WBA・IBF世界スーパーライト級王座統一戦
WBAチャンピオン | アミール・カーン(イギリス) 戦績:26戦25勝17KO1敗 |
IBFチャンピオン | ザブ・ジュダー(アメリカ) 戦績:49戦41勝28KO6敗2無効試合 |
アミール・カーン対ザブ・ジュダーの試合内容
WBA世界スーパーライト級チャンピオンのアミール・カーンとIBF世界スーパーライト級チャンピオンのザブ・ジュダーが2本のベルトをかけて拳を交えます。スピードと強打を兼ね備えた新旧チャンピオンの楽しみな王座統一戦ですね。
試合は、左ジャブを突きながら上下に右ストレートを打ち分けるアミール・カーンに対して、サウスポーのザブ・ジュダーは右ジャブを突きながら右回りを続け、得意の左アッパーを打ち込むタイミングを狙うスリリングな展開で始まります。アミール・カーンもザブ・ジュダーもめちゃめちゃ速いですね。
「2人ともすんごいスピードだよ。動きもパンチもめっちゃ速い!カーンが先手先手で攻めてるけど、ジュダーのカウンターも当たりそうだよ。一撃で終わっちゃうかもしれないな」と試合の行方を見守る管理人。アミール・カーンが得意とする右ストレートも、ザブ・ジュダーが得意とする左アッパーも当たりそうな距離とポジションで戦っていますね。
3ラウンドに入ると、アミール・カーンがリードパンチに左ジャブだけでなく、左フックを使い始め、ザブ・ジュダーを後退させる場面が増えてきます。しかも、アミール・カーンは強烈な左のボディーブローを打ち始め、ザブ・ジュダーにプレッシャーをかけ始めます。
アミール・カーンが回転の速い連打を上下に打ち分け始めたことで、ザブ・ジュダーのディフェンスが間に合わなくなってきましたね。アミール・カーンの連打は回転が上がり始めると、止まらなくなるので、ザブ・ジュダーとしては右ジャブだけでなく、左の強いパンチでカーンの前進を止めたいところです。
アミール・カーンが少しずつペースを握り始めた5ラウンド。「キング」が思わぬ形で2本のベルトを手にします。5ラウンドが始まると、アミール・カーンが強烈な左ジャブを突きながら前進を続け、ザブ・ジュダーにプレッシャーをかけ続けます。
ザブ・ジュダーも自慢のスピードと巧みなボディーワークを駆使して何とかアミール・カーンのパンチをよけようとしますが、アミール・カーンの左ジャブ、右ストレートがザブ・ジュダーの顔面をとらえる場面が増えてきました。
5ラウンド2分すぎ、ザブ・ジュダーがカウンターの左アッパーをアミール・カーンのボディーに叩き込み、アミール・カーンの動きが一瞬止まります。しかし、その直後、クリンチ際に、アミール・カーンが右アッパーをザブ・ジュダーのボディーに叩き込み、ザブ・ジュダーがダウン!
「ありゃ?ジュダーがダウンしちゃったよ。そんなに強烈なパンチじゃないんだけどな」とザブ・ジュダーのダメージを確認する管理人。「演技派」のザブ・ジュダーだけに、最初は「わざと痛がって8カウントまで休んでいるのかな?」と思ったのですが、どうやらローブローをアピールする狙いがあるようです。
しかし、レフェリーのビック・ドラキュリッチはそのままカウントを続行し、ザブ・ジュダーが立ち上がれないまま10カウント。アミール・カーンがザブ・ジュダーに5ラウンドKO勝ちを収め、WBAとIBFの2本のベルトの統一に成功しました。
最後はあっけない幕切れでしたが、力強さが加わったアミール・カーンの速射砲のような連打がザブ・ジュダーのスピードを圧倒した試合でしたね。管理人が観たアミール・カーンの試合で最も素晴らしいファイトのひとつだと思います。
アミール・カーンは、天性のスピードに加えて、パンチの破壊力が急激にアップしたことで、相手に反撃するチャンスを与えないくらい徹底的に攻め込む理想的なボクシングを手に入れましたね。この試合を観て初めて「パッキャオの後継者はカーンで決まりかな?」と思ってしまいました。
ボクシングの17階級で最激戦区と言われるスーパーライト級のタイトル統一に向けて侵攻を始めた「英国のキング」。名伯楽のフレディ・ローチと共に、次世代を担うスーパースターの旗頭として、ボクシング界の頂点へたどり着くことができるでしょうか?この調子だと、「英国のキング」から「世界のキング」と呼ばれる日も、そう遠くないかもしれませんね。
アミール・カーン対ザブ・ジュダーの試合結果
試合結果 | アミール・カーンが5ラウンドKO勝ちで王座統一に成功。 |