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フェルナンド・モンティエル対ビクトル・テラサスのメキシカン対決

WBCシルバー・スーパーバンタム級王座決定戦

元3階級制覇
チャンピオン
フェルナンド・モンティエル(メキシコ)
戦績:51戦46勝36KO3敗2分
WBC世界
スーパーバンタム級8位
ビクトル・テラサス(メキシコ)
戦績:34戦31勝18KO2敗1分

フェルナンド・モンティエル対ビクトル・テラサスの試合内容

3階級制覇の実績を誇るフェルナンド・モンティエルとタフで手数の多いビクトル・テラサスが激突するメキシカン対決です。4階級制覇を目指してスーパーバンタム級に主戦場を移したフェルナンド・モンティエルが自分より体の大きなビクトル・テラサス相手にどんなボクシングをみせてくれるのか、楽しみですね。

試合は、いつも通りガードを高く構えて相手のボクシングを観察するフェルナンド・モンティエルに対して、ビクトル・テラサスが左ジャブを突きながらガンガン懐へ踏み込み、左右のフック、右ストレートを強振する展開で始まります。「静のフェルナンド・モンティエル」と「動のビクトル・テラサス」。対照的な立ち上がりですね。

序盤は、ビクトル・テラサスがプレッシャーをかけてフェルナンド・モンティエルを後退させ、主導権を握る展開が続きます。ビクトル・テラサスは上下に力強いパンチを連打して、フェルナンド・モンティエルに考える時間、休む時間を与えないボクシングに徹していますね。

「テラサスの左がすごくいいよ。特にジャブ、ボディーブローが効果的だぞ。モンティエルは手数が少ないので、自分から攻撃を仕掛けてテラサスをリズムに乗せないように戦いたいね」と試合の行方を見守る管理人。ビクトル・テラサスの攻撃が厳しいこともありますが、フェルナンド・モンティエルはいつもより手数が少なく、リズムに乗りきれていない印象です。

一方のビクトル・テラサスはコンパクトな力強いパンチを連打して、フェルナンド・モンティエルを前に出させないことに成功しています。多彩なパンチを上下に打ち分けたり、細かいフェイントを入れたり、頑強なだけでなく、器用さも合わせ持つ強豪ですね。

「テラサスが理想的なボクシングでモンティエルを封じ込めているぞ。モンティエルじゃなかったら、防戦一方になってもおかしくない馬力があるよ。かなりの実力者だな」と思っていると、5ラウンド終盤、ビクトル・テラサスがフェルナンド・モンティエルをロープに追い詰め、コンパクトな右ストレートを一閃!

ビクトル・テラサスの一撃をまもとにもらったフェルナンド・モンティエルは尻もちをついてダウン!「うぎゃ!モンティエルがダウンしちゃったよ。結構、効いているんじゃないかな?」と予想外のダウンに驚きながら、フェルナンド・モンティエルのダメージを確認する管理人。ダウンからすぐに立ち上がりましたが、足に力が入っていないですね。

「いやー、モンティエル、苦しくなってきたよ。逆に、テラサスは大金星を手にする絶好のチャンスだぞ」とビクトル・テラサスのボクシングに注目する管理人。6ラウンドに入ると、ダウンを奪われたフェルナンド・モンティエルが主導権を渡さないため、手数を増やしてビクトル・テラサスの前進を止めようとします。ビクトル・テラサスは狙いすぎているのか、少し手数が減っちゃいましたね。

「ありゃ?ダウンを奪ったテラサスのほうが警戒してるみたい。モンティエルは一撃で試合を終わらせるパンチを持っているけど、ここは千載一遇のチャンスなんで勝負したいよ」とビクトル・テラサスの奮起に期待する管理人。ビクトル・テラサスは必要以上にフェルナンド・モンティエルの強打を警戒して消極的になっているようです。

試合中盤は、ポイントを失ったフェルナンド・モンティエルがダメージを抱えながら必死に前進してビクトル・テラサスにプレッシャーをかけます。序盤はビクトル・テラサスのプレッシャーを感じて下がることが多かったフェルナンド・モンティエルですが、経験から「ここで行かないと負ける」と感じているのでしょう。打ち合って、流れを変えようとしていますね。

試合終盤は、ビクトル・テラサスが息を吹き返し、真っ向から打ち合いに応じて勝負します。フェルナンド・モンティエルもビクトル・テラサスもフェイントをかけながらパンチを打ち込み、激しい主導権争いを繰り広げながら12ラウンド終了のゴングを迎えます。

激闘となったメキシカン対決の勝敗は3人のジャッジに委ねられ、結果は3人のジャッジすべてがビクトル・テラサスを支持。ビクトル・テラサスが3階級制覇の実績を誇るフェルナンド・モンティエルに12ラウンド判定勝ちを収め、大金星を獲得しました。

フェルナンド・モンティエル、負けちゃいましたね。ただ、この試合を観る限り、ビクトル・テラサスのボクシングに拍手を送りたくなる内容でした。ビクトル・テラサスの休む時間を与えない力強い連打と後ろに下がらない勇敢なボクシングが大金星を呼び込んだ試合だったと思います。

フェルナンド・モンティエルを撃破したビクトル・テラサスは世界タイトル挑戦のチャンスが巡ってきそうですね。ボクシングのスタイルはジョニー・ゴンサレスに似ているでしょうか?スーパーバンタム級は日本人ボクサーもたくさん参戦している階級なので、いずれ拳を交える可能性があります。今後もビクトル・テラサスに注目しましょう。

一方、敗れたフェルナンド・モンティエルですが、この試合は「階級の壁」がモロに出た試合だったと思います。これまでの対戦相手なら、フェルナンド・モンティエルのパンチをもらうと後退していたのですが、ビクトル・テラサスはパンチをもらいながらも前進してきましたからね。これだけ顔を腫らしたフェルナンド・モンティエルを観たのは久しぶりです。改めて「世界は広いなあ」と感じた試合でした。

フェルナンド・モンティエル対ビクトル・テラサスの試合結果

試合結果 ビクトル・テラサスが3-0の判定勝ちで大金星を獲得。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 115-112
  • 115-113
  • 114-113
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