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激戦必至!ジャン・パスカルとチャド・ドーソンの王座統一戦

WBC世界ライトヘビー級王座統一戦

チャンピオン ジャン・パスカル(ハイチ出身・カナダ)
戦績:26戦25勝16KO1敗
暫定チャンピオン チャド・ドーソン(アメリカ)
戦績:30戦29勝17KO1無効試合

試合内容

WBC世界ライトヘビー級チャンピオンのジャン・パスカルと、WBC暫定世界ライトヘビー級チャンピオンのチャド・ドーソンが雌雄を決する王座統一戦です。ボクシングファンにとってはたまらない好カードですね。

ジャン・パスカルもチャド・ドーソンもスピードを武器に連打で勝負するボクサーです。王座を統一するボクサーは、地元カナダの大声援を受けるジャン・パスカルでしょうか?それとも、無敗のサウスポー、チャド・ドーソンでしょうか?

1ラウンドは地元カナダの大声援を受けるジャン・パスカルが左ジャブ、右ストレートを上下に散らして無敗のチャド・ドーソンに的を絞らせないボクシングを展開。リーチが長く、スピードがあり、しかもサウスポーのチャド・ドーソンを攻略するため、ジャン・パスカルは打っては離れるボクシングを徹底しています。

「パスカルは考えてきたね。ドーソンがやりにくいように、やりにくいように戦ってるよ。このボクシングなら距離の違いを克服できるかも」とジャン・パスカルのボクシングに感心する管理人。ジャン・パスカルはスピードを生かした思い切りのいい踏み込みでチャド・ドーソンとの距離を一気に縮めてパンチを当てることに成功しています。

試合前は「チャド・ドーソンがスピード、パワー、スタミナ、タフネスのすべてでジャン・パスカルを上回っている」と分析していた管理人ですが、試合序盤はジャン・パスカルがスピードと手数でチャド・ドーソンのボクシング(リズム)を乱して、主導権を握っています。スピードはジャン・パスカルのほうがチャド・ドーソンより速いですね。

試合が進むにつれて、チャド・ドーソンがジャン・パスカルのスピードに少しずつ対応し始めますが、7ラウンドには、ジャン・パスカルがチャド・ドーソンの右フックに合わせて右ストレートのカウンターを打ち込み、チャド・ドーソンをリズムに乗せません。

8ラウンド中盤には、チャド・ドーソンが左ストレートをボディーへ叩き込みますが、ジャン・パスカルが打ち終わりを狙って強烈な右ストレートのカウンターをチャド・ドーソンの顔面へ叩き込みます。ジャン・パスカルのスピードが、パワーでねじ伏せようとするチャド・ドーソンのボクシングを封じ込めていますね。

9ラウンド開始のゴングが鳴ると、ジャン・パスカルがコーナーから飛び出してチャド・ドーソンをロープへ詰めてパンチを連打!「一気に試合を決めてしまおう」という作戦です。しかし、チャド・ドーソンも左ストレートから左右のフックをボディーへ連打して応戦。一進一退の攻防になってきました。

10ラウンドに入ると、前半のハイペースの影響か、ジャン・パスカルの動きが鈍くなります。チャド・ドーソンもダメージ、疲れの影響で動きが鈍っていますが、ラウンド終了間際に左ストレートのカウンターを打ち込むなど、前半で失ったポイントを取り返そうと必死に攻撃します。

11ラウンドが始まると、チャド・ドーソンがジャン・パスカルにプレッシャーをかけ、右ジャブ、左ストレートを連打してジャン・パスカルをコーナーへ追い詰めます。そして、強烈な左右のフックを連打!ジャン・パスカルはガードを固めて耐えていますが、ガードの上からでもダメージを与えることができるほどの威力です。

「パスカルが一気に失速しちゃった。これはドーソン、チャンスだよ」と試合を静観する管理人。すると、ラウンド中盤、チャド・ドーソンの左アッパーがジャン・パスカルのアゴにクリーンヒットし、ジャン・パスカルの動きが止まります。

「めちゃめちゃ効いた!」と思わず絶叫する管理人。チャド・ドーソンは一気に勝負をかけようとしますが、ジャン・パスカルが必死にクリンチしてピンチを逃れます。チャド・ドーソンはクリンチのブレイク後、すぐに攻撃しようと飛びかかります。しかし、ジャン・パスカルの頭が右目の上に当たり、大きくカット!ものすごい出血です。

次の瞬間、レフェリーがドクターを呼び、傷口をチェック。ドクターは「試合続行不可能」と判断し、勝敗の行方は3人のジャッジに委ねられます。結果は3人のジャッジすべてがジャン・パスカルを支持。ジャン・パスカルが11ラウンド負傷判定の末、チャド・ドーソンに勝利し、王座統一に成功しました。チャド・ドーソンはプロ初黒星です。

ジャン・パスカルが「スピードがあれば体格差、リーチ差を克服できる」ということを改めて証明した試合でしたね。チャド・ドーソンは実力を発揮できないまま、負傷判定でプロ初黒星を喫するという悔しい結果に終わりました。11ラウンドに、ものすごいパンチでジャン・パスカルに大きなダメージを与え、逆転のチャンスがあっただけに無念だと思います。

ジャン・パスカルの出来がすばらしく、プロ初黒星を喫したチャド・ドーソンですが、「手の打ちようがない」という内容ではなかったので、作戦次第では逆の結果もあり得たと思います。ジャン・パスカル、チャド・ドーソンという人気ボクサー同士の戦いなので、個人的には再戦で完全決着をつけてほしいですね。

試合結果

試合結果 ジャン・パスカルが11ラウンド3-0の負傷判定勝ちでタイトル統一に成功。管理人の採点は106-103でジャン・パスカルの勝ちでした。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 108-101
  • 106-103
  • 106-103
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