ボクシングファン.net > タイトルマッチ観戦レビュー(2009年) > マルコス・マイダナとビクター・オルティスの暫定王座決定戦

マルコス・マイダナとビクター・オルティスの暫定王座決定戦

WBA世界スーパーライト級暫定王座決定戦

ランキング2位 マルコス・マイダナ(アルゼンチン)
戦績:26戦25勝24KO1敗
ランキング3位 ビクター・オルティス(アメリカ)
戦績:26戦24勝19KO1敗1分

試合内容

オスカー・デラホーヤのゴールデンボーイ・プロモーションに所属する期待のホープ、ビクター・オルティスが、脅威のKO率を誇るハードパンチャー、マルコス・マイダナと暫定王座を争い、拳を交えます。ビクター・オルティスは初の世界タイトル挑戦、マルコス・マイダナは僅差の判定負けを喫したアンドレアス・コテルニク戦に次ぐ世界タイトル挑戦です。

試合は序盤から倒し倒されの壮絶な展開!ジワリとすり足で詰め寄り、左右のフックを狙う強打者のマルコス・マイダナに対して、負けん気の強いビクター・オルティスは真っ向から勝負を挑んでいます。1ラウンド中盤には、ビクター・オルティスがカウンターの右フックをマルコス・マイダナのテンプルへ叩き込み、マルコス・マイダナをロープへ詰めて連打!

そして、ガードを固めて耐えるマルコス・マイダナが反撃に出たところで、ビクター・オルティスは再び右フックを叩き込み、マルコス・マイダナが崩れ落ちます!左右のフックを強振するマルコス・マイダナに対して、ビクター・オルティスはインサイドからコンパクトなパンチで応戦し、ダウンを奪いましたね。

「マイダナの距離で勝負するなんて、オルティスは勇気があるなあ。絶妙な右フックだよ」とビクター・オルティスの勇敢な戦い方に脱帽する管理人。一気に勝負を決めたいビクター・オルティスは、マルコス・マイダナがダウンから立ち上がると、ガードを固めながら距離を詰め、再び右フックを狙いに行きます。

ところが、マルコス・マイダナは、右フックを打ち込もうとするビクター・オルティスのガードが下がったところを見逃さず、カウンターの右ストレート!起死回生の強打がビクター・オルティスのアゴを打ち抜き、マルコス・マイダナがダウンを奪い返します。

「どわ!めちゃめちゃ効いてるよ。オルティス、立てるかな?すんごいな、マイダナ」と絶叫する管理人。ビクター・オルティスは何とかダウンから立ち上がりましたが、足元がフラフラです。1ラウンドのダウンは1度ずつですが、ダメージはビクター・オルティスのほうが深そうですね。

2ラウンドに入ると、ビクター・オルティスがダメージの回復を図るため、少し距離を取って戦いますが、試合が進むにつれて、前へ出てくるマルコス・マイダナに巻き込まれたのか?持ち前の負けん気の強さが出たのか?再び足を止めて打ち合い、マルコス・マイダナの強打を封じようとします。

「オルティスはダメージが残っているのに、本当に強気だな」と思っていると、2分すぎに強烈な左ストレートのカウンターをマルコス・マイダナのアゴに打ち込み、マルコス・マイダナがパンチを連打して反撃してきたところへ、右フックのカウンターを合わせてダウンを奪います。さらに、ラウンド終了間際にも再びビクター・オルティスの右フックがマルコス・マイダナをとらえ、このラウンド2度目のダウン!

