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4階級制覇のエリック・モラレスと全勝のダニー・ガルシアが激突する新旧対決

WBC世界スーパーライト級タイトルマッチ

前チャンピオン エリック・モラレス(メキシコ)
戦績:59戦52勝36KO7敗
挑戦者 ダニー・ガルシア(アメリカ)
戦績:22戦全勝14KO

エリック・モラレス対ダニー・ガルシアの試合内容

メキシコ人ボクサー2人目の4階級制覇を達成した「恐怖の男」エリック・モラレスと全勝の快進撃を続ける強打者のダニー・ガルシアが激突する注目のタイトルマッチです。「究極の新旧対決じゃない?これは楽しみだぞ」と期待していた管理人ですが、試合前にまさかの事件発生です。

チャンピオンのエリック・モラレスが計量をクリアできず、タイトルを剥奪されてしまいました!最後の900グラムを落とすことができなかった大ベテランのエリック・モラレス。まさかの失態で、試合前に「前チャンピオン」になっちゃいましたね。

その結果、エリック・モラレスが勝った場合は王座が空位になります。一方、ダニー・ガルシアが勝った場合は、ダニー・ガルシアが新チャンピオンとして認定されます。ダニー・ガルシアにとっては世界タイトル奪取の千載一遇のチャンス、エリック・モラレスにとってはプライドをかけた戦いです。

この試合がプロ60戦目となるエリック・モラレスの経験とテクニックがダニー・ガルシアを圧倒するのでしょうか?それとも、連勝を続けるダニー・ガルシアの勢いと強打がエリック・モラレスを粉砕するのでしょうか?究極の新旧対決の幕が開けます。

試合は、力強い左ジャブを突きながら、強烈な右フックを打ち込む挑戦者のダニー・ガルシアに対して、前チャンピオンのエリック・モラレスがガードを高く構え、左ジャブを連打して突き放そうとする展開で始まります。

「予想より静かな立ち上がりだよ。スロースターターのモラレスが相手なんで、ガルシアがもっと強く出るかと思ったけど、ディフェンスを大事に戦っているみたい。モラレスは右ストレート、ガルシアは左右のフック。どっちが先にクリーンヒットを奪うかな?」と試合の行方に注目する管理人。

2ラウンドに入ると、エリック・モラレスがプレッシャーを強め、主導権を握ろうとします。エリック・モラレスはジワリジワリとプレッシャーをかけて、左ジャブから右ストレートのワンツーを上下に打ち分けながら、ダニー・ガルシアに的を絞らせない戦いをしていますね。

「モラレスの上下の打ち分けが効果的!ガルシアは器用なタイプじゃないんで、このまま主導権を握ることができるかも」と思っていると、3ラウンド残り30秒、ダニー・ガルシアがエリック・モラレスに強烈な右ストレートを打ち込み、エリック・モラレスがロープへ吹っ飛びます。

「強烈!コンパクトな右ストレートも打てるんだ。コンパクトだったけど、ロープがなかったら、倒れていたかもしれない破壊力だよ。攻撃に出ると、ガルシアは持ち味を発揮するね」とダニー・ガルシアの強打に拍手を送る管理人。ダニー・ガルシアは負けん気が強く、エリック・モラレスの打ち終わりに必ずパンチを返して、主導権を渡さないボクシングを展開しています。

試合中盤に入ると、ダニー・ガルシアが自分から前へ出て、攻撃する場面が少しずつ増え、エリック・モラレスにプレッシャーを与えます。3ラウンドの右ストレートのクリーンヒットをきっかけに、ダニー・ガルシアにリズムが生まれ、本来の攻撃的なボクシングが目を覚ましたようです。

6ラウンドに入ると、ダニー・ガルシアがエリック・モラレスのボディーを狙って、強烈なボディーブローを連打!コンディション作りに失敗したエリック・モラレスにとって、このボディー攻撃は効果的ですね。長丁場になると、試合終盤に効果を発揮しそうです。

一方、プロ60戦の経験を誇るエリック・モラレスは、自分から前へ出て、攻撃することにより、ダニー・ガルシアの連打を封じ込めようとします。試合中盤は、お互いがパンチを出して、相手の攻撃を封じようとするスリリングなボクシングが繰り広げられています。

お互いがパンチを打ち合う激しい消耗戦が続き、迎えた11ラウンド中盤。ダニー・ガルシアの強烈な左フックがエリック・モラレスのアゴを打ち抜き、エリック・モラレスがヨロヨロと前のめりに崩れ落ちます。

「このダウンは大きいよ。モラレスは、肉体的なダメージもそうだけど、精神的なダメージも大きいんじゃないかな?終盤に追い上げようとしていたところだもんな。一方のガルシアは、このダウンで精神的にもポイント的にもずいぶん楽になったんじゃないかな?」とダニー・ガルシアが奪ったダウンに拍手を送る管理人。

12ラウンドに入ると、ダウンを奪われたエリック・モラレスが左ジャブを突きながら反撃に出ますが、ダニー・ガルシアが自分の距離を保ちながら冷静にカウンターを叩き込み、主導権を渡しません。試合はこのまま終了のゴングを迎え、勝敗は3人のジャッジに委ねられます。

結果は、3人のジャッジすべてがダニー・ガルシアを支持。全勝ホープのダニー・ガルシアが4階級制覇の実績を誇るベテランのエリック・モラレスに12ラウンド大差の判定勝ちを飾り、悲願の世界タイトル奪取に成功しました。

ダニー・ガルシアの勢いと強打が、エリック・モラレスの経験とテクニックを上回った試合でしたね。まだまだ荒削りで、ディフェンスに課題があるダニー・ガルシアですが、打ち合いに持ち込み、自分の距離で戦うと、持ち味を発揮します。好戦的なボクシングでどれだけ連勝を続けることができるのか、楽しみなチャンピオンの誕生です。

エリック・モラレス対ダニー・ガルシアの試合結果

試合結果 ダニー・ガルシアが12ラウンド3-0の判定勝ちで全勝のまま世界タイトル奪取に成功。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 118-109
  • 117-110
  • 116-112
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