ボクシングファン.net > タイトルマッチ観戦レビュー(2010年) > ホルヘ・リナレス対リカルド・フアレスの実力者対決

ホルヘ・リナレス対リカルド・フアレスの実力者対決

WBA中南米ライト級王座決定戦

元2階級制覇
チャンピオン
ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)
戦績:29戦28勝18KO1敗
元WBO中南米スーパー
フェザー級チャンピオン
リカルド・フアレス(メキシコ)
戦績:35戦28勝20KO6敗1分

試合内容

2階級制覇を成し遂げた「ベネズエラのゴールデンボーイ」ホルヘ・リナレスと、6度の世界タイトル挑戦の経験を持つ「無冠の帝王」リカルド・フアレスがラスベガスで拳を交えます。ホルヘ・リナレスもリカルド・フアレスも抜群の人気と知名度を誇る人気ボクサー。世界タイトルマッチでもおかしくない、ボクシングファン注目の好カードですね。

試合はお互いが鋭い左ジャブを突く展開で始まります。リカルド・フアレスは左ジャブを突きながら接近し、左右のフックを狙っているようです。一方のホルヘ・リナレスは左ジャブとフットワークを使って距離を保ち、中間距離での戦いを選択。どちらの距離で試合が進むかで大きく流れが変わりそうです。

2ラウンドに入ると、リカルド・フアレスがさらにプレッシャーを強め、接近戦に持ち込んで主導権を握ろうとします。しかし、ラウンド中盤、リカルド・フアレスの左ジャブの戻り際を狙って、ホルヘ・リナレスが強烈な左アッパーを突き上げます。さらに、ホルヘ・リナレスは左ボディーブローをリカルド・フアレスに叩き込み、上下のコンビネーションでリカルド・フアレスを揺さぶります。

この試合のホルヘ・リナレスは左ジャブが素晴らしいですね。これまで観たホルヘ・リナレスの試合でベストかもしれません。6度の世界タイトル挑戦を誇る実力者のリカルド・フアレスが全く距離を詰めることができません。リカルド・フアレスは、ホルヘ・リナレスの左ジャブに本当に手を焼いています。

ホルヘ・リナレスのペースで迎えた5ラウンド。ホルヘ・リナレスが左ジャブとフットワークで、前へ出てくるリカルド・フアレスの突進を上手くいなす展開が続き、残り5秒、ホルヘ・リナレスの左アッパーがリカルド・フアレスのアゴをとらえます。リカルド・フアレスはヨタヨタと後退し、そのまま尻もちをついてダウン!

「よし!タフなフアレスからダウンを奪った。ホルヘ、チャンスだよ!」と興奮気味の管理人。6ラウンドに入ると、この試合初めてラウンド開始直後からホルヘ・リナレスがプレッシャーをかけて左ジャブ、左フック、左アッパーを連打。ダウンの影響で動きが鈍ったリカルド・フアレスに対して、一気に攻勢をかけます。

7ラウンド中盤には、この試合初めてホルヘ・リナレスが強烈な右ストレートのカウンターをリカルド・フアレスのテンプルへ叩き込み、リカルド・フアレスの体が大きく流れます。リカルド・フアレスが得意とする左フックを警戒し、ガードに使っていた右をついに攻撃に使いましたね。ホルヘ・リナレスはリカルド・フアレスのパンチ、動きを読んできたようです。

その後は、最後の力を振り絞って反撃に出るリカルド・フアレスの前に、ホルヘ・リナレスが押し込まれる場面が目立ち、9ラウンドには、リカルド・フアレスの右ストレートをまともにもらってしまったホルヘ・リナレスですが、最後まで左ジャブとフットワークを使って距離を保つボクシングを貫き、10ラウンド終了(この試合は10回戦のタイトルマッチです)。判定の結果、ホルヘ・リナレスがリカルド・フアレスに勝利し、復帰第2戦も白星で飾りました。

体格で上回るホルヘ・リナレスが強敵のリカルド・フアレスを封じ込めた試合でしたね。最後はスタミナが切れてしまったホルヘ・リナレスですが、7ラウンドまでのボクシングは管理人が観たホルヘ・リナレスの試合で一番良かったと思います。リカルド・フアレス相手にダウンを奪い、大差の判定で勝つのですから、さすが「ベネズエラのゴールデン・ボーイ」です。

管理人は「ホルヘはこのままライト級で戦えるんじゃないかな?体格的なハンデもないし、減量も楽になるよね」と思ったのですが、試合後、ホルヘ・リナレスはかつて自身が持っていたWBA世界スーパーフェザー級タイトル挑戦の意向を表明しました。WBA世界スーパーフェザー級チャンピオンと言えば、日本のKOアーティスト、内山高志選手です。実現すれば壮絶な試合になりそうですが、2人とも応援しているので、2人が潰し合うところは正直見たくないんですよ。ただ、「宿命」から逃げられないのがボクシングなんですよね。うーん、複雑な心境です。

試合結果

試合結果 ホルヘ・リナレスが10ラウンド3-0の判定勝ちでタイトルの獲得に成功。再起第2戦で強豪のリカルド・フアレスに勝利しました。管理人の採点は99-90でホルヘ・リナレスの勝ちでした。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 99-90
  • 99-90
  • 97-92
ボクシングファン.net > タイトルマッチ観戦レビュー(2010年) > ホルヘ・リナレス対リカルド・フアレスの実力者対決
特集!ミゲール・コット対サウル・アルバレス

新旧スター対決!ミゲール・コットの防衛か?サウル・アルバレスの2階級制覇か?

4階級制覇の実績を誇る「プエルトリコの英雄」ミゲール・コットと2階級制覇を目指す「メキシコの至宝」サウル・アルバレスがついに激突。絶大な人気を誇る新旧スーパースター対決です!

WBC世界スーパーフェザー級チャンピオンの三浦隆司選手も同じイベントに登場します。

テレビ放送日時 11月21日(土)HBOでPPVライブ中継(アメリカ)
11月22日(日)WOWOWで11時から生中継(日本)
ニュース 両雄が計量をパス!ミゲール・コット対サウル・アルバレスの直前情報
ニュース 復活のミゲール・コットはサウル・アルバレスからタイトルを守れるか
ニュース 新旧交代なるか?サウル・アルバレスが語るミゲール・コット戦の作戦
ニュース ミゲール・コット対サウル・アルバレスの新旧対決は11月開催に決定
ニュース 大舞台で輝けるか?三浦隆司vsフランシスコ・バルガスの見どころ
注目のボクサー
伝説のチャンピオン
ボクサーの関連ニュース
ボクシングニュース
ボクシング観戦レビュー
歴史に残るボクシング名勝負
ボクシング情報