WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | 李冽理(日本・横浜光ジム) 戦績:19戦17勝8KO1敗1分 |
挑戦者 | 下田昭文(日本・帝拳ジム) 戦績:25戦22勝10KO2敗1分 |
試合内容
2010年10月、プーンサワット・クラティンデーンジムに判定勝ちを収め、世界チャンピオンベルトを手にした李冽理(リ・レツリ)選手が、ボクシングファンから世界タイトル奪取を期待されるホープ、下田昭文(しもだ・あきふみ)選手を迎えて初めての防衛戦を行います。
試合は初の世界タイトルマッチでタイトル奪取を狙う下田昭文選手が1ラウンドから積極的に攻撃を仕掛けます。サウスポーの下田昭文選手は軽快なステップで体を振りながら、得意の左ストレートを上下に打ち分け、チャンピオンの李冽理選手に揺さぶりをかけます。
一方、チャンピオンの李冽理選手は、後ろに下がりながら左フックを狙っています。李冽理選手は、下田昭文選手の積極的な攻撃、特に最短距離を走る左ストレートに少し戸惑っているようです。下田昭文選手は長期戦も考えて効果的にボディーブローを使っていますね。
試合が動いたのは3ラウンド。開始50秒、下田昭文選手が李冽理選手の右フックに合わせて強烈な左ストレートをアゴに叩き込み、ダウンを奪います。尻もちをついて倒れた李冽理選手は何とか立ち上がりましたが、ダメージはかなり深そうですね。
「下田選手、チャンスだよ。李選手はよく立ち上がったけど、耐え切れるかな?」と試合の行方を見守る管理人。すると、ラウンド終了間際、管理人の目の前に衝撃の光景が広がります。一気に勝負を決めようと前へ出る下田昭文選手に対して、李冽理選手が一瞬のスキを突いて右ストレートを下田昭文選手の顔面に叩き込みます。
李冽理選手のコンパクトな右ストレートをまともにもらった下田昭文選手は尻もちをついてダウン。3ラウンドはチャンピオンの李冽理選手、挑戦者の下田昭文選手が一度ずつダウンを奪う展開で、会場は一気にヒートアップします。
4ラウンドに入ると、挑戦者の下田昭文選手が積極的にパンチを出して試合の主導権を握ろうとします。チャンピオンの李冽理選手も下がりながらカウンターを狙って応戦していますが、李冽理選手のほうがダウンのダメージが深いのか、少し足に力が戻っていない印象です。
5ラウンドも下田昭文選手が積極的にパンチを出す展開が続き、残り30秒、李冽理選手が飛び込んで左フックを打ち込もうとしたところへ、下田昭文選手が狙いすました強烈な左ストレートのカウンターを李冽理選手の顔面に叩き込み、李冽理選手から2度目のダウンを奪います。
「さすがに今回のダウンは立てないかな?」と思ったのですが、李冽理選手は驚異的なタフネスを発揮し、2度目のダウンから立ち上がります。初防衛に執念を燃やす李冽理選手はダメージを抱えながらも、7ラウンド残り45秒には、下田昭文選手の顔面に左フックを打ち込むなど懸命にポイントを挽回しようと反撃します。
しかし、8ラウンド中盤、下田昭文選手が李冽理選手をコーナーへ追い詰め、右フックで3度目のダウンを奪います。試合終盤は3度のダウンを奪った下田昭文選手が李冽理選手の猛攻に耐えて主導権を握る展開が続き、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。
結果は3人のジャッジすべてが下田昭文選手を支持。世界初挑戦の下田昭文選手が見事なカウンターを武器に李冽理選手を12ラウンド判定で下し、悲願の世界タイトル奪取に成功しました。初防衛に失敗した李冽理選手は王座陥落です。
最初から最後まで、お互いの気迫がぶつかりあった素晴らしい試合でしたね。下田昭文選手のスピードが李冽理選手のテクニックを上回った内容だったと思います。勝った下田昭文選手だけでなく、敗れた李冽理選手にも大きな拍手を送りたいです!下田昭文選手も李冽理選手も本当に勇敢なボクシングで感動しました。
李冽理(リ・レツリ)と下田昭文の試合結果
試合結果 | 下田昭文選手が3度のダウンを奪い、判定勝ちで初の世界タイトル奪取に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
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