WBA世界フェザー級タイトルマッチ
チャンピオン | セレスティーノ・カバジェロ(パナマ) 戦績:39戦35勝23KO4敗 |
挑戦者 | 細野悟(日本) 戦績:22戦21勝15KO1敗 |
セレスティーノ・カバジェロと細野悟選手の試合内容
2度目の世界戦で悲願のタイトル奪取を目指す細野悟選手が長身で懐の深い2階級制覇チャンピオンのセレスティーノ・カバジェロに挑む2011年の大晦日決戦です。細野悟選手は、「最も戦いにくい世界チャンピオン」の一人に挙げられるセレスティーノ・カバジェロに自慢の強打を叩き込むことができるでしょうか?
試合はお互いが序盤から前に出てパンチを交換する激しい打撃戦になります。長身でリーチが長く懐の深いセレスティーノ・カバジェロですが、負けん気が強く打ち合いが好むボクサー。距離に関係なく、ポンポンとパンチを出していますね。
一方の細野悟選手はガードを固めてセレスティーノ・カバジェロの懐へ飛び込み、上下にパンチを打ち分けます。リズムに乗ると手が付けられないセレスティーノ・カバジェロのフットワークを封じて、後半勝負の土台作りを実行している印象です。
「細野選手、めっちゃ勇敢なボクシングだよ。休む時間を与えないよう、くっついて勝負したいな」と応援に力が入る管理人。自分のペースでボクシングをすると、とんでもない力を発揮するセレスティーノ・カバジェロですが、相手のペースに巻き込まれて打ち合ったり、前半でスタミナを消耗したりする癖もあるので、細野悟選手はとにかく懐で勝負して休む時間を与えないように戦いたいですね。
2ラウンド以降は、セレスティーノ・カバジェロが長いリーチを生かして細野悟選手の出鼻をくじくボクシングを展開します。一方、細野悟選手も強烈なボディーブローを打ち込んで反撃。「休んだボクサーが一気にペースを奪われる」激しい消耗戦になってきました。
序盤こそ、接近戦の打ち合いに付き合っていたセレスティーノ・カバジェロですが、4ラウンドに細野悟選手の強烈なパンチをもらうと、スイッチを繰り返しながら距離を保ち、左右のジャブを連打して細野悟選手に先手先手でパンチを打ち込むアウトボクシングに作戦変更。
「手数だと、カバジェロが一枚上手だな。カバジェロ陣営は細野選手の特徴を上手くとらえて戦っているよ」と2階級制覇チャンピオンのボクシングに注目する管理人。細野悟選手はセレスティーノ・カバジェロがパンチを打ってくると、ガードを固めてディフェンスに専念する攻防分離型なので、セレスティーノ・カバジェロはパンチを出すことで、上手く細野悟選手の攻撃を封じ込めていますね。
終盤は、セレスティーノ・カバジェロが距離を取ってアウトボクシングに徹し、細野悟選手と打ち合うことを避ける作戦を徹底。ポイントをリードされている細野悟選手は被弾覚悟で必死に前進してパンチを打ち込もうとしますが、セレスティーノ・カバジェロは細野悟選手が懐へ飛び込んでくると、クリンチを使って巧みに攻撃を回避します。
「カバジェロが逃げ切り体勢に入っちゃったか。こうなると、細野選手は厳しいな。なんとか一発当てて、フットワークを止めることができるといいんだけど」と細野悟選手の奮起に期待する管理人。細野悟選手はプレッシャーをかけ続けて、逆転KOを狙いに行っていますが、セレスティーノ・カバジェロのディフェンス技術の前にクリーンヒットを奪うことができません。
試合はこのまま12ラウンド終了のゴングを迎え、勝敗は3人のジャッジに委ねられます。結果は、3人のジャッジすべてがセレスティーノ・カバジェロを支持。セレスティーノ・カバジェロが細野悟選手に12ラウンド判定勝ちを飾り、敵地で2度目の防衛に成功しました。
セレスティーノ・カバジェロのテクニック、戦術、経験が細野悟選手の強打を封じ込めた試合でしたね。特にクリンチが厄介でした。大きなボクサーに上から体重をかけられ、クリンチされるだけで、細野悟選手は相当スタミナを消耗したと思います。
そんな苦しい状態の中、最後まで逆転KOを狙って前へ出続けた細野悟選手の姿勢は素晴らしかったと思います。世界の有力ボクサーが対戦を避けることで知られているセレスティーノ・カバジェロを相手に、真っ向勝負を挑み、12ラウンド打ち合い続けた経験は大きな財産になるはずです。
個人的に、細野悟選手の実力を考えると、世界チャンピオンになってもおかしくない実力だと思います。今回は一番難しいチャンピオンに敗れる結果になってしまいましたが、3度目の挑戦が実現すれば、世界タイトルを奪取できる可能性は十分あると思います。
敗れはしましたが、「強いチャンピオンを打ち破って世界タイトルを奪取する」「強い挑戦者を撃破してチャンピオンとしての評価を高める」という最近の日本ボクシング界の良い流れを組んだ世界戦として、評価するボクシングファンがたくさんいるのではないでしょうか?
管理人はボクシングの実力と戦績は比例しないと思っています。いつも勝てる相手と戦えば、勝利数とKO数は確実に増えるからです。大切なことは「誰と戦い、どんな試合内容だったのか」ではないでしょうか?それこそが、世界中のボクシングファンがプロフェッショナルなボクサーに求める大切な要素で、いつの時代も世界中のボクシングファンを熱狂させる真実だと思います。
世界的な知名度を誇るボクサーから対戦を避けられるセレスティーノ・カバジェロに、果敢に挑む細野悟選手の姿を観戦して「テクニックも大切だけど、ハートも絶対に大事だよ。情熱がないと、響かないもんな」と改めて思った管理人。勝敗に関係なく、細野悟選手の勇敢な姿はボクシングファンのハートに響いているはずです。ぜひ3度目の世界タイトル挑戦で王座獲得を!次戦も絶対に応援します!
セレスティーノ・カバジェロと細野悟選手の試合結果
試合結果 | セレスティーノ・カバジェロが3-0の判定勝ちで2度目のタイトル防衛に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
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