WBCシルバー・スーパーウェルター級タイトルマッチ
チャンピオン | サウル・アルバレス(メキシコ) 戦績:34戦33勝25KO1分 |
挑戦者 | カルロス・バルトミール(アルゼンチン) 戦績:63戦45勝14KO12敗6分 |
試合内容
メキシコが誇る2大若手スターのひとり、サウル・アルバレスが、タフな元世界チャンピオン、カルロス・バルトミールと激突する新旧対決です(ちなみに、もうひとりのメキシコ若手スターはフリオ・セサール・チャベス・ジュニアです)。好戦的なボクシングで熱狂的なファンを持つサウル・アルバレスは新旧対決を制して、その実力を世界にアピールすることができるでしょうか?
立ち上がりからペースを握ったのはメキシコ期待のホープ、サウル・アルバレス。力強い左フック、右ストレートを武器にベテランのカルロス・バルトミールにプレッシャーをかけます。一方のカルロス・バルトミールはサウル・アルバレスの左ジャブ、左フックに合わせて右ストレートのカウンターを狙っているようです。
「スピード、手数、パンチ力ともにアルバレスが上回っているかな。でも、相打ち覚悟で攻撃に出てくるバルトミールのボクシングは不気味だよ」というのが第1ラウンドを観た率直な感想です。3ラウンドに入ると、39歳のカルロス・バルトミールがプレッシャーをかけ、20歳のサウル・アルバレスを揺さぶりにかかります。
しかし、サウル・アルバレスも真っ向から打ち合い、ベテランのカルロス・バルトミールに主導権を渡しません。カルロス・バルトミールとしては「力が残っている序盤にできるだけ勝負をかけよう」という作戦だと思うのですが、サウル・アルバレスも勝負どころと感じているのか、手数を増やし、力を込めてパンチを打っていますね。
一進一退の打撃戦で迎えた6ラウンド残り30秒、試合が大きく動きます。サウル・アルバレスが左ジャブを使って、カルロス・バルトミールをコーナーへ追い込むと、強烈なワンツーをアゴへ叩き込み、カルロス・バルトミールの動きが一瞬止まります。
一気に勝負に出るサウル・アルバレスは得意の右ストレート、左フックを連打し、カルロス・バルトミールを下がらせると、最後は強烈な左フックをカルロス・バルトミールのアゴに打ち込み、カルロス・バルトミールが前のめりに崩れ落ちます。
カルロス・バルトミールは意識もうろうとする中、必死に立ち上がろうとしますが、レフェリーが試合をストップ!サウル・アルバレスがカルロス・バルトミールに6ラウンド衝撃のKO勝ちを収め、新旧対決に勝利。世界中のボクシングファンに「サウル・アルバレス強し」をアピールしました。
サウル・アルバレスの強打がカルロス・バルトミールのタフネスぶりを上回った試合でしたね。特に5ラウンドから左ジャブを使い始めたことで、右ストレートが生きるようになり、そのおかげで左フックも決まり始め、カルロス・バルトミールに的を絞らせないボクシングができるようになったと思います。
サウル・アルバレスのボクシングは良くも悪くも正直なので、セルヒオ・マルチネスのようなスピードとテクニックを兼ね備えたボクサーと戦った場合は、空回る可能性がありますが、好戦的なボクシングは魅力ですね。勝てば勝つほど人気が出るタイプだと思います。末恐ろしい20歳のホープです。
試合結果
試合結果 | サウル・アルバレスが6ラウンドKO勝ちで新旧対決に勝利。 |