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V6なるか?亀田興毅がパノムルンレック・カイヤンハーダオジムと激突

WBA世界バンタム級タイトルマッチ

チャンピオン 亀田興毅(日本)
戦績:30戦29勝17KO1敗
挑戦者 パノムルンレック・カイヤンハーダオジム(タイ)
戦績:37戦36勝19KO1敗

亀田興毅選手とパノムルンレック・カイヤンハーダオジムの試合内容

日本人ボクサー初の3階級制覇を達成をした亀田興毅選手が、悲願の世界タイトル奪取を狙うパノムルンレック・カイヤンハーダオジムを迎えて6度目の防衛戦を行います。亀田興毅選手は「苦手」と言われるサウスポーの挑戦者を退けることができるでしょうか?

試合は、右ジャブを突きながらプレッシャーをかけ、体重を乗せた左ストレートや左右のフックを打ち込む挑戦者のパノムルンレック・カイヤンハーダオジムに対して、チャンピオンの亀田興毅選手がガードを固めて打ち終わりを待ち、上下にパンチを散らして応戦する展開で始まります。

「パノムルンレックが立ち上がりから主導権を握りにきたね。パノムルンレックはパンチを当てながらリズムを作るタイプのボクサーなんで、亀田選手はスピードとフットワークを生かして、できればパンチを空振りさせたいなあ。どっちが主導権を握るかな?」と序盤の攻防に興味津々の管理人。

序盤は、パノムルンレック・カイヤンハーダオジムがプレッシャーをかけ、亀田興毅選手が応戦する展開が続き、迎えた5ラウンド。亀田興毅選手が、足を止めて応戦するボクシングからフットワークを使って連打で攻撃するボクシングに切り替えます。

「あ、いい感じ。出入りのスピードは、亀田選手が一枚上手なんで、フットワークを生かしながらパンチを上下に打ち分けて、先手先手で攻めたいね。パノムルンレックは直線的な攻撃に耐える強さがすごいけど、ポジションを変えながら戦う相手は苦手っぽいよ」と亀田興毅選手のボクシングに拍手を送る管理人。

「亀田選手が主導権を握るかな?」と思ったのですが、悲願の世界タイトル奪取に燃えるパノムルンレック・カイヤンハーダオジムは右ジャブを突きながら亀田興毅選手にプレッシャーをかけ続け、簡単に主導権を渡しません。一発の威力と打たれ強さは、パノムルンレック・カイヤンハーダオジムのほうが一枚上手な印象です。

6ラウンドに入ると、お互いの距離が詰まり、接近戦で打ち合うシーンが目立つようになります。パノムルンレック・カイヤンハーダオジムが右ジャブと左ストレートのワンツーで亀田興毅選手を後退させ、亀田興毅選手がロープを背負う場面が増えてきましたね。

「パノムルンレックはめっちゃタフだね。亀田選手は打ち合いに付き合わず、先手で攻撃したいよ。先に仕掛けることができれば、亀田選手のスピードがもっと生きると思うんだけどなあ。パノムルンレックのプレッシャーが予想以上に厳しいのかな?頑張れ、亀田選手!勝負だよ」と亀田興毅選手の応援に力が入る管理人。

10ラウンドは、亀田興毅選手がフットワークと右ジャブを効果的に使いながら、パノムルンレック・カイヤンハーダオジムを空回りさせますが、パノムルンレック・カイヤンハーダオジムも亀田興毅選手のパンチに耐えながら距離を詰め、パンチを出し続けています。

「亀田選手もパノムルンレックも一歩も譲らないね。ポイント、めっちゃ競ってるんじゃないかな?」と一進一退の息詰まる攻防にドキドキの管理人。試合は最後まで一進一退の攻防が続き、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。

勝敗は3人のジャッジに委ねられ、2人のジャッジが亀田興毅選手、1人がパノムルンレック・カイヤンハーダオジムを支持。亀田興毅選手が大接戦の末、2-1の判定勝ちを飾り、6度目の防衛に成功しました。

いやー、めっちゃきわどい接戦でしたね。立ち上がり、パノムルンレック・カイヤンハーダオジムのパンチが亀田興毅選手のガードを突き破ってロープに押し込んだときは「うわっ!予想以上にパンチがあるよ。うーん、やばいかも」と思ったのですが、亀田興毅選手はよく盛り返しましたね。

管理人の採点はパノムルンレック・カイヤンハーダオジムの勝ちで、正直なところ、どちらが勝ってもおかしくない内容だったと思います。試合後のインタビューで謝罪の言葉を口にしていた亀田興毅選手が最も悔しい思いをしているはずなので、次の防衛戦でうっぷんを晴らしてほしいですね。

素人のファン目線で恐縮ですが、「亀田選手はいろんな意味でもっと力を抜いたほうが本来のボクシングができるんじゃないかな?」と思っています。亀田興毅選手が背負ってるプレッシャーや迷いをやわらげてあげることができれば、もっと生き生きしたボクシングができると思うんです。

個人的に、亀田興毅選手がさらに強くなるためのキーポイントは「先に攻めること」だと思います。今の「まずガードの上を打たせる」攻防分離のボクシングは、相手にパンチを当てるチャンスを与えるので、どうしてもリズムに乗せてしまいやすくなります。

一方、12ラウンドの開始15秒のような自分から右ジャブを連打して、相手のガードが空いているところへパンチを打ち分けるボクシングがコンスタントにできれば、たとえサウスポーでも、世界のトップ選手でも、亀田興毅選手から主導権を握ることは簡単じゃないですよ。

無駄なパンチをもらったり、スタミナをロスしたりしないためにも「先に攻撃を仕掛けること」はすごく意味があると思います。これから対戦相手がますます強くなってくるはずなので、ぜひ亀田興毅選手の持ち味を最大限に生かしたボクシングで勝負してほしいです。

僅差の判定勝ちで、6度目の防衛に成功した亀田興毅選手。試合後にすぐ謝罪をした亀田興毅選手の悔しさが痛いほど伝わってくる試練の防衛戦でした。亀田興毅選手にしかできないボクシングや与えられない感動があるはずなので、亀田興毅選手らしさを忘れず、次戦で爆発してほしいですね。

亀田興毅選手とパノムルンレック・カイヤンハーダオジムの試合結果

試合結果 亀田興毅選手が12ラウンド判定勝ち。6度目の防衛に成功しました。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 115-113(亀田興毅選手)
  • 115-114(亀田興毅選手)
  • 116-113(パノムルンレック・カイヤンハーダオジム)
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