IBF世界ウェルター級王座決定戦
ランキング1位 | マイク・ジョーンズ(アメリカ) 戦績:26戦全勝19KO |
ランキング2位 | ランドール・ベイリー(アメリカ) 戦績:50戦42勝37KO7敗1無効試合 |
マイク・ジョーンズ対ランドール・ベイリーの試合内容
全勝ホープのマイク・ジョーンズと2階級制覇を目指すベテランのランドール・ベイリーが拳を交えるIBF世界ウェルター級王座決定戦です。マイク・ジョーンズは連打で、ランドール・ベイリーは一撃で相手を沈めるタイプのボクサー。高いKO率を誇る強打者同士の楽しみな新旧対決ですね。
試合は、お互いが左ジャブを突き、得意の右ストレートを狙う展開で始まります。マイク・ジョーンズもランドール・ベイリーもガードを高く構えて、相手の強打を警戒しながら戦っていますね。マイク・ジョーンズもランドール・ベイリーも思い切って踏み込みたいようですが、パンチをもらう可能性があるので、どちらもあえて深入りしていない印象です。
「めっちゃ緊張感のある試合だな。どちらも相手のパンチを警戒して踏み込めず、左ジャブを突く展開が続いているね。先に大砲を当てるボクサーはどっちかな?」と緊張感たっぷりの強打者対決に息を飲む管理人。
試合は、前進しながらプレッシャーをかけるベテランのランドール・ベイリーに対して、ホープのマイク・ジョーンズがフットワークを生かして連打を打ち込み、すぐにポジションを変える展開で進みます。
「ジョーンズの連打がベイリーの強打を上回っている印象だなあ。一撃の破壊力はベイリーが一枚上手だと思うんだけど、手数は圧倒的にジョーンズが上手だね。ジョーンズはこのまま逃げ切ることができるかな?」と両者のボクシングの違いに注目する管理人。
【Photo:The Ring Magazine】
試合終盤になると、マイク・ジョーンズがランドール・ベイリーのボディーへパンチを集め、ランドール・ベイリーの表情が曇ります。「ベイリーは、いよいよ苦しくなってきたね。ダメージを抱える前に勝負したいよ」と10年ぶりの世界タイトル奪取を目指すランドール・ベイリーに声援を送る管理人。
手数で上回るマイク・ジョーンズが試合を優勢に進め、迎えた10ラウンド終盤。マイク・ジョーンズがパンチを集め、ランドール・ベイリーをロープに追い詰めます。必死にクリンチをして追撃を防ぐランドール・ベイリー。ランドール・ベイリーはギリギリの状態でマイク・ジョーンズの攻撃に耐えていますね。
「ベイリーは何とかクリンチで逃れたけど、ダメージもスタミナもかなり厳しいみたい。顔面もボディーも効いてるもんな」とベテランの窮地を確信する管理人。ところが、クリンチ直後、ランドール・ベイリーが軽く左ジャブを突き、次の瞬間、強烈な右ストレートをマイク・ジョーンズに叩き込みます。
ランドール・ベイリーのベストショットをアゴにもらったマイク・ジョーンズはそのまま後ろへ倒れ込み、ダウン!「出た!ベイリーの一発!これは効いたよ」とベテランの強打に驚愕の管理人。ダウンから立ち上がったマイク・ジョーンズの状態を確認すると、フラフラしていますね。
ラウンド終了間際のダウンだったので、ゴングに救われ、1分のインターバルに入ることができたマイク・ジョーンズ。11ラウンドに入ると、距離を取って左ジャブを突くアウトボクシングに徹して、ランドール・ベイリーの追撃を防ぐ作戦に出ます。
「お、ジョーンズはいい作戦。パンチを出さずに下がると、ベイリーの強打が飛んでくるんで、打っては離れるボクシングでダメージを回復させたいよ」とダウンを奪われたマイク・ジョーンズのボクシングに注目する管理人。
11ラウンド中盤になると、少しずつダメージが抜けてきたのか、マイク・ジョーンズが左ジャブを突きながら積極的に右ストレートを打って攻撃に転じます。一方のランドール・ベイリーは右の一発を狙っているのか、手数が少ないですね。
「ベイリーはもう少しパンチを集めたいよ。チャンスなんだけどなあ」と思っていると、11ラウンド残り20秒、ランドール・ベイリーが強烈な右アッパーをマイク・ジョーンズのアゴに突き上げ、この試合2度目のダウンを奪います。
「なにっ!すごいアッパーが決まったよ。これは立てないかも」と壮絶な右アッパーに言葉を失う管理人。ダウンしたマイク・ジョーンズは必死に立ち上がろうとしますが、足元がもつれて体を支えることができず、レフェリーが試合をストップ!ランドール・ベイリーが11ラウンド大逆転のKO勝ちで2階級制覇を達成しました。
【Photo:The Ring Magazine】
めちゃめちゃ劇的な幕切れでしたね!ランドール・ベイリーが最後の最後まで隠していた右アッパーで全勝ホープのマイク・ジョーンズを沈め、見事に10年ぶりの戴冠を果たしました。最後の最後で、ものすごいドラマが待っていましたね!
試合後のインタビューを泣きながら受けていたランドール・ベイリーの姿を観戦して、感動しちゃいました。37歳のランドール・ベイリーにとって、ボクシングを続けるか引退するかの葛藤があった10年だったと思います。
【Photo:The Ring Magazine】
ボクサーとしてリングで戦い続けることを選んだランドール・ベイリー。ベテランの決断が美しい勝利を生んだ新旧対決にボクシングの美学を感じた管理人でした。2012年に観戦した最も衝撃的なKOに興奮が止まりません!
マイク・ジョーンズ対ランドール・ベイリーの試合結果
試合結果 | ランドール・ベイリーが11ラウンド2分52秒KO勝ちで世界タイトル奪取に成功。10年ぶりの戴冠で2階級制覇に成功しました。 |