WBC世界ライト級タイトルマッチ

佐々木基樹選手とウンベルト・ソトの試合内容

佐々木基樹選手が悲願の世界タイトル奪取をかけて3階級制覇チャンピオンのウンベルト・ソトに挑戦します。2度目の世界タイトル挑戦となる35歳7か月の佐々木基樹選手。勝てば、越本隆志選手が持つ35歳0か月の日本人ボクサー最高齢での世界チャンピオン記録を更新します。

試合後に世界チャンピオンベルトを腰に巻くボクサーは敵地メキシコに乗り込んだ佐々木基樹選手でしょうか？それとも、地元メキシコのボクシングファンの前で4度目のタイトル防衛を目指すウンベルト・ソトでしょうか？注目の防衛戦です。

開始直後グローブを合わせて挨拶を終えると、佐々木基樹選手が左右のフックを振り回し、チャンピオンのウンベルト・ソトに襲い掛かります。奇襲を受けたウンベルト・ソトは上半身を振りながら佐々木基樹選手の攻撃を回避。距離を取ってすぐに体勢を立て直すところはさすがウンベルト・ソトですね。

1ラウンドから勝負に出た佐々木基樹選手は左ジャブを突きながら前進し、右ストレートと左右のフックを狙います。一方のウンベルト・ソトは佐々木基樹選手の前進を止めるため、左右のフックとアッパーを上下に打ち分けています。

「すごい打撃戦になりそうだぞ」と試合の行方を見守っていると、1ラウンド残り40秒、ウンベルト・ソトが佐々木基樹選手をロープに詰めて左アッパー、左フック、右ストレート、左ボディーブローの見事なコンビネーションブローを叩き込みます。佐々木基樹選手の奇襲を受けたウンベルト・ソトですが、エンジンがかかってきましたね。

2ラウンド以降も激しい打撃戦が続きます。前へ出ながら一撃一撃に力を込めてパンチを放つ佐々木基樹選手に対して、ウンベルト・ソトはコンパクトなパンチを上下に打ち分けています。特にウンベルト・ソトの顔面を狙ったアッパーとボディーブローが効果的ですね。

序盤はウンベルト・ソトのペースで進み、迎えた5ラウンド残り40秒。ウンベルト・ソトが佐々木基樹選手をロープに詰めて左ボディーブローから左アッパーを顔面へ返し、佐々木基樹選手からダウンを奪います。ガードの真ん中を打ち破る見事なアッパーですね。

ダウンを奪われた佐々木基樹選手は失ったポイントを取り戻そうと必死に挽回を試みますが、試合巧者のウンベルト・ソトが前へ出ようとする佐々木基樹選手の出鼻をくじき、試合の主導権を渡しません。8ラウンドが終わり、公開採点の結果は3人のジャッジすべてが80-71でウンベルト・ソトを支持。佐々木基樹選手が勝つためには逆転のKO勝ちが必要です。

9ラウンド以降は、逆転KOを狙う佐々木基樹選手に対して、ウンベルト・ソトが距離を取り、佐々木基樹選手のパンチが届かない位置で戦います。距離を詰めたパンチを打ち込みたい佐々木基樹選手ですが、ウンベルト・ソトのカウンターが厄介ですね。

ウンベルト・ソトの優勢で迎えた11ラウンド1分すぎ、佐々木基樹選手が猛然と飛び込み、右ストレートを狙います。すると、そのパンチを避けたウンベルト・ソトのヒザと佐々木基樹選手のヒザが接触し、水ですべりやすくなっているキャンバスに足をとられたウンベルト・ソトが激しく転倒。ヒザを強打します。

苦悶の表情を浮かべるウンベルト・ソト。結局、試合を続行することはできず、試合の結果は負傷判定に委ねられます。結果は3人のジャッジすべてがウンベルト・ソトを支持し、ウンベルト・ソトが佐々木基樹選手に11ラウンド負傷判定勝ちを収めました。

本来のウェルター級から2階級下げたライト級で2度目の世界タイトルに挑戦したベテランの佐々木基樹選手ですが、残念な結果に終わってしまいましたね。「負傷判定を取るべきか」微妙な判定だっただけに、佐々木基樹選手にとっては納得のいかない結果だったと思います。うーん、スッキリしない結末でした。

佐々木基樹選手とウンベルト・ソトの試合結果