WBC世界スーパーウェルター級王座決定戦
5階級制覇 チャンピオン |
マニー・パッキャオ(フィリピン) 戦績:56戦51勝38KO3敗2分 |
元WBA世界 ウェルター級チャンピオン |
アントニオ・マルガリート(メキシコ) 戦績:45戦38勝27KO6敗1無効試合 |
試合内容
「アジアの英雄」マニー・パッキャオがオスカー・デラホーヤに次ぐボクシング史上2人目の6階級制覇をかけて「ティファナの竜巻」アントニオ・マルガリートと激突します。マニー・パッキャオがアジア人ボクサーとして初の6階級制覇を達成するのか?それとも、アントニオ・マルガリートがマニー・パッキャオの夢を打ち破り、2階級制覇を達成するのでしょうか?
世界中のボクシングファンが注目する大一番は、管理人の予想より静かな立ち上がりで始まります。ガードをガッチリと固めて被弾を防ぎながらジワジワと距離を詰めようとするアントニオ・マルガリートに対して、マニー・パッキャオはアントニオ・マルガリートのパンチの打ち終わりを狙ってコンパクトなパンチを打ち込みます。
「パンチ、動きのスピードはパッキャオが圧倒しているよ。マルガリートはパンチをもらってダメージが蓄積する前に、距離を詰めてパッキャオのボディーを連打することができるかな?できればマルガリートにもビッグチャンスがあるよ」というのが1ラウンドを観た感想です。
しかし、序盤はアントニオ・マルガリートがマニー・パッキャオのパンチを警戒し、自分のパンチをほとんど打てない展開が続きます。マニー・パッキャオに完敗を喫したボクサーは「マニー・パッキャオのパンチを警戒しすぎて自分のパンチが出ず、逆にガードの隙間をマニー・パッキャオに打たれてしまう展開」が多かったのですが、アントニオ・マルガリートも悪循環に陥りつつあるようです。
4ラウンドには、マニー・パッキャオがボディーブローを多用し、タフなアントニオ・マルガリートの動きが止まります。管理人はボディーを嫌がるアントニオ・マルガリートを初めて観ました。マニー・パッキャオは持ち味のステップインのスピードを生かしてアントニオ・マルガリートからクリーンヒットを奪っていますね。
6ラウンド、アントニオ・マルガリート得意のボディーブローがマニー・パッキャオの肝臓を直撃し、マニー・パッキャオの動きが一瞬止まる場面がありましたが、マニー・パッキャオはすぐに打ち合ってアントニオ・マルガリートの追撃を防ぎ、試合の主導権を渡しません。
8ラウンドは壮絶な打ち合いが続き、マニー・パッキャオが左ストレートで、アントニオ・マルガリートは左アッパーをそれぞれクリーンヒットを奪います。マニー・パッキャオもアントニオ・マルガリートもギリギリの我慢比べをしていますが、アントニオ・マルガリートのほうがダメージが深く、パンチ、体にキレがなくなってきました。
10ラウンド終盤には、逆転KOを狙って前へ出るアントニオ・マルガリートに対して、マニー・パッキャオが狙いすました右フックをアントニオ・マルガリートのテンプルに叩き込み、アントニオ・マルガリートの動きが一瞬止まります。ラスト2ラウンドは、マニー・パッキャオがスピードでアントニオ・マルガリートを圧倒し、このまま試合終了のゴングが鳴り響きます。
結果は3人のジャッジすべてが大差でマニー・パッキャオを支持。マニー・パッキャオがアントニオ・マルガリートに12ラウンド判定勝ちを収め、ボクシング史上2人目となる6階級制覇を達成しました。6階級制覇はアジア出身のボクサーとして初の快挙です。
マニー・パッキャオのスピードがアントニオ・マルガリートのタフネスを圧倒した試合でした。どんな形容詞を使って、マニー・パッキャオを賞賛すればよいのでしょうか?「パックマン」マニー・パッキャオはフライ級から始まり、いくつかの階級を飛び越えて次々と世界の強豪を飲み込みながら6階級制覇を達成したのです。
ボクシングに関わらずスポーツ界に革命が起きるとき、そこには世界中のファンを魅了するスーパースターが出現します。マニー・パッキャオが戴冠したフライ級からスーパーウェルター級までの差は階級にして10階級、体重にして約19キロ。この前人未到の記録こそ、「アジアの英雄」を飛び越えて「ボクシング界の英雄」となったマニー・パッキャオの偉大な功績、そして彼が愛される理由なのです。
試合結果
試合結果 | マニー・パッキャオが12ラウンド大差の判定勝ちでタイトル獲得。ボクシング史上2人目の6階級制覇を達成しました。管理人の採点は120-108でマニー・パッキャオの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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