IBOクルーザー級タイトルマッチ
チャンピオン | アントニオ・ターバー(アメリカ) 戦績:35戦29勝20KO6敗 |
挑戦者 | ラティーフ・カヨーデ(ナイジェリア) 戦績:18戦全勝14KO |
アントニオ・ターバー対ラティーフ・カヨーデの試合内容
数々の名勝負を繰り広げてきた43歳のアントニオ・ターバーと全勝の快進撃を続ける29歳のラティーフ・カヨーデが激突する注目の新旧対決です。テクニシャンのアントニオ・ターバー対パワフルなラティーフ・カヨーデの楽しみな強打者対決ですね。
試合は、自慢の強打を振り回して前進するラティーフ・カヨーデに対して、アントニオ・ターバーがカウンターの左ストレートを狙う展開で始まります。一撃の破壊力はラティーフ・カヨーデが一枚上手のようですが、パンチの的確さはアントニオ・ターバーが一枚上手ですね。
【Photo:The Ring Magazine】
「ターバーはカヨーデのパワフルな打撃を上手くいなしながら戦ってるね。カヨーデの強打をブロックで防ぎながら、的確なパンチを入れてるもん。カヨーデはコンパクトな連打で攻めることができれば、ターバーも簡単にカウンターを狙えないと思うんだけど」と両者のボクシングを比較する管理人。
試合前は「カヨーデが馬力でターバーを押し込むんじゃないかな?43歳でスタミナ的に余裕のないターバーにとって、苦しい試合になるかも」と予想していたのですが、アントニオ・ターバーはパワーの違いを見事に経験でカバーしていますね。
一方のラティーフ・カヨーデは、力強い左ジャブを連打して、右ストレートを上下に打ち分けて突破口を切り開こうとします。パワーとスタミナで上回るラティーフ・カヨーデはガムシャラに攻め込んでいますね。
【Photo:The Ring Magazine】
序盤は一進一退の攻防が続きます。中盤に入ると、アントニオ・ターバーが少しずつ左ストレートのタイミングをつかみ、真っ正面から飛び込んでくるラティーフ・カヨーデに左ストレートのカウンターを叩き込むシーンが増えてきます。
「カヨーデはもう少し体を振りながら懐へ飛び込めるといいんだけどなあ。真っ正面から正直に飛び込むと、ターバーにカウンターのチャンスを与えちゃうよ。パンチを上下に散らしながら、得意の右ストレートにつなげられると理想的なんだけど」とラティーフ・カヨーデのボクシングに注目する管理人。
【Photo:The Ring Magazine】
屈強な体を持ち、打っても打たれても強いラティーフ・カヨーデですが、ボクシングが良くも悪くも正直なので、百戦錬磨のアントニオ・ターバーに動きと心理を読まれている印象です。ラティーフ・カヨーデは迷いがストレスにつながっているのか、イライラしながら戦っているようですね。
一方のアントニオ・ターバーは、ラティーフ・カヨーデが前へ出て来たらカウンターを狙い、下がったら上下にパンチを打ち分けてすぐに離れる頭脳的なボクシングを展開しています。パンチを当てる技術は衰え知らずですね。
【Photo:The Ring Magazine】
試合は、ガムシャラに前進するラティーフ・カヨーデに対して、アントニオ・ターバーがカウンターを打ち込む展開が続きます。手数はラティーフ・カヨーデが上回っていますが、クリーンヒットの数はアントニオ・ターバーが上回っていますね。
試合は、このまま一進一退の攻防が続き、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。結果は、1人のジャッジがアントニオ・ターバーを支持、1人のジャッジがラティーフ・カヨーデを支持、最後の1人が引き分け。注目の新旧対決は、三者三様のドローに終わりました。
アントニオ・ターバーのテクニックとラティーフ・カヨーデのパワーが堪能できた大熱戦でしたね。クリーンヒットで上回るアントニオ・ターバーと手数で上回るラティーフ・カヨーデのどちらにポイントが行ってもおかしくない接戦だったと思います。
全勝の快進撃を続けていたラティーフ・カヨーデですが、アントニオ・ターバーの老獪なボクシングの前に勢いを止められちゃいましたね。ただ、必ず打ち返す負けん気の強さとアントニオ・ターバーのクリーンヒットをもらっても倒れない打たれ強さにはビックリしました。
43歳のアントニオ・ターバーと29歳のラティーフ・カヨーデが激突した注目の新旧対決。採点結果を聞いた後、「引き分け?オレが勝ったんじゃないの?」と曇った表情を浮かべたアントニオ・ターバーとラティーフ・カヨーデの姿が印象に残った試合でした。
アントニオ・ターバー対ラティーフ・カヨーデの試合結果
試合結果 | 三者三様のドロー。大熱戦の末、引き分けに終わりました。 【公式ジャッジの採点結果】
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