3ラウンド、4ラウンドは、ビクター・オルティスの右フックを警戒してか?マルコス・マイダナが距離を取って戦い、ダメージの回復に努めます。接近戦でことごとく右フックを合わされているマルコス・マイダナですが、距離を取るとガードや上半身の動きでビクター・オルティスのパンチを結構外しています。

5ラウンドに入ると、ビクター・オルティスがラウンド開始直後から前へ出て勝負を仕掛けます。30秒すぎには、左フックの連打でマルコス・マイダナをロープへ詰めて、強烈な右アッパー!ガードを固めるマルコス・マイダナの真ん中を突き上げる見事なパンチです。

「オルティス、一気に行けるかな?」と思ったのですが、ラウンド中盤、勝負をかけるビクター・オルティスに対して、ロープに押し込まれたマルコス・マイダナが強烈な左フックのカウンター!アゴを打ち抜かれたビクター・オルティスの動きが急激に失速し、ラウンド終盤間際には、マルコス・マイダナが連打でビクター・オルティスをロープへ追い詰めて、ロングの右フックでビクター・オルティスの顔面を跳ね上げます!

「うわ、これは効いた!一瞬意識が飛んでるよ。ロープがなかったら、オルティスは倒れていたかも」と思うほどの凄まじい威力です。しかも、ビクター・オルティスはマルコス・マイダナのラッシュを浴びて右目をカットし、すごい量の血が流れています。ビクター・オルティスにとっては相当苦しい展開ですね。

6ラウンドに入ると、今度はマルコス・マイダナが勝負を仕掛けます。ラウンド開始のゴングが鳴ると、コーナーから飛び出して一気にビクター・オルティスに駆け寄り、左右のフックを連打し、ビクター・オルティスをコーナーに押し込みます。そして、防戦一方のビクター・オルティスに対して、連打を浴びせてダウンを奪います!

ビクター・オルティスはフラフラになりながら立ち上がりますが、レフェリーがビクター・オルティスの右目の傷をドクターに確認し、ドクターの判断は試合続行不可能。アルゼンチンの強打者、マルコス・マイダナが、世界中が注目するホープ、ビクター・オルティスにTKO勝ちを収め、悲願の世界タイトル獲得に成功しました。

倒し倒されの凄まじい試合でした!これまでに観た2009年のタイトルマッチで一番壮絶な試合ではないでしょうか?マルコス・マイダナは「打たせるけど、最後に打ち勝つ」ボクシングで、とても分かりやすい試合をするので、今後ますます人気が出そうですね。敗れはしましたが、ビクター・オルティスも素晴らしいスピードとパンチの当て勘を持っています。まだ22歳と若いので、今後の再起に期待です。ボクシングの醍醐味が詰まった本当に素晴らしい試合でした!

試合結果

試合結果 マルコス・マイダナが6ラウンドTKO勝ちで初の世界タイトルを獲得。
ボクシングファン.net > タイトルマッチ観戦レビュー(2009年) > マルコス・マイダナとビクター・オルティスの暫定王座決定戦
特集!ミゲール・コット対サウル・アルバレス

新旧スター対決!ミゲール・コットの防衛か?サウル・アルバレスの2階級制覇か?

4階級制覇の実績を誇る「プエルトリコの英雄」ミゲール・コットと2階級制覇を目指す「メキシコの至宝」サウル・アルバレスがついに激突。絶大な人気を誇る新旧スーパースター対決です!

WBC世界スーパーフェザー級チャンピオンの三浦隆司選手も同じイベントに登場します。

テレビ放送日時 11月21日(土)HBOでPPVライブ中継(アメリカ)
11月22日(日)WOWOWで11時から生中継(日本)
ニュース 両雄が計量をパス!ミゲール・コット対サウル・アルバレスの直前情報
ニュース 復活のミゲール・コットはサウル・アルバレスからタイトルを守れるか
ニュース 新旧交代なるか?サウル・アルバレスが語るミゲール・コット戦の作戦
ニュース ミゲール・コット対サウル・アルバレスの新旧対決は11月開催に決定
ニュース 大舞台で輝けるか?三浦隆司vsフランシスコ・バルガスの見どころ
注目のボクサー
伝説のチャンピオン
ボクサーの関連ニュース
ボクシングニュース
ボクシング観戦レビュー
歴史に残るボクシング名勝負
ボクシング情報