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再戦の結末は?ウラディミール・クリチコ対トニー・トンプソンのリマッチ

3団体統一世界ヘビー級タイトルマッチ

チャンピオン ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)
戦績:60戦57勝50KO3敗
挑戦者 トニー・トンプソン(アメリカ)
戦績:38戦36勝24KO2敗

ウラディミール・クリチコ対トニー・トンプソンの試合内容

3本のベルトを保持し、ヘビー級の頂点に君臨するウラディミール・クリチコが、IBF指名挑戦者のトニー・トンプソンをスイスに迎えて防衛戦を行います。4年ぶりの再戦でウラディミール・クリチコとトニー・トンプソンにどんな違いが生まれているのか、楽しみですね。

WBA、IBF、WBOの3団体のチャンピオンに君臨するウラディミール・クリチコは「向かうところ敵なし」の強さを誇るヘビー級のエース。一方、リベンジに燃えるトニー・トンプソンは柔軟性とタフネスを兼ね備えたサウスポーです。

ウラディミール・クリチコとトニー・トンプソンは、4年前にドイツで対戦。そのときは、チャンピオンのウラディミール・クリチコが11ラウンドKO勝ちでトニー・トンプソンを一蹴し、タイトル防衛に成功しました。

4年ぶりに拳を交えるウラディミール・クリチコとトニー・トンプソン。時の流れは、2人の力関係に変化を生んだのでしょうか?それとも、同じ結末が待っているのでしょうか?3本のベルトをかけた因縁のリマッチが幕を開けます。

試合は、チャンピオンのウラディミール・クリチコが左手を前に出して、挑戦者のトニー・トンプソンの右ジャブを振り払いながら、ジワリジワリと距離を詰め、プレッシャーをかける展開で始まります。

ウラディミール・クリチコはほとんどパンチを出していませんが、トニー・トンプソンはめちゃめちゃプレッシャーを感じていますね。手数が少ない立ち上がりですが、リングは凄まじい緊迫感に包まれています。

「ウラディミールのプレッシャーが凄まじいよ。本来ならガードを固めて前に出るトンプソンが下がりっぱなしだもん。これは目が離せない試合になりそうだぞ」といきなり終わりそうな雰囲気にハラハラドキドキの管理人。

1ラウンドにウラディミール・クリチコが放ったパンチはわずかに3発。ラスト20秒でウラディミール・クリチコが体を沈めながら放ったオーバーハンドライトは本当にビックリしました。「さらなる進化を求めて、何かを変えよう」としているのかもしれませんね。

「ウラディミールは4年前と明らかに変わってるよ。トンプソンも悪い動きじゃないんだけど、ウラディミールの強打を警戒してパンチが打てないね。先手じゃなくてもいいんで、打ち終わりを狙ってパンチを出して警戒させたいなあ」と両者のボクシングに注目する管理人。

2ラウンドに入ると、ウラディミール・クリチコが力強い右ストレートを連打し始め、プレッシャーを強めます。一方のトニー・トンプソンもウラディミール・クリチコの打ち終わりを狙い、左ストレートのカウンターを打ち込みます。

「あれ?ウラディミールの右ストレートも当たりそうだけど、トンプソンの左ストレートも当たりそうな雰囲気だよ。ウラディミールはラフに距離を詰めると、カウンターをもらっちゃうかも。もう少し左ジャブを突きながら組み立てたいね」と思っていると、5ラウンド終盤、ダウンシーンが生まれます。

5ラウンドに入ると、前進するウラディミール・クリチコに対して、トニー・トンプソンが右ジャブを突きながら左ストレートのカウンターを狙います。一方のウラディミール・クリチコは左ジャブを突いて距離を測り、右ストレートを打ち込むタイミングを狙います。

ウラディミール・クリチコがプレッシャーをかけ、迎えた5ラウンド残り40秒。ウラディミール・クリチコがトニー・トンプソンをコーナーに詰めて強烈なワンツーを叩き込み、ダウンを奪います!

「うわっ、これは効いた!凄まじい威力だよ。トンプソンは立てるかな?」とウラディミール・クリチコの破壊力に脱帽の管理人。ダウンから何とか立ち上がったトニー・トンプソンですが、ダメージは深そうですね。

6ラウンドに入ると、フットワークを使ってダメージ回復に努めるトニー・トンプソンに対して、ウラディミール・クリチコが体重を乗せた右ストレートを連打して、一気に試合を決めようとします。

「ウラディミールは勝負に出てるよ。トンプソンはいよいよ苦しくなってきたね」と思っていると、6ラウンド残り30秒、ウラディミール・クリチコがトニー・トンプソンをロープに詰めて、右ストレートから左フックの返し、そして左右のパンチを連打して2度目のダウンを奪います。

悲願の世界タイトル奪取に執念を燃やすトニー・トンプソンはダウンから必死に立ち上がりましたが、レフェリーが続行不可能と判断し、試合をストップ!ウラディミール・クリチコがトニー・トンプソンに6ラウンドTKO勝ちを飾り、4年ぶりの再戦でも勝利を手にしました。

盤石を強さを誇るウラディミール・クリチコが、タイトル奪取とリベンジに執念を燃やすトニー・トンプソンを制圧した再戦でしたね。ウラディミール・クリチコは4年ぶりのリマッチで、より強くなった姿を世界中のボクシングファンに証明したと思います。

序盤から倒す気満々で、ラフな戦いぶりも目についたウラディミール・クリチコですが、1ラウンドに体を沈めながらオーバーハンドライトを打ったり、右ストレートから左フックの返しを打ったりと「さらなる進化を求めている心意気」を感じる試合でした。

圧倒的な強さを見せつけた「ヘビー級最強」のウラディミール・クリチコ。「ウラディミールが飛び抜けて強いんで、指名挑戦者でも勝負にならないもんな。どうやったら、勝てる勝てないのレベルまで持っていけるんだろう?」と3本のベルトを持つ「ヘビー級最強」のウラディミール・クリチコに脱帽の管理人でした。

ウラディミール・クリチコ対トニー・トンプソンの試合結果

試合結果 ウラディミール・クリチコが6ラウンド2分56秒TKO勝ち。IBFの12度目、WBOの8度目、WBAスーパーの2度目の防衛に成功しました。
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テレビ放送日時 11月21日(土)HBOでPPVライブ中継(アメリカ)
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