WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
チャンピオン | 内山高志(日本) 戦績:18戦全勝15KO |
挑戦者 | マイケル・ファレナス(フィリピン) 戦績:41戦34勝23KO3敗3分 |
内山高志選手とマイケル・ファレナスの試合内容
日本が誇る「KOダイナマイト」内山高志選手がサウスポーのマイケル・ファレナスを迎えて5度目の防衛戦を行います。会場は内山高志選手が育った埼玉県春日部市。内山高志選手にとって、初めての凱旋防衛戦です。
アメリカ進出や王座統一戦が期待される内山高志選手は好戦的な挑戦者を退け、ビッグマッチへ駒を進めることができるでしょうか?会場に詰めかけた大勢のファンとWBCタイトルを持つ対抗王者の粟生隆寛選手が見つめる中、試合開始を告げるゴングが鳴り響きます。
試合は、思い切りよくステップインして得意の左ストレートを狙う挑戦者のマイケル・ファレナスに対して、チャンピオンの内山高志が左ジャブを突きながら距離を確認する展開で始まります。
「ファレナスの踏み込みが予想以上にいいよ。一段、二段って踏み込んで左ストレートを狙うボクシングはマニー・パッキャオに似てるね。一方の内山選手はファレナスの戦力を分析しながら戦っているみたい。思ったより戦いにくそうだなあ」と両者のボクシングに注目する管理人。
1ラウンドは、内山高志選手がマイケル・ファレナスの左ストレートをバックステップでかわすシーンが目立ちましたが、2ラウンドに入ると、内山高志選手が右ストレートを打ち始め、パンチを出してマイケル・ファレナスの突進を食い止めようとします。
「内山選手、ナイス!上下に打ち分ける右ストレートはめっちゃ有効だよ。この手のタイプは前に出すと、勢いに乗るんで、パンチで後退させたいね。内山選手のパンチ力なら7割で十分じゃないかな?とにかくパンチを当ててファレナスのリズムを崩したいよ」と内山高志選手の応援に力が入る管理人。
2ラウンド序盤、踏み込んでパンチを狙ったマイケル・ファレナスの頭が内山高志選手の顔面にぶつかり、右まぶたからうっすらと血がにじみます。マイケル・ファレナスは、8割を超えるKO率を誇る内山高志選手の強打に恐怖を感じることなく、正面からガンガン飛び込んできますね。
「ファレナスの二段攻撃がめちゃめちゃ厄介だよ。最初のパンチが外れても、もう一段踏み込んで次のパンチを打ってくるもんな。しかも、頭から飛び込んで来るんで、さすがの内山選手も戦いづらそうだよ」と思っていると、3ラウンド、日本が誇る「KOダイナマイト」をアクシデントが襲います。
3ラウンドが始まると、挑戦者のマイケル・ファレナスがガードを高く構えて上半身を小刻みに振りながら、鋭いステップインから左ストレートを連打します。内山高志選手は紙一重で攻撃をかわしていますが、ラウンドが進むにつれてマイケル・ファレナスのプレッシャーが強まっていますね。
3ラウンド40秒、局面を打開しようとする内山高志選手は、得意の右ストレートを中心に自分から攻撃を仕掛けてマイケル・ファレナスを押し返します。負けじと前へ出るマイケル・ファレナス。内山高志選手が、マイケル・ファレナスの左ストレートに、カウンターの右アッパーを合わせようとした瞬間でした。
マイケル・ファレナスの頭が再び内山高志選手の顔面に当たり、内山高志選手が右まぶたを大きくカット!「うわっ、傷がめっちゃ深いなあ。続行できるかな?」と思っていると、ドクターチェックの後、レフェリーのラウル・カイズ・シニアが試合をストップします。
偶然のバッティングにより、内山高志選手が試合続行不可能となり、結果は3ラウンド負傷引き分け。プロデビューからの連勝は18で止まりましたが、内山高志選手が引き分けで世界タイトルの5度目の防衛を果たしました。
予想外の結末が待っていましたね。初の凱旋防衛戦となった内山高志にとっても、初の世界戦で悲願のタイトル奪取を狙ったマイケル・ファレナスにとっても、悔しい結果だったのではないでしょうか?
「さあ、ここから本当の勝負だよ」というところでストップとなり、消化不良のまま試合は終わってしましたが、試合後、内山高志選手と対抗王者の粟生隆寛選手が「統一戦を実現しよう」と言葉を交し合ったシーンは、めちゃめちゃテンションが上がりました!
予想外のアクシデントで、不本意な凱旋防衛戦となってしまった内山高志選手。しかし、ボクシングファンが期待する「KOダイナマイト」の未来は希望に満ちあふれています。内山高志選手と粟生隆寛選手の王座統一戦、そしてアメリカ進出が実現しますように。
内山高志選手とマイケル・ファレナスの試合結果
試合結果 | 内山高志選手が3ラウンド1分15秒負傷引き分けで5度目の防衛に成功。 |