WBC世界ミドル級タイトルマッチ

セバスチャン・ズビック対フリオ・セサール・チャベス・ジュニアの試合内容

無敗の快進撃を続けるフリオ・セサール・チャベス・ジュニアが初の世界タイトル奪取をかけて全勝チャンピオンのセバスチャン・ズビックに挑戦します。「メキシコの英雄」フリオ・セサール・チャベスを父に持つ「伝説の後継者」フリオ・セサール・チャベス・ジュニアがついに勝負の時を迎えましたね。

メキシコの期待を背負ってリングに上がるフリオ・セサール・チャベス・ジュニアは全勝王者を打ち破り、「伝説の続き」となることができるのでしょうか？それとも、テクニシャンのセバスチャン・ズビックがフリオ・セサール・チャベス・ジュニアの良さを消し去るのでしょうか？世界中のボクシングファンが注目する大一番です。

試合は、チャンピオンのセバスチャン・ズビックが積極的に左ジャブを突き、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアを前に出させない展開で始まります。フリオ・セサール・チャベス・ジュニアは下がりながら左右のフックを放っていますが、先手はセバスチャン・ズビックが取っていますね。

「ドイツ出身のズビックはアメリカ開催を意識して積極的に仕掛けているみたい。チャベス・ジュニアはディフェンスを大事に戦ってるね」と試合の行方を見守る管理人。セバスチャン・ズビックが予想以上に積極的なので、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアは慎重に戦っているようです。

3ラウンドに入ると、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアが一転して打ち合いに応じ、激しい打撃戦になります。フリオ・セサール・チャベス・ジュニアは力強い左右のフックを上下に打ち分け、セバスチャン・ズビックはガードの隙間を狙ってコンパクトなパンチを連打しています。

卓越したテクニックが好まれるドイツで全勝の快進撃を続けるセバスチャン・ズビックと、勇敢なファイトスタイルが好まれるメキシコで絶大な人気を誇るチャベス・ジュニア。好対照な特徴を持つボクサー同士の素晴らしい試合になってきましたね。

序盤はチャンピオンのペースで進みますが、5ラウンドに入ると、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアが足を止めて真正面からセバスチャン・ズビックと打ち合います。強烈なボディーブローを連打し、5ラウンド終了間際には鋭い右ストレートをセバスチャン・ズビックの顔面に叩き込みます。フリオ・セサール・チャベス・ジュニアが本来のファイトスタイルで勝負に出てきましたね。

試合中盤は、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアがセバスチャン・ズビックのボディーを中心にパンチを集めて盛り返します。序盤はセバスチャン・ズビックの前進に押し負けていたフリオ・セサール・チャベス・ジュニアですが、押し合いに負けなくなってきましたね。

一方のセバスチャン・ズビックはボディーが相当効いているのか、自分から下がって戦うシーンが目立つようになってきました。ガードの固いセバスチャン・ズビックですが、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアがお構いなしにパンチをガンガン打ち込むので休む暇がありません。

試合終盤は、タイトル防衛に執念を燃やすセバスチャン・ズビック、タイトル奪取にかけるフリオ・セサール・チャベス・ジュニアの闘志がぶつかり合い、一進一退の激しい攻防が続きます。どちらもめちゃめちゃ苦しい状態で必死に戦っていますね。

試合はお互いが一歩も引くことなく打ち続け、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。結果は1人のジャッジがドロー、2人のジャッジがフリオ・セサール・チャベス・ジュニアを支持。フリオ・セサール・チャベス・ジュニアがセバスチャン・ズビックに12ラウンド判定勝ちを収め、悲願の世界タイトルを奪取。親子2代で世界チャンピオンに輝きました。

フリオ・セサール・チャベス・ジュニアとセバスチャン・ズビックの闘志、気迫、執念がテレビ画面から伝わってくる素晴らしい試合でしたね。フリオ・セサール・チャベス・ジュニア最大の武器である父親譲りの強烈な左ボディーブローが最初から最後までセバスチャン・ズビックを苦しめた内容でした。

結果は僅差の判定でフリオ・セサール・チャベス・ジュニアが勝ちましたが、敗れたセバスチャン・ズビックにも大きな拍手を送りたいです。これだけ積極的なセバスチャン・ズビックを久しぶりに観ました。プロ初黒星を喫し、王座を失ってしまいましたが、今回の敗戦で評価を下げることはないと思います。

プロデビューから45戦目、25歳でフリオ・セサール・チャベス・ジュニアが世界タイトルを手にしました。フリオ・セサール・チャベス・ジュニアにとってはここから本当の勝負が始まりますね。「伝説の後継者」は「新しい伝説」になることができるでしょうか？ボクシングを観る楽しみがまたひとつ増えましたね。

セバスチャン・ズビック対フリオ・セサール・チャベス・ジュニアの試合結果