WBA世界バンタム級王座統一戦
チャンピオン | アンセルモ・モレノ(パナマ) 戦績:30戦28勝10KO1敗1分 |
暫定チャンピオン | ネオマール・セルメニョ(ベネズエラ) 戦績:19戦全勝11KO |
試合内容
パナマ出身の技巧派サウスポー、アンセルモ・モレノと、ベネズエラ出身の全勝ボクサー、ネオマール・セルメニョが激突する王座統一戦です。アンセルモ・モレノもネオマール・セルメニョもパンチを当てる上手さと抜群の距離感を持つテクニシャン。チャンピオンのアンセルモ・モレノはサウスポーで、暫定チャンピオンのネオマール・セルメニョはオーソドックス(右構え)です。
試合は序盤から激しい主導権争いが展開され、一進一退の攻防が続きます。ジワリジワリと距離を詰めながら、右ジャブ、左ストレートを打ち込むチャンピオンのアンセルモ・モレノに対して、暫定チャンピオンのネオマール・セルメニョはステップバックで距離を保ちながら、アンセルモ・モレノの打ち終わりを狙って、鋭いステップインから右ストレートを顔面、ボディーへ打ち分けて応戦します。
「いやー、モレノもセルメニョもめちゃめちゃ技術が高いよ。どちらも相手の技術を消し去る上手さがあるんで、消耗戦になりそうな感じだぞ」と改めてアンセルモ・モレノとネオマール・セルメニョのボクシング技術に舌を巻く管理人。一瞬たりとも気が抜けない状態で、主導権の奪い合いを展開していますね。
アンセルモ・モレノもネオマール・セルメニョもパンチを当てるのがめちゃめちゃ上手いボクサーなのですが、それ以上に2人のディフェンス技術が卓越しているので、クリーンヒットがほとんどありません。アンセルモ・モレノとネオマール・セルメニョのディフェンスの上手さが目を引きますね。
特にサウスポーのアンセルモ・モレノは半身で構えるため、対峙するネオマール・セルメニョからすると、ほとんど打つ場所がないように感じるのではないでしょうか?しかもアンセルモ・モレノは体が柔らかいので、クネクネとネオマール・セルメニョのパンチをよけて攻撃を空振りさせ、スタミナを奪っていく上手さがあります。まさに「ゴースト」のニックネームにふさわしいボクシングですね。
お互い決定打を打ち込めないまま迎えた8ラウンド中盤、ネオマール・セルメニョがショートの右ストレートをアンセルモ・モレノのアゴに打ち込み、一瞬、アンセルモ・モレノの動きが止まります。「あ、セルメニョ、チャンス」と思ったのですが、前へ出てくるネオマール・セルメニョに対して、アンセルモ・モレノも右フックのカウンターを合わせて反撃!ものすごいテクニック合戦です。
9ラウンドに入ると、チャンピオンのアンセルモ・モレノがラウンド開始からプレッシャーをかけながら、手数を増やし、8ラウンドに奪われたポイントを取り返します。アンセルモ・モレノはまだ24歳と若いボクサーですが、ベテランのような試合運びとテクニックで、全勝のネオマール・セルメニョを相手にしても簡単に主導権を渡しませんね。
その後も一進一退の攻防が続き、両者が決定打を打ち込めないまま迎えた11ラウンド。ネオマール・セルメニョがローブローを放ち、1ポイント減点されてしまいます。「うわ、この減点は痛いよ!判定になったら、試合の行方を左右するかも…」と思っていると、減点を取られたネオマール・セルメニョが減点を取り戻そうと攻撃にシフトし、パンチを集めます。
しかし、お互い決定打を打ち込めないまま、12ラウンド終了のゴングが鳴り響き、勝敗の行方は3人のジャッジに委ねられます。結果は2人がアンセルモ・モレノ、1人がネオマール・セルメニョを支持し、アンセルモ・モレノが王座を統一しました。11ラウンドの減点がなければ、(114-113が114-114になっていたので)引き分けでしたね。
お互いのテクニックがお互いの良さを消し去った、本当に際どい試合でしたね。派手さの少ない、ものすごく玄人好みの試合でしたが、アンセルモ・モレノとネオマール・セルメニョのテクニックが堪能できた素晴らしい技術戦でした。2-1のスプリット・デシジョンだったので、再戦があるかもしれません。個人的には、もう一度テクニック合戦を観たいですね。
試合結果
試合結果 | アンセルモ・モレノが2-1の僅差の判定勝ちで王座統一。6度目の防衛に成功しました。 【公式ジャッジの採点結果】
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