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激闘の行方は?ホルヘ・リナレス対アントニオ・デマルコの王座決定戦

WBC世界ライト級王座決定戦

ランキング1位 アントニオ・デマルコ(メキシコ)
戦績:28戦25勝18KO2敗1分
ランキング2位 ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)
戦績:32戦31勝20KO1敗

ホルヘ・リナレス対アントニオ・デマルコの試合内容

3階級制覇を目指す「ベネズエラのゴールデンボーイ」ホルヘ・リナレスが長身サウスポーのアントニオ・デマルコと空位のWBC世界ライト級タイトルをかけて激突します。ランキング1位のアントニオ・デマルコとランキング2位のホルヘ・リナレスが拳を交える楽しみな王座決定戦ですね。

2年ぶりの世界戦登場となるホルヘ・リナレスが自慢のスピードと連打を生かして3階級制覇を達成するのか?それとも、元世界チャンピオンのアントニオ・デマルコが王座返り咲きを果たすのか?空位のタイトルをかけた運命のゴングが鳴り響きます。

試合は、3階級制覇を狙うホルヘ・リナレスが左ジャブを突きながら積極的に前へ出て右ストレートを狙う展開で始まります。一方、サウスポーのアントニオ・デマルコは下がりながら距離を取り、右ジャブを突いてホルヘ・リナレスの前進を止めようとしています。どちらのジャブのめちゃめちゃ伸びますね。

「リナレスが1ラウンドから積極的にプレッシャーをかけているよ。世界戦で、立ち上がりからこれだけ攻撃的なリナレスは初めてかも。めっちゃ気合いが入ってるよ。このままスピードと手数で圧倒して一気に主導権を握りたいな」と試合の行方に注目する管理人。立ち上がりは「攻撃のホルヘ・リナレス」「守備のアントニオ・デマルコ」という構図で進んでいます。

3ラウンド後半に入ると、これまで距離を取りながら戦っていたアントニオ・デマルコが少しずつ距離を詰め、ホルヘ・リナレスにプレッシャーをかけ始めます。一方、ホルヘ・リナレスはスピードを生かして鋭いパンチを打ち込み、左右に動くアウトボクシングに切り替えて応戦。体格差で上回るアントニオ・デマルコが距離を詰めて、ホルヘ・リナレスのスピードを消そうとしていますが、ホルヘ・リナレスが上手く対応していますね。

5ラウンドには、ホルヘ・リナレスの右ストレート、アントニオ・デマルコの右アッパーがクリーンヒットするなど、どちらのパンチも当たる場面が増えてきました。「リナレスのパンチがクリーンヒットしているんだけど、ライト級で戦い続けているデマルコはやっぱり耐久力があるな。デマルコは見かけ以上にタフなんで、リナレスは体力勝負を避けて、ロープを背負わないように戦いたいよ」と両者のボクシングに注目する管理人。

6ラウンドには、アントニオ・デマルコが攻勢をかけ、ホルヘ・リナレスが眉間の下(目と目の間)をカット。すごい出血です。7ラウンドに入ると、アントニオ・デマルコが主導権を握ろうと、さらにプレッシャーをかけます。ホルヘ・リナレスはフットワークを使って、アントニオ・デマルコのパンチをかわしていますが、序盤のハイペースの影響か、少しずつ動きが鈍ってきたようです。

「頑張れ、リナレス。あと4ラウンドだよ」とホルヘ・リナレスの応援に熱が入る管理人。8ラウンド中盤には、ホルヘ・リナレスがコーナーに詰められながら回転速い連打をクリーンヒットさせます。しかし、アントニオ・デマルコは「ここが勝負!」とばかり、ひるむことなく前へ出続けます。

「デマルコがリナレスのクリーンヒットで止まってくれると、戦いやすくなるんだけど…。派手さはないけど、めっちゃタフで、ボクシングの奥深さを教えてくれるボクサーだよ」と改めてアントニオ・デマルコの総合力に感心する管理人。アントニオ・デマルコはある程度の被弾を覚悟して勝負に出ていますね。

試合終盤は「動きを止め、手数が減ったほうが負け」の壮絶な我慢比べが続き、迎えた11ラウンド。ボクシングファンが息をのむ激戦に終止符が打たれます。ポイントで負けているアントニオ・デマルコが右ジャブを突きながら前進。ホルヘ・リナレスをロープへ追い詰めると、1分すぎ、コンパクトな左ストレートをホルヘ・リナレスのアゴに叩き込みます。

「あ、やばい!まともにもらっちゃった。リナレス、頑張れ!」とソファーから立ち上がって応援する管理人。ボディーワークを駆使して必死にパンチをかわそうとするホルヘ・リナレスですが、アントニオ・デマルコがコンパクトなパンチを連打して、ホルヘ・リナレスに休む時間を与えません。

顔面を血で真っ赤に染めながら、必死に打ち合うホルヘ・リナレス。しかし、パンチをもらいながら前進を続けるアントニオ・デマルコが残り30秒、右フックから左ストレートのコンビネーションをホルヘ・リナレスの顔面へ叩き込み、ホルヘ・リナレスが力なくロープへ後退!

最後は、アントニオ・デマルコがロープを背負い防戦一方のホルヘ・リナレスにパンチを連打したところで、レフェリーが試合をストップ。激闘の末、アントニオ・デマルコがホルヘ・リナレスに11ラウンドTKO勝ちを収め、悲願の王座返り咲きを果たしました。

アントニオ・デマルコがパンチをもらいながらも、体格的なアドバンテージを生かして前へ出続け、ホルヘ・リナレスのテクニックとスピードを消し去った試合でしたね。どちらが勝ってもおかしくない壮絶な激闘でしたが、最後はアントニオ・デマルコが凄まじい執念で世界タイトルと勝利を引き寄せた内容だったと思います。

勝ったアントニオ・デマルコはもちろん、敗れたホルヘ・リナレスにも大きな拍手を送りたいです。2人のボクサーが壮絶な練習で培った力をすべて出し切った結果、勝者が敗者に、敗者が勝者にさらなる輝きを与える試合こそ、ボクシングの醍醐味、美学が詰まった試合だと思います。

3階級制覇の夢が破れたホルヘ・リナレスですが、ボクシングファンに「夢の続きを一緒に見たい」と思わせてくれる感動的な内容だったのではないでしょうか?ゆっくり休んで、ココロとカラダを十分にケアしたら、再びリングに戻って雄姿を見せてほしいですね。「リナレスもデマルコもカッコイイよ」と心に響いた素晴らしい試合でした。

ホルヘ・リナレス対アントニオ・デマルコの試合結果

試合結果 アントニオ・デマルコが11ラウンドTKO勝ちでタイトル奪取に成功。
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4階級制覇の実績を誇る「プエルトリコの英雄」ミゲール・コットと2階級制覇を目指す「メキシコの至宝」サウル・アルバレスがついに激突。絶大な人気を誇る新旧スーパースター対決です!

WBC世界スーパーフェザー級チャンピオンの三浦隆司選手も同じイベントに登場します。

テレビ放送日時 11月21日(土)HBOでPPVライブ中継(アメリカ)
11月22日(日)WOWOWで11時から生中継(日本)
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