IBF世界スーパーミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | ルシアン・ビュテ(ルーマニア) 戦績:27戦全勝22KO |
挑戦者 | ブライアン・マギー(イギリス) 戦績:38戦34勝24KO3敗1分 |
ルシアン・ビュテ対ブライアン・マギーの試合内容
サウスポーの特徴を生かしたスタイリッシュなボクシングで全勝を続ける世界チャンピオンのルシアン・ビュテが、35歳で初の世界タイトル挑戦の機会を手にしたブライアン・マギーと激突する7度目の防衛戦です。
カナダを主戦場に絶大な人気を誇るルシアン・ビュテが全勝をキープして世界タイトルを守るのか?それとも、イギリスの刺客、ブライアン・マギーが悲願の世界タイトル奪取に成功するのか?スーパーミドル級戦線の今後を左右するサウスポー対決です。
試合はガードを高く構えて右ジャブを突きながら様子をうかがう挑戦者のブライアン・マギーに対して、チャンピオンのルシアン・ビュテは右手を下げた、いつもの構えから鋭いフリッカージャブを連打してブライアン・マギーに得意の左アッパーを打ち込むタイミングを狙います。1ラウンドはどちらも相手の出方をチェックしていますね。
「ビュテのスピードがマギーを完全に上回っているよ。マギーはスタミナに余裕がある序盤に勝負をかけて接近戦に巻き込みたいね」と試合の行方を見守る管理人。すると、3ラウンド中盤、ルシアン・ビュテがブライアン・マギーに左ストレートを打ち込んだ瞬間、ブライアン・マギーが強烈なワンツーで反撃し、ルシアン・ビュテのアゴに左ストレートを叩き込みます。
「あ、効いた!」と思わず叫ぶ管理人。ルシアン・ビュテがすぐに体勢を立て直し、ブライアン・マギーに「追撃に来たら、カウンターを打ち込むよ」と目でフェイントをかけたので、ブライアン・マギーは追撃に行きませんでしたが、ブライアン・マギーにとって絶好のチャンスでしたね。
「ビュテの上手さにマギーはだまされちゃったよ。完全に効いていたんだけど」とルシアン・ビュテの高等テクニックに脱帽する管理人。数々の強豪をカウンターでリングに沈めてきたルシアン・ビュテだからこそできるフェイントで、ピンチを脱出しましたね。
中盤以降はルシアン・ビュテが距離を取り、ブライアン・マギーのパンチが届かない場所で右ジャブを連打してダメージを回復しながらポイントを奪取します。ブライアン・マギーはルシアン・ビュテのカウンターを警戒して、なかなか接近戦に持ち込めませんね。
6ラウンドに入ると、ルシアン・ビュテが再び自分からプレッシャーをかけ始めます。そしてラウンド中盤、得意の左アッパーのボディーブローをブライアン・マギーの肝臓に叩き込み、ブライアン・マギーがダウン!すぐに立ち上がったブライアン・マギーですが、明らかにボディーが効いていますね。
7ラウンドは初の世界タイトル奪取に執念を燃やすブライアン・マギーが最後の力を振り絞ってルシアン・ビュテに反撃を試みます。しかし、終了間際、再びルシアン・ビュテのボディーブローがブライアン・マギーにクリーンヒットし、2度目のダウン。ブライアン・マギーはいよいよ苦しくなってきました。
その後はダメージを抱えたブライアン・マギーの状態を確認したルシアン・ビュテがKOを狙う展開が続き、迎えた10ラウンド。これまでボディーにアッパーを集めていたルシアン・ビュテが最後はブライアン・マギーのアゴへアッパーを叩き込み、ブライアン・マギーから3度目のダウンを奪います。
ブライアン・マギーが前のめりに崩れ落ち、ヒザをついた瞬間、レフェリーが試合をストップし、勝負あり。全勝チャンピオンのルシアン・ビュテが10ラウンドTKO勝ちでブライアン・マギーを退け、7度目のタイトル防衛に成功しました。
ルシアン・ビュテが得意の左アッパーを駆使してブライアン・マギーを沈めた試合でしたね。ルシアン・ビュテは簡単にパンチをもらってしまう悪い癖があるのですが、上下に散らす左アッパーは本当に鮮やかで、抜群のタイミングを持っています。
世界チャンピオンクラスじゃないと、勝負にならないので、今年は統一戦やスーパー・シックス出場者との対戦を期待したいですね。サウスポーの利点を生かして、ルシアン・ビュテがどれだけ連勝を続けることができるのか、今後も注目です。
ルシアン・ビュテ対ブライアン・マギーの試合結果
試合結果 | ルシアン・ビュテが10ラウンドTKO勝ちで7度目のタイトル防衛に成功。 |