WBC米大陸スーパーウェルター級タイトルマッチ
チャンピオン | ジェームス・カークランド(アメリカ) 戦績:31戦30勝27KO1敗 |
挑戦者 | カルロス・モリナ(メキシコ) 戦績:25戦19勝6KO4敗2分 |
ジェームス・カークランド対カルロス・モリナの試合内容
強打を誇るサウスポーのジェームス・カークランドと連打を得意とするカルロス・モリナが激突するサバイバルマッチです。強豪との激戦をくぐり抜け、世界タイトル挑戦へ歩みを進める両者。サバイバルマッチに勝ち残り、タイトル挑戦へ近づくボクサーはどちらでしょうか?
試合は、右ジャブを突きながら距離を詰めるサウスポーのジェームス・カークランドに対して、カルロス・モリナが左ジャブとフットワークを使って距離を取り、カウンターを狙う展開で始まります。予想通り、ジェームス・カークランドは立ち上がりから出てきましたね。
立ち上がりは、ジェームス・カークランドが前へ出て、カルロス・モリナが距離を取ろうとする展開が続きましたが、3ラウンドに入ると、カルロス・モリナが足を止めて応戦する作戦に切り替え、両者のパンチが当たる距離でパンチの交換が続きます。
得意の左ストレート、右フックを打ち込みたいジェームス・カークランドですが、カルロス・モリナがパンチを打ち込んだ直後にクリンチをして、ジェームス・カークランドに連打をさせないボクシングに徹しているので、ジェームス・カークランドは戦いづらそうですね。
「うーん、カークランドが空回ってるな。立ち上がりは右ジャブを使っていたカークランドだけど、ラウンドが進むにつれて、右ジャブの数が減ってきたね。飛び込むタイミングをモリナに読まれているんで、右ジャブのダブルとか、いきなりの左ストレートとか目線を変えられるといいんだけど」とジェームス・カークランドのボクシングに注目する管理人。
パワフルな打撃戦を制して、世界のトップ戦線へ浮上してきたジェームス・カークランドですが、この試合は手数が少なく、パンチの的中率も悪いので、全くリズムを作れません。一方のカルロス・モリナは、カウンターとクリンチを使って、ジェームス・カークランドの特徴を封じ込めていますね。
8ラウンド2分すぎには、カルロス・モリナがジェームス・カークランドに右ストレートを叩き込み、ジェームス・カークランドの動きが鈍ります。試合は、カルロス・モリナが主導権を握り、迎えた10ラウンド。世界中のボクシングファンが予想しなかった、まさかの結末を迎えます。
劣勢のジェームス・カークランドがラウンド開始からカルロス・モリナに猛然と襲いかかり、左右のフックを振り回します。クリンチを使って、必死に耐えようとするカルロス・モリナですが、ラウンド終了間際、ジェームス・カークランドの左ストレートがカルロス・モリナの顔面をとらえ、ダウンを奪います。
「おおお、カークランドの大砲がついに火を噴いたね。カークランドは残りのラウンドで仕留められるかな?」と思っていると、レフェリーが10ラウンド終了直後に試合をストップし、突然の試合終了を迎えます。
「あれ?カークランド陣営が喜んでるよ。カークランドが勝ったのかな?」と頭に「?マーク」が浮かぶ管理人。その後、リプレイをチェックすると、ダウンを奪われたカルロス・モリナのセコンドがダウンのカウントをしている最中に、ラウンド終了と勘違いしてリングに入ってしまったようです。
「なるほど、そういうことか。試合中にセコンドがリングに入っちゃったんだな」とようやく試合の状況を理解する管理人。劣勢だったジェームス・カークランドが、優勢に試合を進めていたカルロス・モリナに10ラウンド反則勝ちを収め、予想外の勝利を手にしました。
実力者同士のサバイバルマッチは予想外の結末を迎えましたね。ダウンしたカルロス・モリナを少しでも早く休ませて、ダメージ回復に努めようとしたセコンドの勇み足が勝敗を分ける結果になってしまいました。でも、痛恨の勘違いをしてしまったカルロス・モリナのセコンドを攻めるのは酷な気がします。自分の選手をサポートしようとしての行動ですからね。
大苦戦の末、勝利を手にしたジェームス・カークランドは、試合後に右肩の手術を受けました。この試合のジェームス・カークランドは極端に右ジャブ、右フックの数が少なかったので、「あれ?」と思っていたのですが、どうやらケガの影響があったようです。焦らずケガを治して、リングに戻ってきてほしいですね。不思議な感覚に包まれた試合でした。
ジェームス・カークランド対カルロス・モリナの試合結果
試合結果 | ジェームス・カークランドが10ラウンド反則勝ち。 |