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防衛か?初戴冠か?内山高志と三浦隆司の日本人対決

WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ

チャンピオン 内山高志(日本・ワタナベジム)
戦績:16戦全勝13KO
挑戦者 三浦隆司(日本・横浜光ジム)
戦績:23戦20勝16KO1敗2分

試合内容

日本が世界に誇るKOダイナマイト、内山高志選手が、世界タイトル初挑戦の三浦隆司選手を迎えて3度目の防衛戦を行います。全勝チャンピオンの内山高志選手が防衛に成功するのか?サウスポーの三浦隆司選手が自慢の強打を武器にタイトル奪取に成功するのか?強打者同士の日本人対決です。

試合はお互いがジャブを突きながらストレートを打ち込むタイミングを狙う展開で始まります。オーソドックス・スタイル(右構え)のチャンピオン、内山高志選手のほうが左ジャブを積極的に突いている印象です。一方、サウスポーの挑戦者、三浦隆司選手は右ジャブだけでなく、いきなりの左ストレートもリードパンチとして使っていますね。

「お互い真っ向勝負で、相手の真正面に立っているんで、内山選手の右ストレート、三浦選手の左ストレートが当たりそうだな」と思っていると、3ラウンド残り50秒、三浦隆司選手がノーモーションの左ストレートを内山高志選手のアゴに打ち込み、内山高志選手が尻もちをついてダウン!

「あ、効いた!」と思わず叫ぶ管理人。タフな内山高志選手はダウンからすぐに立ち上がってファイティング・ポーズを取りましたが、足に力が入っていません。一気に畳みかけたい三浦隆司選手は試合再開の声がかかると同時に内山高志選手に襲い掛かりますが、内山高志選手がクリンチやボディーワークで追撃を避けてラウンド終了のゴングが鳴り響きます。

続く4ラウンドは、ダウンを奪った三浦隆司選手がラウンド開始から攻撃を仕掛け、内山高志選手もパンチを上下に打ち分けて応戦します。内山高志選手も三浦隆司選手も力強いパンチを入れて、ダメージを与え、試合の主導権を握ろうとしていますね。内山高志選手はまだ足に力が戻っていない印象です。

5ラウンドもお互いが真っ向から打ち合う展開。三浦隆司選手が得意の左ストレートを内山高志選手の顔面に叩き込めば、内山高志選手も負けじと強烈な右フックを三浦隆司選手の顔面に打ち込み、一進一退の攻防が続きます。

6ラウンドに入ると、左ストレートを中心に力強いパンチを打ち込もうとする挑戦者の三浦隆司選手に対して、チャンピオンの内山高志選手は左ジャブを連打して距離を取り、打ち合いからアウトボクシングに切り替えます。内山高志選手の力強い左ジャブが三浦隆司選手の右顔面をとらえ、三浦隆司選手の右目の周りが一気に腫れ始めたようです。

内山高志選手は3ラウンドに偶然のバッティングでカットした右目の上から血を流しながらも、三浦隆司選手は内山高志選手のパンチで右目を腫れ上がらせながらも、勝利への執念を前面に押し出して戦っています。まさに強打者同士の気迫がリング上でぶつかり合う試合ですね。

一進一退の攻防が続き、迎えた8ラウンド。内山高志選手が左ジャブ、左フックを三浦隆司選手の顔面に叩き込み、三浦隆司選手の右目が完全にふさがってしまいます。右サイドの視界を失った三浦隆司選手は、内山高志選手のパンチをまともにもらってしまう場面が増え、三浦隆司選手が一気に失速。ダウンを奪った三浦隆司選手ですが、苦しくなってきましたね。

「万全の状態でさえ、内山選手の強打を防ぐことは難しいのに、目が見えないと、さすがの三浦選手もこれ以上は無理じゃないかな?」と思っていると、8ラウンド終了後、ドクターチェックを受けた三浦隆司選手の陣営が棄権を申し入れ、レフェリーが試合をストップ。

苦しみながらも内山高志選手が三浦隆司選手を8ラウンド終了TKO勝ちで退け、3度目の防衛に成功しました。ダウンを奪われながらも勝った内山高志選手はもちろん、敗れた三浦隆司選手にも大きな拍手を送りたいです。思わず拳を握ってしまう素晴らしい日本人対決でしたね。

なお、試合後、内山高志選手が右拳を痛めていたことが発覚。手術をして、拳のケガを完治させることに集中するそうです。拳のケガがクセになると、ハードパンチャーの内山高志選手にとって致命傷となりかねないので、確実に治してほしいですね。

右拳を痛め、右目の上をカットし、さらにダウンを喫した状態から挽回して、タイトルを防衛するところはさすが内山高志選手としか言いようがありません。特にサウスポーの三浦隆司選手を相手に、左ジャブ、左フックをあれだけ叩き込むボクシングは圧巻でした。

パワーとタイミングを武器にKOの山を築いてきた内山高志選手が、危機的な状況を冷静な戦略と見事なテクニックで回避し、防衛を重ねた姿に、ますます期待を持ったボクシングファンは管理人だけではないと思います。内山高志選手、三浦隆司選手に改めて大きな拍手を送りたいです。再戦が実現すると、盛り上がりそうですね。

内山高志と三浦隆司の試合結果

試合結果 内山高志選手が8ラウンド終了TKO勝ちで3度目のタイトル防衛に成功。
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WBC世界スーパーフェザー級チャンピオンの三浦隆司選手も同じイベントに登場します。

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