WBA世界スーパーライト級タイトルマッチ
チャンピオン | アミール・カーン(イギリス) 戦績:23戦22勝16KO1敗 |
挑戦者 | ポール・マリナッジ(アメリカ) 戦績:30戦27勝5KO3敗 |
試合内容
イギリスが誇る若きスーパースター候補、アミール・カーンが、アメリカが誇るテクニシャン、ポール・マリナッジを迎えて2度目の防衛戦を行います。この試合はポール・マリナッジの地元アメリカ(ボクシングの殿堂、マジソン・スクエア・ガーデン)で行われます。初めてアメリカへ進出するアミール・カーンにとっては完全にアウェイの試合ですね。
アミール・カーンもポール・マリナッジも速射砲のような左ジャブを突きながら試合を組み立てるボクサーです。戦績を見るとわかるように、パンチ力はアミール・カーンのほうが一枚上手ですが、経験はポール・マリナッジのほうが一枚上手。パンチのスピード、フットワークのスピードが勝敗を左右する展開になりそうです。
立ち上がりは、アミール・カーンもポール・マリナッジも左ジャブを突きながら相手の様子をうかがう予想通りの展開。左ジャブを突きながら前へ出てくるアミール・カーンに対して、ポール・マリナッジは距離を保ちながら左ジャブを突き、カウンターを狙う作戦のようです。アミール・カーンは左ジャブから右ストレートのワンツー、ポール・マリナッジは左フックがヒットしています。
4ラウンドに入ると、アミール・カーンがギアを一段上げ、攻撃の姿勢を強めます。ポール・マリナッジも持ち前のスピードとフットワークで対抗しますが、ステップインの速さ、パンチの速さはアミール・カーンのほうが一枚上手のようです。ポール・マリナッジは、左ジャブの次に間髪入れずに飛んでくるアミール・カーンの右ストレートに手を焼いているようです。
中盤以降になると、アミール・カーンとポール・マリナッジのスタミナ、フィジカルの差が徐々に出始め、アミール・カーンが主導権を握ります。これまで変幻自在の動きで対戦相手を幻惑してきたポール・マリナッジに対して、アミール・カーンは休む暇を与えないほどパンチを出し続け、ポール・マリナッジに反撃するチャンスを与えません。
8ラウンドには、アミール・カーンが左ジャブで「マジックマン」のニックネームを持つポール・マリナッジを完全にコントロール。相手のパンチをかわす上手さを持つポール・マリナッジがアミール・カーンの左ジャブをもらいまくっています。しかも、アミール・カーンの左ジャブは速いだけでなく、強さもあるので、ポール・マリナッジの顔面が腫れ始めました。完全にアミール・カーンのペースになってきましたね。
「マリナッジはめちゃめちゃ苦しくなってきたよ。アミール・カーンの左ジャブがマリナッジの良さを完全に消しちゃったなあ」と思っていると、10ラウンド終了後、ポール・マリナッジのコーナーにドクターとインスペクターが集まり、ポール・マリナッジが試合を続けられる状態かどうかを確認。
「カーンの一方的なペースなんで、マリナッジは守勢に回るとストップされちゃうかも」と11ラウンド開始のゴングを待つ管理人。11ラウンドが始まると、アミール・カーンが一気に攻勢をかけ、ポール・マリナッジをロープへ詰めます。そして、パンチを連打したところでレフェリーが試合をストップ!アミール・カーンがポール・マリナッジに圧勝し、2度目の防衛に成功しました。
アミール・カーン、めちゃめちゃ強かったですね。相手の良さを消すボクシングを得意とするポール・マリナッジが、全く自分の良さを発揮できないまま、中盤以降は一方的にペースを奪われ、完敗しました。「23歳の若きチャンピオン、カーンが群雄割拠のスーパーライト級を制圧するかも」と期待してしまうほどの素晴らしい試合でした。アミール・カーン、スーパースターへの階段を確実に駆け上がっています!
試合結果
試合結果 | アミール・カーンが11ラウンドTKO勝ちで2度目の防衛に成功。 |