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ティモシー・ブラッドリーとレイモント・ピーターソンの王座統一戦

WBO世界スーパーライト級王座統一戦

チャンピオン ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)
戦績:25戦24勝11KO1無効試合
暫定チャンピオン レイモント・ピーターソン(アメリカ)
戦績:27戦全勝13KO

ティモシー・ブラッドリー対レイモント・ピーターソンの試合内容

WBO世界スーパーライト級チャンピオンのティモシー・ブラッドリーと、WBO暫定世界スーパーライト級チャンピオンのレイモント・ピーターソンがタイトル統一をかけて激突します。ティモシー・ブラッドリー、レイモント・ピーターソンのどちらも無敗で、手数が多いボクサーです。プライベートでも親交の深いティモシー・ブラッドリーとレイモント・ピーターソンの王座統一戦は序盤から激しい打ち合いとなりました。

1ラウンド、まず仕掛けたのは暫定チャンピオンのレイモント・ピーターソン。身長、リーチで上回るレイモント・ピーターソンは、中間距離から左ジャブを突きながら、右ストレート、左右のフックをコンパクトに打ち込み、ティモシー・ブラッドリーを後退させます。一方、正チャンピオンのティモシー・ブラッドリーも負けていません。右ストレートのカウンターと回転の速いフックで応戦。体格的なアドバンテージはレイモント・ピーターソンですが、スピードはティモシー・ブラッドリーに分がありそうです。

2ラウンドに入ると、正チャンピオンのティモシー・ブラッドリーがプレッシャーを強め、左ジャブから右ストレートのワンツーを打ち込み、レイモント・ピーターソンを後退させる場面が増えます。スーパーライト級のボクサーとしては、決して大きくないティモシー・ブラッドリーですが、出入りの速いボクシングで的を絞らせず、連打で攻撃するボクシングスタイルを確立していますね。特に、ショートパンチにキレは抜群です。

3ラウンドもお互いが力強いパンチを打ち込み、激しい主導権争いが続きます。「こう着状態が続くかな?」と思い始めた1分すぎ、ティモシー・ブラッドリーのオーバーハンドライトが、レイモント・ピーターソンのテンプルをとらえダウン!その場にヒザから崩れ落ちたレイモント・ピーターソンですが、ダウンから立ち上がると、攻撃に出てくるティモシー・ブラッドリーに対して、打ち合って追撃を阻止。2分すぎには、強烈な左フックのカウンターをアゴに打ち込むなど、どちらもすさまじい気迫です。

「すごい打ち合いになってきたなあ。手数、押し合いを含めたスタミナ勝負になりそうだぞ」と素晴らしい展開に興奮気味の管理人。4ラウンドに入ると、ダウンを奪われたレイモント・ピーターソンが距離を詰めて上下にパンチを散らしながら反撃開始。ティモシー・ブラッドリーも足を止めて左右のフック、右アッパーを中心に、レイモント・ピーターソンの出足を止めようとします。

5ラウンド、体格で上回るレイモント・ピーターソンがティモシー・ブラッドリーに体重を預けながら接近戦で勝負しようとします。ラウンド中盤には、レイモント・ピーターソンの右ストレートがティモシー・ブラッドリーのテンプルをとらえ、一瞬ティモシー・ブラッドリーの動きが止まりますが、すぐにティモシー・ブラッドリーも左右のフックで反撃!「パンチの数が減ったボクサーが劣勢になる」典型的な消耗戦になってきました。

6ラウンドに入ると、正チャンピオンのティモシー・ブラッドリーが持ち味のスピードを生かしたアウトボクシングに切り替えます。ガードを高く構えて前進するレイモント・ピーターソンに対して、左ジャブを突いて距離を測り、飛び込んできたところへ左右のフックを顔面、ボディーへ打ち分ける頭脳的なボクシング。レイモント・ピーターソンは足だけ前へ出て、パンチが出ない悪循環に陥っているようです。安定感のあるレイモント・ピーターソンがこれだけ混乱するのですから、ティモシー・ブラッドリーのスピードが相当速いんでしょうね。

中盤以降は、ティモシー・ブラッドリーが打っては離れるヒット・アンド・アウェイを徹底し、レイモント・ピーターソンの突進をかわしながら、ポイントを奪う展開が続きます。体格で上回るレイモント・ピーターソンですが、ティモシー・ブラッドリーのスピードについて行けません。ときどき単発のパンチを打ち込みますが、ティモシー・ブラッドリーからダウンを奪うことはできず12ラウンド終了。ティモシー・ブラッドリーがレイモント・ピーターソンを3-0の判定で下し、タイトル統一に成功しました。

ティモシー・ブラッドリーのスピードがレイモント・ピーターソンの手数と気迫を封じた試合でしたね。5ラウンドまでの内容を観ると、「こりゃ、どっちが倒れてもおかしくないよ」と思ったのですが、7ラウンドからティモシー・ブラッドリーがアウトボクシングに切り替え、完全に主導権を握りました。アウトボクシングに切り替えた作戦が見事には的中しましたね。ティモシー・ブラッドリーがボクシングの幅の広さをみせつけた試合でした。

ティモシー・ブラッドリー対レイモント・ピーターソンの試合結果

試合結果 ティモシー・ブラッドリーが12ラウンド判定勝ちでタイトル統一に成功。管理人の採点は118-109でティモシー・ブラッドリーの勝ちでした。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 120-107
  • 119-108
  • 118-110
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