3団体統一世界ヘビー級タイトルマッチ
チャンピオン | ウラディミール・クリチコ(ウクライナ) 戦績:61戦58勝51KO3敗 |
挑戦者 | マリウス・ワフ(ポーランド) 戦績:27勝全勝15KO |
ウラディミール・クリチコ対マリウス・ワフの試合内容
圧倒的な強さでヘビー級チャンピオンに君臨するウラディミール・クリチコが全勝の快進撃を続けるマリウス・ワフとドイツで激突する3団体統一世界ヘビー級タイトルマッチです。最強チャンピオンと全勝挑戦者が激突するめっちゃ楽しみなヘビー級対決ですね。
198センチのウラディミール・クリチコと202センチのマリウス・ワフが拳を交える「2メートルの激突」。超ビッグな戦いを制するボクサーはチャンピオンのウラディミール・クリチコでしょうか?それとも、世界タイトル初挑戦のマリウス・ワフでしょうか?
試合開始のゴングが鳴ると同時に飛び出したボクサーはチャンピオンのウラディミール・クリチコ。鋭くて重い左ジャブを突きながら、挑戦者のマリウス・ワフにプレッシャーをかけます。ウラディミール・クリチコがいきなり仕掛けてきましたね。
【Photo:The Ring Magazine】
「なぬっ!ウラディミールが立ち上がりから勝負してる。ワフにプレッシャーをかけて主導権を握る作戦かな?怖いくらいに気合い入ってるよ」と立ち上がりからプレッシャーをかけるウラディミールのボクシングに驚く管理人。
左ジャブを連打してマリウス・ワフを前に出させないウラディミール・クリチコは開始30秒、左ジャブから右ストレートをマリウス・ワフの顔面に叩き込み、クリーンヒットを奪います。静かに立ち上がることが多いウラディミール・クリチコですが、この試合は1ラウンドから右ストレートを多用していますね。
一方、挑戦者のマリウス・ワフは左ジャブと右ストレートで応戦しますが、パンチが届きません。試合前、ウラディミール・クリチコが「自分より大きな相手と戦うことは未知の戦い」と語っていましたが、マリウス・ワフにとっても「過酷な未知の戦い」になっているようです。
「ワフはめっちゃプレッシャーを感じてるね。体のバランスが珍しく悪いもん。それくらいウラディミールの威圧感がすごいんだろうなあ」と挑戦者のボクシングに注目する管理人。マリウス・ワフは中途半端に反撃して、パンチをもらってしまう悪循環に陥っていますね。
チャンピオンのウラディミール・クリチコが立ち上がりから主導権を握る展開が続き、迎えた3ラウンド。これまでブロックだけで、ウラディミール・クリチコのパンチを防いでいた挑戦者のマリウス・ワフが頭を振りながら懐へ飛び込もうとするボクシングに切り替えます。
動きながら、本来のボクシングを取り戻そうとするマリウス・ワフ。一方、チャンピオンのウラディミール・クリチコは左ジャブから右ストレートのワンツーを叩き込み、マリウス・ワフにダメージを与えます。タフなマリウス・ワフでなければ、倒れてもおかしくないパンチが入っていますね。
「ワフはこのままもらい続けると、厳しくなりそうだなあ。ダメージが蓄積する前に、何とか勝負にいきたいね」と思っていると、5ラウンド残り10秒。マリウス・ワフが中間距離から右ストレートを打ち込み、ウラディミール・クリチコのアゴをとらえます。
腰が落ちるウラディミール・クリチコ。「うわ、効いた!ワフ、チャンスだよ」と叫んだ瞬間、マリウス・ワフがウラディミール・クリチコに襲いかかり、パンチを連打!しかし、ウラディミール・クリチコがガードを固めて追撃に耐え、クリンチをしたところで、ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。
「いやー、惜しい!パンチでダメージを受けたウラディミールは本当に久しぶりだよ。ワフはこのまま流れを変えたいなあ」と大興奮の管理人。ところが、6ラウンドに入ると、ウラディミール・クリチコが「ヘビー級最強」のボクシングを証明します。
ウラディミール・クリチコはゴングが鳴ると同時に左ジャブを叩き込み、前へ出ようとするマリウス・ワフを後退させます。自分の距離を確保したウラディミール・クリチコは左ジャブを連打してダメージを回復しながら、右ストレートを打ち込み、主導権を渡しません。
【Photo:The Ring Magazine】
「さすがはウラディミールだよ。安定感がなかった頃はピンチになるとバタバタしてたけど、今は冷静に状況を把握しながら自分のボクシングを貫いて局面を打開できるもん。ワフは絶好のチャンスだったんだけどなあ。逆に、ウラディミールのパンチをもらっちゃたね」とウラディミール・クリチコのボクシングに拍手を送る管理人。
ピンチを脱出したウラディミール・クリチコは7ラウンドに入ると、攻撃のギアを一段上げ、勝負に出ます。体重を乗せたウラディミール・クリチコの力強い右ストレートが、マリウス・ワフの顔面を何度となくとらえます。
8ラウンドに入ると、ウラディミール・クリチコがマリウス・ワフをロープに詰めて一方的に連打!マリウス・ワフはガードを固めて何とか耐えようとしていますが、ウラディミール・クリチコのパンチがガードを突き破っていますね。
「ウラディミールはエネルギーを使って勝負に出たね。ワフは必死に耐えたけど、ダメージはめっちゃ深いよ。反撃できるかな?」と挑戦者の状態をチェックする管理人。タフなマリウス・ワフなので、何とか耐えていますが、並のボクサーならリングに沈んでいるパンチが何度も入っています。
9ラウンド以降は、エネルギーを使ったウラディミール・クリチコがマリウス・ワフの反撃を警戒しながら戦うボクシングが続き、主導権を渡さないまま、試合終了のゴング。勝敗は3人のジャッジに委ねられます。
結果は3人のジャッジすべてが大差でウラディミール・クリチコを支持。「ヘビー級最強」のウラディミール・クリチコが全勝挑戦者のマリウス・ワフに快勝し、「2メートル対決」に勝利しました。敗れたマリウス・ワフはプロ初黒星です。
ウラディミール・クリチコが頭脳的なボクシングで、全勝挑戦者のマリウス・ワフを退けた試合でしたね。5ラウンド終盤に危ない場面がありましたが、そのシーンを除いて、マリウス・ワフを圧倒し、「ヘビー級最強」を改めて証明しました。
一方、敗れたマリウス・ワフは惜しかったですね。結果は大差の判定負けでしたが、試合終了のゴングが鳴るまで「ハラハラドキドキ感」が続いたウラディミール・クリチコの試合は久しぶりです。驚異的なタフネスはヘビー級ナンバーワンかもしれないですね。世界チャンピオンになれる素質は十分にあると思います。
ピンチに陥りながらも「進化した姿」を印象付けたウラディミール・クリチコ。「ヘビー級最強」の称号をほしいままにする「絶対王者」の防衛はまだまだ続きそうです。パワーとテクニックと頭脳が融合した名チャンピオンですね。
ウラディミール・クリチコ対マリウス・ワフの試合結果
試合結果 | ウラディミール・クリチコが12ラウンド大差の判定勝ちで防衛に成功。敗れたマリウス・ワフはプロ初黒星。 【公式ジャッジの採点結果】
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