WBA・IBF世界フェザー級王座統一戦
WBAチャンピオン | ユリオルキス・ガンボア(キューバ) 戦績:18戦全勝15KO |
IBFチャンピオン | オルランド・サリド(メキシコ) 戦績:47戦34勝22KO10敗2分1無判定 |
試合内容
WBAチャンピオンのユリオルキス・ガンボアと、IBFチャンピオンのオルランド・サリドが王座統一戦で拳を交えます。アマチュアでオリンピックの金メダルを獲得、プロ転向後も全勝で世界タイトルを獲得した「エリート」のユリオルキス・ガンボアと、プロ転向から14年目で悲願の世界タイトルを獲得した「雑草」のオルランド・サリドという対照的な道を歩んできたボクサーの対決ですね。
「興味深い王座統一戦だぞ」と思っていると、IBFチャンピオンのオルランド・サリドが前日軽量から当日軽量までの間に10ポンド以上増量したため、戦う前に王座をはく奪されるトラブル発生(IBFは当日にも軽量を行い、前日軽量から10ポンド以上増量してはいけないルールになっています)。ユリオルキス・ガンボアが勝った場合のみ、王座統一となる変則のタイトルマッチとなりました。
そんなこんなで試合前にトラブルがあったのですが、オルランド・サリドとしては全勝チャンピオンのユリオルキス・ガンボアを倒せば、強烈に存在感をアピールできるので、モチベーションは高いはずです。王座統一戦を制して、さらなるビッグマッチに進むボクサーはユリオルキス・ガンボアでしょうか?それともオルランド・サリドでしょうか?
試合はユリオルキス・ガンボアが持ち前のスピードと連打でオルランド・サリドをかく乱する展開で始まります。ガードを固めて左ジャブ、左右のフックを打ちながら真正面から距離を詰めようとするオルランド・サリドに対して、ユリオルキス・ガンボアは自分の距離を保ちながら、一気に踏み込んでパンチを集めて攻撃しています。
「サリドはガンボア相手に勇敢に戦っているんだけど、ガンボアがスピードで完全に上回っているな。サリドがボディーブローを打ってガンボアの動きを鈍らせることができればおもしろいんだけど…」というのが序盤を観た率直な感想です。
試合中盤に入ると、オルランド・サリドがユリオルキス・ガンボアとの距離の差を埋めようと必死に前進を続けてボディーブローを中心にパンチを集めようとします。しかし、ユリオルキス・ガンボアが持ち前のフットワークとボディーワークでオルランド・サリドの連打を許さず、ジワジワと主導権を握ります。
8ラウンド序盤、オルランド・サリドがユリオルキス・ガンボアからスリップ気味のダウンを奪いましたが、試合が進むにつれて、ユリオルキス・ガンボアが試合を支配。12ラウンドにはユリオルキス・ガンボアが左フックのカウンターでダウンを奪うなど、ユリオルキス・ガンボアが主導権を握ったまま試合終了のゴングが鳴り響きます。
結果は3人のジャッジすべてがユリオルキス・ガンボアを支持。ユリオルキス・ガンボアが3-0の判定でオルランド・サリドに圧勝し、王座統一に成功しました。ユリオルキス・ガンボアはスリップ気味のダウンを取られたり、12ラウンドには反則打で2ポイント減点されたり、ストレスを抱えながらの試合でしたが、全勝のまま王座統一を成し遂げるところはさすがですね。
全体的に、ユリオルキス・ガンボアの身体能力がオルランド・サリドの経験を上回った内容でした。試合終盤はユリオルキス・ガンボアがオルランド・サリドをKOできそうなほどダメージを与えていました。やはりユリオルキス・ガンボアのスピードと連打は脅威ですね。
ただ、さらに高みを目指し、ビッグマッチを熱望するなら、あそこでKOを狙ってアピールしたかったところです。相手がタフなオルランド・サリドなので、しょうがないと言えばしょうがない気もしますが、ビッグマッチでどれだけ衝撃的な勝ちを印象付けられるかは大切なので、今後は単に勝つだけでなく、試合内容にもこだわってほしいですね。
試合結果
試合結果 | ユリオルキス・ガンボアが12ラウンド3-0の判定勝ちでタイトル統一に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
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