ミゲール・コット対フロイド・メイウェザーの試合内容(後編)
後半戦に入ると、お互いにスタミナを消耗する苦しい展開が続きます。ミゲール・コットは被弾を覚悟してフロイド・メイウェザーを体ごとロープに押し込み、連打を続けるスタミナが要求されるボクシング。フロイド・メイウェザーはミゲール・コットの連打を回避するため、高い集中力とスタミナが要求されるボクシングを続けています。
「休んだボクサーが負け」の極限の消耗戦。ポイントをリードされている3階級制覇チャンピオンのミゲール・コットが5階級制覇チャンピオンのフロイド・メイウェザーをロープに詰めて必死に攻撃を続けます。ポイントをリードしているフロイド・メイウェザーですが、ラウンドが進むにつれてポイント差ほど楽な展開ではなくなってきました。
【Photo:The Ring Magazine】
ミゲール・コットは疲労とダメージ、フロイド・メイウェザーは疲労を抱え、迎えた8ラウンド。我慢を強いられているミゲール・コットが離れて戦おうとするフロイド・メイウェザーをコーナーに押し込んで勝負に出ます。
「コットが必死にパンチを打っているんだけど、メイウェザーがクリーンヒットを与えず、ショートのカウンターを打ち込んでいるよ。メイウェザーもかなり疲れていると思うんだけど、すごい集中力だな」と「天才」フロイド・メイウェザーの集中力に拍手を送る管理人。
8ラウンドが終わり、コーナーへ戻った両者を比較すると、フロイド・メイウェザーは鼻血を流し、ミゲール・コットは顔面が腫れ上がっています。9ラウンドに入ると、フロイド・メイウェザーのスピードが鈍り始め、ミゲール・コットにチャンスがめぐってきます。
しかし、鉄壁のディフェンスを誇るフロイド・メイウェザーは、ミゲール・コットの左ジャブこそ被弾するものの、ミゲール・コットに連打を許さず、得意の左フックを当てさせません。鼻血の影響もあり、最近の試合では一番苦しい終盤だと思いますが、さすがはフロイド・メイウェザーですね。
11ラウンドに入ると、フロイド・メイウェザーがミゲール・コットに押し込まれることを嫌い、大きく左右に動くアウトボクシングに切り替えます。ポイントで劣勢のミゲール・コットは何とか食いついて突破口を切り開こうとしますが、ダメージと疲れの影響で、さすがに動きが鈍ってきました。
最終ラウンドは、逆転を狙って必死に前進を続けるミゲール・コットに対して、フロイド・メイウェザーがカウンターを狙うスリリングな展開。「メイウェザーが倒しに行ってるよ」と思った残り1分、フロイド・メイウェザーが右ストレートから左アッパーを突き上げ、ミゲール・コットのヒザが揺れます。
「うわ、効いた!危ない、コット」と叫んだ瞬間、ミゲール・コットがフロイド・メイウェザーにしがみつき、何とか追撃を回避。ファンの大声援にこたえるため、KOを狙って右ストレートを連打するフロイド・メイウェザーですが、ミゲール・コットが最後まで耐え抜き、試合終了のゴングが鳴り響きます。
世界中のボクシングファンが注目したスーパースター対決の勝敗は3人のジャッジに委ねられ、3人のジャッジすべてがフロイド・メイウェザーを支持。フロイド・メイウェザーがミゲール・コットに3-0の判定勝ちを飾り、8本目の世界チャンピオンベルトを獲得しました。
【Photo:The Ring Magazine】
鉄壁のディフェンスを誇るフロイド・メイウェザーがミゲール・コットの魂の攻撃をかわし切り、新たな世界タイトルを獲得しましたね。管理人が熱烈に応援するミゲール・コットも善戦したと思いますが、最強の称号「パウンド・フォー・パウンド」をほしいままにするフロイド・メイウェザーの前に力及びませんでした。
鼻血を出すなど、最近の試合で最も苦戦したフロイド・メイウェザーですが、ミゲール・コットの捨て身の攻撃を持ってしても、フロイド・メイウェザーのディフェンスを崩し切ることはできませんでした。キャッチウエイトではなく、ミゲール・コットが本来の力を発揮できるスーパーウェルター級で勝利したことにフロイド・メイウェザーの美学が詰まっていると思います。
「時空を超越するスピード」と「鉄壁のディフェンス」を誇るフロイド・メイウェザー。世界中のボクシングファンが注目した夢のスーパースター対決で「カリブの英雄」を撃破し、「パウンド・フォー・パウンド」の実力を証明した「天才」に「最も負ける姿が想像できないボクサーだよ」と脱帽の管理人でした。名勝負をみせてくれたフロイド・メイウェザーとミゲール・コットに大きな拍手を送りたいです!
ミゲール・コット対フロイド・メイウェザーの試合結果
試合結果 | フロイド・メイウェザーが12ラウンド3-0の判定勝ちでタイトル奪取に成功。ミゲール・コットを撃破し、連勝を43に伸ばしました。 【公式ジャッジの採点結果】
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