WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
チャンピオン | ビタリ・クリチコ(ウクライナ) 戦績:44戦42勝39KO2敗 |
挑戦者 | トマス・アダメク(ポーランド) 戦績:45戦44勝28KO1敗 |
ビタリ・クリチコ対トマス・アダメクの試合内容
「ヘビー級のボス」として王座に君臨するビタリ・クリチコが3階級制覇を目指すトマス・アダメクの地元ポーランドに乗り込んで7度目の防衛戦を行います。ヘビー級のタイトルマッチがポーランドで行われるのはボクシング史上初めて。ボクシングの歴史に残る記念すべきタイトルマッチですね。
40歳を迎え、いまだ衰えを知らない「鉄の拳」を持つビタリ・クリチコが自慢の強打でポーランドの観客を黙らせるのか?それとも、悲願のヘビー級タイトル獲得まであと一歩に迫ったトマス・アダメクが3階級制覇を達成するのでしょうか?運命のゴングが鳴り響きます。
試合は、ガードを固めて距離を詰めたい挑戦者のトマス・アダメクに対して、チャンピオンのビタリ・クリチコが力強い左ジャブを突きながら右ストレートを打ち込み、積極的にプレッシャーをかける展開で始まります。
「体格差、身長差、リーチ差がめちゃめちゃあるな。アダメクは勝負するためにも懐へ飛び込みたいんだけど、近くて遠い距離だよ」と小柄なトマス・アダメクのボクシングに注目する管理人。地元ポーランドの大声援を受けるトマス・アダメクは小刻みに頭を振りながら懐へ飛び込むタイミングを探っていますね。
しかし、1ラウンド残り50秒、ビタリ・クリチコの右ストレートがトマス・アダメクのテンプルをかすり、トマス・アダメクの体が一瞬沈みます。「うぎゃ、かすっただけで、このダメージ?」と改めてビタリ・クリチコの破壊力に驚く管理人。ビタリ・クリチコが少しずつトマス・アダメクを飲みこもうとしていますね。
2ラウンドもビタリ・クリチコが積極的にプレッシャーをかける展開が続き、迎えた残り50秒。ビタリ・クリチコが得意とする打ち下ろしの右ストレートがトマス・アダメクの顔面をとらえ、トマス・アダメクがロープまで吹っ飛びます。
「アダメクはまともにパンチをもらってるよ。これは苦しいな」と思い始めた2ラウンド終了間際、再びビタリ・クリチコの右ストレートがトマス・アダメクの顔面をとらえ、トマス・アダメクがロープまで吹っ飛びます。
「これは効いた!ロープがなかったらダウンしてるダメージだよ。ビタリは射程距離を完全につかんだみたいだね」とビタリ・クリチコの強打に唖然とする管理人。地元ポーランドの大声援を受けて戦うトマス・アダメクだからこそ耐えていますが、試合が終わってもおかしくないパンチが序盤から決まりまくっていますね。
3ラウンド以降もビタリ・クリチコが左ジャブでトマス・アダメクを突き離し、右ストレートを叩き込む展開が続きます。トマス・アダメクもガードを固めて体を振りながらビタリ・クリチコの懐へ飛び込んで右ストレートを狙いますが、決定的な一撃を打ち込むことはできません。
「アダメクはビタリにプレッシャーをかけられながらも、真正面から勇敢に戦っているんだけどな。このままだとジリ貧になるんで、深いダメージを負う前に玉砕覚悟で勝負に出たいよ」とトマス・アダメクの反撃に期待する管理人。
しかし、6ラウンド1分、ビタリ・クリチコの右ストレートがトマス・アダメクのアゴを打ち抜き、トマス・アダメクがコーナーまで吹っ飛ばされると、レフェリーがダウンを宣言。実際に倒れてはいませんが、コーナーポストとロープがなければ完全にダウンしていたパンチだったので、レフェリーはダウンと判断したようです。
「アダメクのダメージはめちゃめちゃ深いよ。いよいよ苦しくなってきたな」と試合の行方を見守る管理人。ダウン後は、ビタリ・クリチコが勝負を仕掛け、一気に勝負を決めようとしますが、トマス・アダメクが必死に耐え抜き、試合は後半戦へ突入します。
8ラウンド終了間際、攻め疲れの見え始めたビタリ・クリチコが足の踏ん張りを失い、自分から転んでしまう場面がありましたが、試合は終始、ビタリ・クリチコのペースで進み、迎えた10ラウンド。ついに「ヘビー級のボス」が3階級制覇を狙う地元ポーランドの英雄を仕留めます。
ビタリ・クリチコが10ラウンド開始から積極的に左ジャブを連打し、トマス・アダメクをロープへ追い詰めると、強烈な右ストレートを叩き込み、トマス・アダメクを圧倒します。トマス・アダメクは「絶対に倒されないぞ」と断固たる決意でダウンを拒否していますが、フィジカル的にもメンタル的にも限界ですね。
最後はフラフラ状態のトマス・アダメクに対して、ビタリ・クリチコがワンツーを叩き込んだところで、レフェリーが試合をストップ。「鉄の拳」を持つビタリ・クリチコが3階級制覇を目指すトマス・アダメクを圧倒し、7度目の防衛に成功しました。
ビタリ・クリチコの強打がトマス・アダメクの夢を打ち砕いた試合でしたね。ポーランドのファンの期待を背負ってリングへ上がったトマス・アダメクも信じられないくらい耐え抜いたのですが、最後は反撃する力が残っていない状態で防戦一方でした。
スタミナが切れてヒヤッとする場面もあったビタリ・クリチコですが、「ヘビー級のボス」を存分にアピールした試合だったと思います。ヘビー級主要4団体の世界チャンピオンベルトは依然としてクリチコ兄弟が保持しています。「クリチコ時代」に風穴を開けるボクサーが登場するのはいつになるでしょうか?クリチコ兄弟、強すぎる!
ビタリ・クリチコ対トマス・アダメクの試合結果
試合結果 | ビタリ・クリチコが10ラウンドTKO勝ちで7度目の世界タイトル防衛に成功。 |