WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | 下田昭文(日本) 戦績:26戦23勝10KO2敗1分 |
挑戦者 | リコ・ラモス(アメリカ) 戦績:19戦全勝10KO |
下田昭文選手とリコ・ラモスの試合内容
鋭いステップインから繰り出される左ストレートが魅力の下田昭文選手が敵地アメリカへ乗り込んでリコ・ラモスと激突する初防衛戦です。下田昭文選手は全勝の指名挑戦者を相手に試練の初防衛戦をクリアできるでしょうか?
試合はサウスポーの下田昭文選手が右ジャブを突きながらリコ・ラモスにプレッシャーをかけ、左ストレートを狙う展開で始まります。一方のリコ・ラモスは下がりながら距離を保ち、下田昭文選手のボクシングを観察している印象です。下田昭文選手は敵地ということもあり、立ち上がりからエンジン全開ですね。
「下田選手の出入りのスピードにラモスが戸惑っているみたい。下田選手はこの調子で自分から攻めて行きたいよ」と試合の行方を見守る管理人。下田昭文選手もリコ・ラモスもスピード豊かなボクサーですが、瞬発力は下田昭文選手が一枚上手なようです。
2ラウンドに入ると、様子見を終えた下田昭文選手とリコ・ラモスが一段ギアを上げ、手数を増やして積極的なボクシングを展開します。下田昭文選手は左ストレート、リコ・ラモスは右ストレートを狙っていますね。
3ラウンド以降は、下田昭文選手が左ストレートをリコ・ラモスのボディーへ打ち込む場面が増えます。下田昭文選手は長期戦になっても有利に戦えるよう、リコ・ラモスの武器であるフットワークを鈍らせる作戦ですね。
一進一退の攻防で迎えた5ラウンド中盤、偶然のバッティングで、リコ・ラモスが右目の上をカット!踏み込んで左ストレートを狙いに行った下田昭文選手の頭がカウンターを狙っていたリコ・ラモスの頭に当たっちゃいましたね。
6ラウンドに入ると、カットの影響で「いつストップされるか分からない不安」を抱えるリコ・ラモスが攻撃姿勢を強め、勝負に出ます。一方、下田昭文選手は左ストレートをボディーに集め、リコ・ラモスのスタミナを奪う作戦。リコ・ラモスは下田昭文選手のスピードに手を焼いているのか、思うようなボクシングができません。
「下田選手、いい感じだよ。この調子でコンパクトなパンチを集めて主導権を握りたいな」と試合の行方を見守る管理人。ところが、7ラウンドに入り、下田昭文選手のボクシングに変化が見られるようになります。
ここまでコンパクトなパンチを集めてきた下田昭文選手ですが、大きなパンチを狙う場面が目立つようになり、空振りをするたびにスタミナを失っていく悪循環。一方のリコ・ラモスはガードをガッチリと構えて、下田昭文選手の打ち終わりを狙ってコンパクトな連打で反撃しています。
下田昭文選手がリコ・ラモスにプレッシャーをかける展開で迎えた7ラウンド残り30秒。リコ・ラモスの右ストレートを下田昭文選手がステップバックして避けた瞬間、リコ・ラモスがコンパクトな左フックを下田昭文選手にアゴに叩き込み、下田昭文選手が真後ろに崩れ落ちてダウン!
必死に立ち上がろうとする下田昭文選手ですが、闘志を体に伝えることはできず、無念のKO負け。リコ・ラモスが下田昭文選手に7ラウンドKO勝ちを収め、全勝のまま世界タイトル奪取に成功しました。
下田昭文選手のペースで試合が進んでいただけに、本当に残念な結果に終わってしまいましたね。しかし、下田昭文選手だからこそ、全勝のリコ・ラモスに敵地アメリカでプレッシャーをかけ続け、試合の主導権を握ることができたのだと思います。
世界タイトルを失ってしまった下田昭文選手ですが、まだ26歳と若く、実力は誰もが認めるところです。この試合の勝敗も本当に紙一重(6ラウンドまでの採点は3人のジャッジすべてが下田選手を大差で支持)だったので、ゆっくり静養してリングに戻ってきてほしいですね。
下田昭文選手とリコ・ラモスの試合結果
試合結果 | リコ・ラモスが7ラウンドKO勝ちで全勝で世界タイトル奪取に成功。初防衛に失敗した下田昭文選手は無念の王座陥落。 |