。アッパーパンチは絶大な効果を持つ反面、ガードをガラ空きになる危険なパンチなので、左右のアッパーを顔面へ連続するボクサーはほとんどいません。ファン・マヌエル・マルケスの技術、勇気があればこそ、打てるパンチですね。
ラウンド中盤には、ファン・マヌエル・マルケスがファン・ディアスを懐に呼び込んで、強烈な右アッパー!一瞬、ファン・ディアスの動きが止まり、このパンチ以降、積極的に前へ出ていたファン・ディアスが攻めたくても攻められない状態になります。さらに、ラウンド終盤には、ファン・マヌエル・マルケスの左フックから右アッパー、左アッパー、左フックの4連打でタフなファン・ディアスがぐらつきます。
「ディアスがぐらつく場面は初めてだなあ。すごいよ、マルケス」と興奮冷めやらぬ9ラウンド、試合はクライマックスを迎えます。ラウンド開始から最後の力を振り絞り、必死に前へ出るファン・ディアスに対して、2分過ぎ、ファン・マヌエル・マルケスが狙いすました強烈な右カウンターを顔面へ叩き込みます!
一瞬動きが止まるファン・ディアス。絶好のチャンスを迎えたファン・マヌエル・マルケスは、左ジャブ、右ストレート、左アッパーのコンビネーションブローを叩き込み、ついにダウンを奪います!さらに、何とか立ち上がったファン・ディアスに対して、右アッパー、左アッパーのダブル、左ボディーの見事なコンビネーション!最後は強烈な右アッパーをファン・ディアスの顔面に叩き込み、ファン・ディアスが崩れ落ちたところで、レフェリーが試合をストップ。ファン・マヌエル・マルケスがタフなファイター、ファン・ディアスをKOで破り、3階級制覇に成功しました。
管理人はファン・マヌエル・マルケスの大ファンですが、この結末は予想していませんでした。タフなファン・ディアスを打ち倒すのですから、「素晴らしい」としか言いようがありません。この試合はファン・マヌエル・マルケスが勝ちましたが、ファン・ディアスが勝ってもおかしくない内容(特に試合前半)だったと思います。勝ったファン・マヌエル・マルケス、敗れたファン・ディアスともに大きな拍手を送りたいです。両者の技術、闘志がぶつかり合った素晴らしい試合に今も感動が止まりません!
試合結果
試合結果 | ファン・マヌエル・マルケスが9ラウンドKO勝ちでタイトル奪取。勝ったファン・マヌエル・マルケスは3階級制覇を達成。敗れたファン・ディアスは初のKO負け。 |