WBC世界フライ級タイトルマッチ
チャンピオン | 内藤大助(日本・宮田ジム) 戦績:39戦34勝22KO2敗3分 |
挑戦者 | ユウ・チョウチュウ(中国) 戦績:14戦12勝8KO1敗1分 |
試合内容
WBC世界フライ級チャンピオンの内藤大助選手が、中国出身の挑戦者、ユウ・チョウチュウを迎えて5度目の防衛戦に挑みます。この試合は、当初中国の上海で行われるはずでしたが、試合の3日前に上海開催中止が発表され、急遽、開催地が日本に変更されました。中国人として初の世界タイトル奪取を狙うユウ・チョウチュウに対して、内藤大助選手がどんな戦い方をみせてくれるのか?楽しみですね。
試合序盤、ペースを握ったのはチャンピオンの内藤大助選手。鋭い踏み込みから左右のフックを強振する挑戦者のユウ・チョウチュウに対して、左ジャブとフットワークを使って距離を取り、飛び込んできたところに的確なカウンターをヒットさせます。内藤大助選手、小柄なユウ・チョウチュウの突進を上手く止めていますね。
「ユウ・チョウチュウは最初から思いっきり振り回しているなあ。踏み込みが速く、パンチ、スタミナはありそうだぞ。左右のフックは特に要注意。でも、攻撃が単調なので、ジャブとフットワークを使いながら距離をコントロールできれば、内藤選手にとって、それほど怖い相手じゃないかも」というのが試合序盤を観た感想です。
3ラウンド、ユウ・チョウチュウの左フックが内藤大助選手にクリーンヒットし、一瞬ヒヤッとする場面がありましたが、4ラウンドに入ると、左ジャブ、右ストレートを中心に攻撃を組み立て、試合のペースを渡しません。「いいよ、いいよ」と思っていると、2分すぎ、チャンピオンが左のまぶたをカット!
管理人は「うわ、やばい!右フックでカットしちゃった」と思いましたが、偶然のバッティングによるカットのようです。ホッとする管理人。WBCルールでは、偶然のバッティングによるカットの場合、バッティングでカットさせたボクサー(この場合はユウ・チョウチュウ)から1点減点するルールになっています。さらに、5ラウンドにも、バッティングで、内藤大助選手が右まぶたをカット。再びユウ・チョウチュウから1点減点となります。試合が競った場合、2点の減点は大きいですね。
6ラウンドに入ると、内藤大助選手がこれまでのラウンドより深く踏み込んで、力を入れてパンチを打ち始めます。「あれ?どうして勝負を急いでいるんだろう?カットしたキズが気になるのかな?」と思っていると、ユウ・チョウチュウのロングの右フックがチャンピオンのアゴをとらえ、内藤大助選手がまさかのダウン!
「うぎゃー!結構効いてるよ、大丈夫かな?」と心配する管理人ですが、内藤大助選手はフットワークとカウンターを使って、このピンチを冷静に切り抜けます。さすがは数々の修羅場をくぐり抜けている内藤大助選手です。7ラウンドもアウトボクシングをしながら、ダメージ回復をはかり、ラウンド終盤には右フックのカウンターを決めるなど、一気に畳みかけたいユウ・チョウチュウを上手くいなしていますね。
ところが、8ラウンド中盤、再びユウ・チョウチュウの右フックが内藤大助選手をとらえ、チャンピオンが一瞬グロッキーになります。ラスト4ラウンドは一進一退の攻防が続き、どちらが倒れてもおかしくない展開。内藤大助選手もユウ・チョウチュウも苦しい中、力を込めてパンチを打ち込み、「あと少しで倒れそうな状態」ですが、お互いフラフラになりながらも12ラウンドを戦いぬき、勝敗は3人のジャッジに委ねられます。
結果は3-0の判定で、内藤大助選手がユウ・チョウチュウに勝利。ダウンを奪われ、さらに両まぶたをカットする苦しい展開ながらも、内藤大助選手が5度目の防衛に成功しました。11ラウンド終了後、一瞬コーナーを間違えそうになった内藤大助選手の姿が激戦を物語っていると思います。勝った内藤大助選手も立派ですが、敗れたユウ・チョウチュウも思い切りの良い堂々としたボクシングで、「中国にも強いボクサーがいるんだなあ」と教えてくれました。両者に大きな拍手を送りたいです。
試合結果
試合結果 | 内藤大助選手が12ラウンド3-0の判定勝ちで5度目の防衛に成功。管理人の採点は113-111で内藤大助選手の勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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